▼3DSのARゲームズでボードゲーム「パンデミック」を紹介する・その3
これまでのあらすじ! あ…ありのまま 今 起こったことを話すぜ! 『エピデミックカードを引いたと思ったらいつのまにかアウトブレイクしていた』 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが(略)
ARゲームズを使って紹介するパンデミック。今回はARゲームズの扱いで困った点についてちょっと触れてみましょうか。
ARゲームズでMiiを写すにはARカードが必要です。盤面に?カードがチラチラ見えますが、それがARカードですね。
ARカードがなぜ必要かと言えば、Miiを置くための地面の基準点を設定するためで、これがないと基準となる地面がわからず、Miiが宙に浮いた状態になってしまうんですね。盤面も情報が詰まっているボードゲームではARカードの置き場にも結構苦労します。
カメラの写角にARカードが入っていないとMiiが出てこない。かと言ってARカードを写角に収めると邪魔になるこのジレンマ。もう一回り小さいサイズのARカードを用意すればこの問題は解決するのかな、と思いますが、一方でカメラの分解能の範囲でしかARカードは認識できないのであまりにも小さなカードは認識できません。
同様の理由でカメラを思いっきり引いたアングルも難しいんですね。盤面全体を見渡すアングルが少ないのは実はそうした理由があったりします。
さて、プレイヤーターンが一巡し、再びマリオに手番が戻ります。マリオの手札は黒1枚、赤3枚。マリオは特殊能力で同色のカードが4枚あれば治療薬を作れるので、次の手番では確実に治療薬を完成させたいところです。
手札の補充に任せるのも手ではありますが、確実を期すならば「知識の共有」でサムスから赤カードを貰うべきでしょう。現在サムスは北京と大阪、2枚の赤カードを有しています。
さて、そうなると問題は北京と大阪、どちらのカードを貰うべきか。ここで色々な選択肢が生まれます。勝利を目指すのであれば、より効率的なカードの受け渡しや、製薬後の見通しにも注意を払わなければなりません。
また、治療薬を作るためには調査基地が必要です。調査基地の設置には「自分が現在いる都市のカードを捨札にする」必要があるので、北京か大阪、どちらかに調査基地を設置して、残ったカードを手渡すという流れが一番スタンダードになるでしょうか。
そうなると調査基地を置くべきは北京か大阪か、という視点からも選択を考慮する必要がありそうです。
とりあえず、盤面を観察してみると、シドニーから大阪、北京はそれぞれ3マスの距離。どちらで受け渡すにしても大差はないように思えます。
そうなると考慮すべきは調査基地の設置になるでしょうか? 調査基地の設置が必要なら、話はマリオとサムスだけではなくたぬきちの起用も選択の俎上に上ります。そしてたぬきちを極東で活躍させるならフォックスの協力も不可欠です。あるいはサムスのスペシャルイベントカード、「空輸」を使う手もあります。
よりスムーズに製薬を完了するための手順は何か? 4人は喧々諤々の議論を重ねた末に一つの回答を導き出しました。
まずはマリオ。シドニーからマニラ、台北を経て大阪に移動。1アクション余すのはもったいないところですが、これで終わりです。
次に手札の補充。あるいはここであっさり赤カードが出てしまう可能性もあるわけですが、さて。
引いたカードは黒のカラチとスペシャルイベント「予測」でした。
「予測」のイベントカードは、「感染カードの山札の上から6枚のカードを見て、好きな順番に並び替え、山札の上に戻す」というもの。エピデミック直後のような、次の感染が予測できないタイミングでは頼りになるカードです。
補充を終えてマリオの手札はこんな感じです。黒のカードが揃ってきたので赤の治療薬が完成してからは黒の治療薬の完成を目指す、という方向性もうっすら見えてきました。
モスクワは先のターンでサムスが病原体の除去に成功した都市です。病原体を駆逐していなければここでアウトブレイクが発生していたことを思えば、先程のサムスの選択は正解だったと言うことでしょう。
トロントにも病原体が乗ります。北米地方は比較的おとなしい状況ですが、シカゴに感染が広がりでもすれば一瞬で火薬庫になりかねない状況でもあ
ります。
続いてたぬきちの手番です。手札はこのように黄色一色。ドロー運はおしなべて良好といったところでしょうか。
さて、たぬきちの現在地はバグダッド。ヨーロッパ、アジア、アフリカを繋ぐこの都市は、6つもの近隣都市を持ち、交通上、非常に重要な地位を占めています。つまり、バグダッドは調査基地を設置するのにうってつけの都市というワケです。
ここでたぬきちの作戦エキスパートとしての能力が役立ちます。前述したように調査基地の設置には都市に対応した手札が必要になるのですがたぬきちはその制限を無視して調査基地を設置することができるのです。
ちなみに置ける調査基地の上限は6個です。7個目の調査基地を設置する場合、設置済みの調査基地を1つ破棄しなければなりません。
村人の了承も得ずに増築工事を済ませる手際の良さがここでも活かされ、たぬきちは調査基地の設置を滞り無く完了させます。「お代は銀行に振りこんでくれだも!」
さらにここでサムスがスペシャルイベント「空輸」を使用。このようにスペシャルイベントカードは自分の手番でなくてもいつでも使用できるのです。
目標は言わずと知れたたぬきち。
たぬきちをマリオの待つ大阪へと一気に空輸します。
そしてここでも特殊能力で調査基地を設置します。これで治療薬を作る条件がまた一つ整いました。
調査基地から飛び立つたぬきち。ありがとうたぬきち! ……って、一体たぬきちはどこに行くつもりなんだ?
