▼3DSのARゲームズでボードゲーム「パンデミック」を紹介する・その4

 これまでのあらすじ! 足元がぐにゃりとしたのでプレイヤーカードをめくってみるとエピデミックカードが転がっていた。世はまさにヨハネスブルグ


 先日の大地震からこの方、福島原発では必死の復旧作業が続けらています。建屋の爆発事故や燃料貯蔵プールの核燃料の露出など傍から見ている分には血の気の引くような局面も多々ありましたが、現場の方々はまさに文字通り命を懸けた作業で最悪の事態に繋がらないよう努めています。不眠不休の対応には本当に感謝に絶えません。
 敢えて原発事故とパンデミックを絡めて語ると「ダメージコントロールの重要性」をひしひしと感じます。一度起きてしまったトラブルはもうどうしようもないと。じゃあどうやって被害を最小限に食い止めるか。今後発生するであろう災害に対してどんな予防策を今から講じられるか、実行できるか。被害は被害として総括した上で、致命傷だけはなんとか避ける、という考え方が非常に重要だなと感じるのですね。
 パンデミックに慣れたプレイヤーは、感染の少ない都市に病原体が置かれた時に「ああ、よかった」と感じます。どの都市に置かれようが病原体が病原体に変わりないことを思えばなんだか不謹慎にも思えますが、ダメージコントロールの観点で言えば致命的な病原体とそうでない病原体ってのは確実に差があるんですよね。
 リソースが限定された状況では、発生したトラブルが致命的か否か、今すぐ対処する必要があるか否か、的確に見極める知識が生き抜く力になります。パンデミックでは刻一刻と変わっていく状況に適したプライオリティの変更が重要になりますが、現実でも指先の怪我でパニックを起こさずに済むように日頃から正確な知識と判断力を身につけたいものですね。






 東アジア、中央アジア、アフリカと病原体拡大のラッシュが予告された今、何よりも急ぐべきは「感染者の治療」による病原体の除染です。このまま放置していればアウトブレイクの連続、まさに題字通りのパンデミックが引き起こされる事態に至るのです。



 さて、そんな危機的状況でのマリオの手番。本来であれば人類に希望をもたらすはずの4枚の赤の手札も、この状況ではいささか力不足に感じられます。



 とは言え、この局面でやることは一つ。まずは4枚の赤の手札を消費して治療薬を作ります。



 ようやく4つの治療薬のうちの1つ目が完成しました。ここにいたるまで既に2度のエピデミックと2度のアウトブレイクが発生。遅れを取り戻さなければなりません。



 さて、赤の治療薬が完成したことで、今後東アジアに対しては効率的な処置が期待できます。未だ爆発前の危うさを秘めてはいるものの一安心といったところでしょうか。




 さて、東アジアはひとまず置いて、まずは中央アジアに蔓延る病原体の鎮圧に向かいます。



 病原体ビル群の中央に屹立するカラチの病原体を排除。



 ひとまずこれでカラチ発のアウトブレイクを阻止することはできました。……が、貴重な手番を消費した割にはあまり除菌が進んでいないのも事実。歯がゆさを覚えつつも今できるこれが最善の手です。



 さて、マリオのドロー。ひとまずエピデミックを引く可能性がないのは安心できるところでしょうか。



 引いたカードは赤のジャカルタと青のサンフランシスコ。



 欲しかったのはどちらかと言えば黒のカードだったんですけどね…… 赤の治療薬は既に完成済みなので赤カードの需要は薄く、青の欧米エリアは病原体の拡大がさほど見られません。



 続いてガノン様の手番。まぁ、出てくる感染カードは既に「予知」で明らかになっているのですが……



 というワケで赤のソウルと黒のカラチを引きました。



 マリオ懸命のBダッシュでなんとかカラチのフォローには間に合いましたが、これでカラチには再び3つ目の病原体が乗ります。次のエピデミックまでは安全とは言え、今回のような「予知」でのフォローが不可能なことを思えば早急な対処も考慮に入れなければなりません。



 そしてソウルは都合4つ目の病原体コマ。アウトブレイクの発生です。
 ソウルかカラチ、どちらか一方を捨てなければならない状況でソウルを選んだのはソウルの方が隣接都市の数が少なく、病原体の飛散を最小限に抑えられると踏んだからです。
 しかし、ソウルはこれで2度目のアウトブレイク…… 1つの都市が複数回アウトブレイクしたところでルール的な影響はないのですが、その光景を想像するとなんとも心が重くなるところです。




 さて、これでアウトブレイクマーカーは2から3へ。残りの猶予は4回。ハイペースで推移しています。



 続いてたぬきちの手番。手札に4枚の黄色カードが揃っているので、今後は黄色の治療薬の作製を狙いたいところです。



 が、ここでたぬきちはマイアミカードの使用を決断します。治療薬を完成させるよりもまずは病原体の拡大を抑える方が先決だと判断したためです。



 マイアミカードはさきほどサムスから譲渡されたばかりのカードです。つまり現在マイアミにいるたぬきちは、マイアミカードを使用することで世界中の好きな都市に一足飛びで移動することができるんですね。この行動はルール的には「チャーター便による移動」と呼ばれています。



 ということでマイアミから一路ヨハネスブルグへ移動します。




 ヨハネスブルグで「感染者の治療」。これでヨハネスブルグアウトブレイクを阻止することができました。



 そのまま息をつかずにハルツームへと移動します。




 そしてここでも「感染者の治療」。爆発寸前の危険なアフリカ大陸でガス抜きに成功しました。



 続いてプレイヤーカードのドロー。今回消費してしまった黄色カードを上手く補充したいところです。



 しかし、引いたのは黒のアルジェと赤の台北。治療薬が完成してからいらないカードを引くのは稀に良くあることです。



 黒のカードはできればマリオに引いて貰いたかったのですが…… 手札の色が散らばってしまったのはあまり好ましい状況ではありません。



 さて、次はガノン様の出番です。今回の感染カードも予告通り……



 黄色のハルツームヨハネスブルグ。これで予知で先読みした感染カードは全て出尽くしました。



 間一髪でアウトブレイクを避けたものの再びアフリカ大陸に病原菌が蔓延することに…… 苦しい防戦が今なお続きます。



 続いてフォックスの手番。手札も方向性が乏しくイマイチ目的が見えてきません。



 中央アジア、アフリカとアウトブレイクを回避してきましたが、次に爆発的感染が予期されるのは東アジア。なんとか危険性を排除したいところです。(あ、たぬきちMii置くの忘れてた)



 ここでフォックスはモスクワカードを使用。現在地がモスクワのフォックスは、さきほどのたぬきちと同様にチャーター便による移動ができるのです。




 ということでフォックスは一路ジャカルタへと移動します。




 そしてジャカルタでフォックスが何をするかというと……



 フォックスの特殊能力でサムスをジャカルタに引き寄せます!



 ここでサムスの特殊能力が発動! 「自分がいる都市にある治療薬が発見されている病原体すべてを、アクションを消費せずに即座に取り除く」というものがそれです。



 この能力はサムスのターンでなくても発動するので、今回のような通信兵の特殊能力による移動、もしくはスペシャルイベントカード「空輸」による移動でも同様に効果を発揮するのです。



 ということでジャカルタの病原体はサムスによって一掃されます。同じコマンド1回分ですが、フォックスが「感染者の治療」を試みるよりも効率的な治癒ができました。



 サムスとの共同作業を終えたフォックスは足早にジャカルタを後にします。




 またしても自身の特殊能力でフォックスはたぬきちのいるハルツームへと移動。その目的はというと……



 手札にあるハルツームカードを手渡すためです。そう、たぬきちに必要なハルツームのカードを手渡すために、二人はここまでの行動を計画実行してきたのです。



 これでたぬきちの手には再び4枚の黄色カードが。フォックスの手札にはもう1枚黄色のメキシコシティのカードがありますが、これを上手く手渡せれば黄色の治療薬の完成が見えてきます。