たぬきちが訪れたのは本部のあるアトランタ。実は調査基地から他の調査基地へは1回のアクション消費だけで移動できるんです。現在、調査基地が設置されたアトランタ、バグダッド、大阪はそれぞれ相互に移動可能なんですね。言ってみれば調査基地はワープゾーンのような働きもするんです。
さて、ここまで調査基地の設置→調査基地の設置→シャトル便による移動(調査基地間の移動)と3つのアクションを消費したたぬきちは最後にマイアミに移動してエンド。
手札はこのようになりました。黄色が欲しかったところですが、青も伸びてきましたね。
続いてガノンドロフが感染カードを引く番です。引いたのはマイアミとリャド。
マイアミ、リャドそれぞれ一つ目の病原体が置かれました。どちらも一つ目の病原体。……実はここが重要なポイントだったりします。
というのは、今まで引かれてきた感染カードは全てセットアップで引かれて病原体が積まれた都市だったんですね。それらの都市はエピデミックを機会に山札に戻ったワケですが、ここに来て全部が捨札に送られたということになります。
そしてこれから出てくる感染カードは全て初出の都市ばかりになります。襲い来る危機を脱してようやく安心して治療や製薬に励む猶予がプレイヤーに与えられたということなんですね。
さて、ようやく攻めに転じる機会が与えられた人類側。今度はフォックスの手番です。
このターンでフォックスがやらなければならないのはサムスを大阪に送ること。サムス自身は北京のカードを持っているので自力で大阪にたどり着くことはできますが、行動回数を有意義に使うためにもフォックスの能力を活用した方がいいでしょう。
自分の能力を使ってサムスのいるテヘランに移動。
がっちりと腕を組み交わす二人。勤務地を引き継ぐバトンタッチと言ったところでしょうか。
大阪にてサムスとマリオの邂逅。これでいよいよ舞台は整いました。
「感染者の治療」で病原体を蹴り出して終わりです。
……ちょっと以前のサムスのターンを振り返ってみると、テヘランとモスクワを往復したサムスの前回の行動は勿体無かったですね。サムスがモスクワに留まっていればフォックスの行動もよりスムーズに進んだとも言えるのですが、そのタイミングでは直後に赤のカードを引くとは予想できなかったので仕方のないところです。カードの引き次第で緻密な計画に綻びが生じるのもよくあることですね。
さて、フォックスの手札の補充。引いたのは青のサンクトペテルブルクと黄のメキシコシティでした。
フォックスは青2枚、黄2枚、黒1枚とバラバラの手札です。今後はたぬきちやマリオに不要な手札を渡したいところですね。
続いてガノンドロフの手番。バグダッドと香港の感染カードを引きました。
香港に一つ目の病原体が置かれます。赤の治療薬が完成間近な現状ではダメージは微々たるものでしょう。
バグダッドも一つ目の病原体。こちらはたぬきちが調査基地を置いたこともあり、対処は比較的容易い都市とも言えます。
やはり、新出の都市が出てきてアウトブレイクの危険性が消えると安心感が違いますね。初手エピデミックだったことから次のエピデミックは遠くなるので、ガノンドロフとしては攻めあぐねる時間が続きそうですが、さてさて……
続いてはサムスの手番です。既に彼女の役割は決まっていますね。
まずは大阪のカードをマリオに手渡し。これで念願の治療薬完成にリーチがかかりました。
シドニー、上海、ソウル、大阪のカードがマリオの手札。繰り返しになりますが、マリオだけは自身の能力で4枚の同色カードから治療薬を作ることができます。
大阪を渡したサムスの手札はこんな感じ。黄色のマイアミと赤の北京が残っています。
本拠地アトランタ。ここからどうするかというと……
マイアミに移動します。鬼の居ぬ間とサボりをキメていたたぬきちは哀れサムスに蹴られるハメに……
それはさておきマイアミのカードをたぬきちに手渡します。すると……
たぬきちの手札は黄色が4枚。今度は黄色の治療薬にリーチがかかりました。
たぬきちはマリオと違い、同色のカード5枚を揃えなければ治療薬は作れません。しかしながら確実に手札は揃いつつあります。
振り返ってみると前回のたぬきちは、赤の治療薬を完成させるための拠点設置と同時に、カードのパスを受け取るためにマイアミに走りこんでいました。ジャストタイミングの受け渡しを果たすべく計画が練られていたのですね。
さらに遡ると、たぬきちがマイアミまで辿り着けたのはフォックスがたぬきちをバグダッドに押し込んだこと、「空輸」のカードを惜しみなく使ったこと、様々な一手一手が重なった結果とも言えます。プレイヤー間の協力がなければこの受け渡しは次の機会へと長引いてしまい、時間を無駄に費やしてしまった可能性もある。そう考えると一手の重みがことさら感じられるんですよね。