 さて、パンデミックでは手札の上限が7枚までと決まっています。8枚以上の手札を得た場合にはその瞬間に手札の整理を行わなければなりません。
 ということで既に治療薬の完成した赤のカードを捨てることにします。



 製薬に5枚のカードが必要なマリオ以外のプレイヤーは何気にこの手札制限が厳しかったりします。引けるカードには限りがあるので無駄に手札を捨てる事態はなるべく避けたいところです。



 さて、アクションを使い果たしたところで手札の補充です。不測の事態を回避すべくスペシャルイベントカードでも引きたいところではありますが。



 ということで引いたのは黒のチェンナイと青のマドリード。うーん、微妙だ……



 青のカードが地味に3枚揃ってきましたが、今回優先度の低い青の治療薬は後回しでも構わないんですよね。黄色や黒のカードは必要としているマリオやたぬきちに渡せればベストではありますが。



 さて、続いてはガノン様の手番。「予知」の効果が終わり、ここからは全く先の読めない展開が続きます。



 注目のカードはバグダッドとマイアミ! 果たしてどうなるか……



 バグダッドには2つ目の病原体が積まれます。中央アジアの攻防は一進一退が続きます。



 そしてマイアミ。こちらは周囲に病原体がないので最悪の事態が起きても被害は軽微といったところでしょうか。中南米にはまだまだ余裕があります。



 続いてサムスの手番。手札の少ないサムスはひとまず衛生兵の本分を尽くしたほうがよさそうです。



 先程のフォックスの能力のおかげでサムスには力を存分に振るえる環境が整っています。まずは病原体のタワーが乱立するこの東アジアに平穏を取り戻さなければなりません。



 ということでパワードスーツ蒸着!



 モーフィングボール形態になった彼女は……



 ジャカルタを北上し、バンコクへ。この瞬間、彼女の能力が発動し、行動アクションの消費なしに病原体が消滅します。



 病原体を轢き潰すように香港へ。



 さらに上海。



 最後に北京に到達。



 なんとこのターンでサムスは東アジアに巣食っていた病原体を纏めて一気に駆逐しました! まさにサムス無双。背中に天の文字が浮かんで見えるようです。



 この成果にサムスもご満悦。続いてカードの補充です。



 引いたカードは黒のバグダッドと青のニューヨーク。



 色はイマイチ揃いが悪いですが、彼女の手札は移動用と割り切るのもありかもしれません。



 フィーバー状態の東アジアを鎮火されてちょっぴり気怠げなガノン様。出番ですよ!



 さて、ガノンが引いたのは青のトロントと黒のデリー。



 トロントは地味に病原体を積み上げていよいよ3つ目。北米は比較的平穏な状況が続いていますが今後の展開次第では荒れるかもしれません。



 そしてそれ以上に問題なのは中央アジアのデリー。排除しても排除しても次から次に病原体が積み上がっていきます。ここ3ターンほど、ずっと黒の感染カードを引き続けていることもあり、中央アジアにまたしても爆発の気配が漂って参りました。



 という感じで2度目のエピデミックカードと直後の「予知」カードによる攻防も終わり、1度のアウトブレイクを許しながらもプレイヤー側はなんとか命を繋いでいるといった感じでしょうか。アウトブレイクの連鎖という最悪の事態を回避できたため、人類にもなんとか行動の自由が生まれてきましたが、治療薬の作製に必要なカードを消費してしまったりと未だに反撃の糸口は見えないままです。
 次のエピデミックカードも着々と近づきつつあることを考えれば、その対処も今から考えねばならず、プレイヤー側は製薬と治療の両睨みでシビアな舵取りを求められる状況が続きそうです。