さて、2度のカード受け渡しでめっきり手札が寂しくなったサムスがカードの補充に臨みます。
と、ここで引いたカードはエピデミック! 順調に事態が動き始めたと思わせた瞬間にまさかのカウンターです。
簡単に計算したところ、2枚目のエピデミックカードを引くのは期待値で9ターン目っぽいので、8ターン目での遭遇は若干早いお目見えという感じでしょうか。いずれにせよ、反撃の糸口が一瞬で潰された。そんな印象を受けます。
ここ2ターンほどダルダルだったガノン様大喜びの図。まさに逆転の一手と言っても過言ではありません。
まずは感染度表マーカーを一つ動かします。今回は影響がありませんが、次にエピデミックカードを引いたらいよいよ感染度が3になる=毎ターン、3枚の感染カードを引くことになります。
続いてエピデミックの発生都市を決定します。感染カードの山札の一番下からカードを引き抜いて出たのは……
ジャ、ジャカルタ……? それって……
もうすぐ治療薬が完成する東アジアじゃないかと。アウトブレイクの危険性を孕みつつも、速攻で除去される可能性もあり、両陣営にとってなんとも良否の判断が付きにくい場所です。
続いてこれまでの捨札置き場に置かれていた感染カードを纏めてシャッフルし……
山札に戻します。なんとか危険都市の処理にも目処がついたと思ったら、またしても感染の再拡大が危惧されるという…… これでまたプレイヤー側はアウトブレイクの恐怖に怯える時間が始まったということになります。
さて、それでは記念すべき最初の感染カードを引くとしましょうか。
と、ここでマリオが制止をかけます! スペシャルイベントカード「予測」は、エピデミック→感染カードドローの流れに割り込める数少ない手段の一つです。
「予測」は「感染カードの山札の上から6枚のカードを見て、好きな順番に並び替え、山札の上に戻す」というスペシャルイベントカード。果たしてトップデッキにはどのようなカードが潜んでいるのでしょうか。
ということで引いてみた6枚のカードがこれ。まぁ、見事に色分けされていますね。それぞれボードを見直してみましょう。
まずはアフリカのハルツームとヨハネスブルグ。って、これはヒドい……
どちらも3つの病原体が乗っている上に、アウトブレイクが発生したらもう片方の都市でもアウトブレイクが発生する……いわゆる「連鎖反応」が起こる状態にあります。
さらに言えば、ハルツーム、ヨハネスブルグの両都市と隣接しているキンシャサでもアウトブレイクが発生する可能性があり、この2枚のカードを引いていたら間違いなく致命傷でしたね。
続いて中央アジア。カラチは2つの病原体を抱えていますが、テヘランはキレイな状態です。とりあえずアウトブレイクが発生することはありませんが、早めに種火を消したいところです。
最後に東アジア。ソウルは言わずと知れたアウトブレイク発生都市。あいかわらずヤバいです。香港は1つ病原体が乗っていますが、この地方は治療薬の完成を控えているので比較的対処はしやすいところです。
とまぁ、各地の状況を鑑みて、こんな感じで感染カードを山札に戻すことに決めました。ガイドライン通りのヤバさを垣間見せるヨハネスブルグとハルツームはとにかく後に回して、なんとか病原体を除去する時間を稼ぎたいところです。
まぁ、あとはソウルも早くなんとかしないとヤバい……
ちなみに各プレイヤーの感染カードの割り当てはこんな感じです。サムスはもう行動の余地なくカードを引かざるをえないので、どうしようもない状況です。
そういう意味では「なんとかしてくれ!」と回りから詰め寄られるのがマリオ。果たしてマリオの限られた手数でどれだけの危険を排除することができるのでしょうか。
さて、そんなワケでガノン様が予定調和に感染カードを引き……
テヘランに1つ目の病原体を配置して、このターンは終了。アウトブレイクは回避したとは言え、着実に危険水位へと近づいています。
プレイヤー有利に運ぶかと思われた状況がたった1枚のエピデミックカードでひっくり返される。この混沌ぶりがパンデミックの醍醐味です。
マリオの引いた「予測」のおかげでかろうじて方針を定めえたという状況ではありますが、先が見えるだけにここからの行動は詰め将棋の色合いを帯びてきます。病魔の跋扈するこの世界で、果たしてプレイヤーは何を捨てて何を守るのか、まさしく一手が生死を分かつ極限の盤面が今後は展開されるワケです。重いですね。ひたすら重いです。