▼ガールズモード・ファーストインプレッション

 昨日はどっぷりとガールズモードに浸かっていたせいか、夢の中でも一心不乱にガールズモードで遊んでましたよ。こんなのテトリスやマリカでしか経験したことないのになぁ。
 でも、「目当てのブランド出店してねぇぇぇぇぇ!」とか、「マッチする配色のインナーがねぇぇぇぇぇ!」とか、「花吹雪コーデしたのに、追加のアイテムに見向きもされねぇぇぇぇぇ!」とか、どんだけ悪夢ばっかり続くんですか、これ。自分はテトリスの夢でも、テトリス棒が全然落ちてこなかったりするので、元々の性格がネガティブなんだと思います。
 で、いい加減、夢の中で不本意なプレイを続けるのに耐えられなくなって、飛び起きてDSの電源を入れました。最近は朝も冷え込んで起き辛くなってきたというのに、ガールズモードの覚醒効果は凄いですね! 最近は目覚ましかけてるのに気づかなかったことが何度かあったのに、今日はいつもより30分も起床が早いですよ!
 まぁ、それぐらい面白いゲームです、ガールズモード。「ファッションの興味ゼロなんだけど、楽しめるかなぁ?」なんて不安はマジ杞憂でした。




 さて、ゲームの中心になるのは、お客さんの要望に沿ってアイテムを提供する接客部分なんですが、これって言わばクイズや推理のような知的ゲームなんですよね。服装やコメントからお客さんの欲しいものが何かを推理推測して、手持ちのアイテムの中からこれだと思ったものを選択する。DS西村京太郎もQMAも大好きな自分にとっては、この脳ミソをフル回転させて相手の心理を読む感じが凄く好みです。
 ただ、単純なクイズとちょっと異なるのは、こちら側には答えの候補となるアイテムが幾つもあって、最適なアイテムが常に存在するとは限らないし、その場合でも代わりにお客さんが気に入ってくれる商品が手元にあるかもしれないってことです。なので、単純に100点と0点があるというよりは、「大正解」と「正解」と「惜しい」と「残念」がある、みたいな、もっとファジーな区分けなんですよね。
 この構図は、「社長が訊く」でも言ってましたけど、カードゲーム、TCGにソックリなんですよね。MTGで言えば、ここでカウンターを使うのが果たして最善の手なのかどうかを悩む、みたいな。
 その上で、安全に手を打つ「見せる」か、勝負に出る「着て貰う」か、どちらを選ぶかでまた葛藤と緊張感がありますし、自分の推測が上手くハマって花吹雪が舞った時には、もう大興奮ですよ。
 逆に、自分の選んだアイテムがお客さんの好みに合わなかった場合も、その後のセールストークでお客さんがアイテムを気に入ってくれることもあります。
 で、自分でも「ちょっとこれは違ってたかなぁ?」と思うアイテムを「あー、試着だけで結構ですよ」って引き取ろうとしても、「あ、でも、こういうのも素敵ですよね」ってお客さんが買ってくれることもあって、その時はなんと言うか、嬉しいような、申し訳ないような、ありがたいような、悔やまれるような、様々な感情が渦巻いて、なんとも言えない気分になります。「よし、次こそは笑顔になって貰うぞ!」なんて考えちゃったりもして、この感覚が凄い新鮮ですね。
 お客さんの視点からすると、結論は「買う」「買わない」しかないんですが、そこまでに至る展開がこのゲームは凄くファジーなんですよ。だから、少しでも気に入って貰えるアイテムを選ぼうと努めますし、熱も入ります。なんというか、お客さんに喜んで貰うのが凄く嬉しいゲームなんです、これは。



 あと、展示会での仕入れも面白いんですよね。接客も楽しいんですけど、手にした売上で次にどんなアイテムを買おうかな、って考えるのがまた楽しいんです。
 まぁ、お店は慢性的に在庫が不足しているので、もっと幅広いアイテムを揃えたいぞ、と強迫観念的に考えてしまうんですよね。もっとお客さんの要望に即した販売がしたい、と思うんです。
 で、展示会に出かけて新しいアイテムを仕入れてみたら、今度はそれを売ってみたくなりますしね。もう、買って売って買って売っての循環が延々と続くんです。
 この辺の心理はですね、ホントTCGに通じるところがあります。デュエルに勝ったけど、もっとデッキを強化したいから新しいパックを買ってきて、それでデッキを充実させたら、またデュエルしたくなった、みたいな。


 基本的にこのゲームは仕入れ値<売値なので、アイテムを売れば必ずプレイヤーは儲かります。店舗の維持費も存在しませんし、金銭的に困ったらオーナーが助けてくれます。ゲームオーバーは多分ありません。
 でも、仕入れたアイテムが売れないと、在庫を抱え込んで動けなくなります。欲しいアイテムがあっても倉庫が一杯では買えませんし、結果的にそれが接客の幅を狭めることにも繋がります。時にはせっかく買ったアイテムを「処分」する必要も生まれるでしょう。
 アイテムの仕入れは、TCGで言うところの「収集」と「デッキ構築」の要素を、上手く織り込んでいるんですよね。特にゲームの序盤は、どのアイテムを仕入れるか選別する目が重要になるので、ここでプレイヤーのセンスが問われるように思います。


 あと、このゲームは1回の接客ごとにセーブができます。1回の接客に要する時間は、まぁ、2,3分なので、ワンプレイが物凄く軽いゲームです。自分はこの点が驚きでした。
 というのは、通常の経営ゲームってもっとワンプレイが重いんです。1回の接客がワンプレイになるんじゃなくて、1日とか、1週間とか、もっと長いスパンでワンプレイを区切るのが普通なんです。
 なので、この仕様は凄い大胆な切り出し方だなと自分には思えました。リアルではないんですが、でも、ゲーム的には納得できる作りなんですよね。
 まぁ、言ってしまえば、これはミニゲームの文法に沿った形式なんですが、豊富なアイテムとリソースの積み重ねがあるので、ミニゲームによくある貧相さは全く感じられません。そして、手応えの重さはまさしく経営ゲームのそれで、全体のバランスが非常に秀逸です。
 で、ワンプレイが軽いのは、携帯機にとってはこの上ない利点です。好きな時にゲームを遊んで、好きな時に止められる。生活のニッチな時間を占領できるのが、携帯ゲームの強みでもあります。
 しかも、その上で、ゲームを極めようと思ったら膨大なプレイ時間が必要になります。このゲームの売り文句の一つは10000点以上収録されているというアイテムの数々ですが、初期のプレイヤーの倉庫の上限は、たったの100点です。倉庫を一杯にしても達成率1%です。
 ましてやその組み合わせと来たらもう天文学的な数字にまで達するワケで、究極のコーディネートを探求しようとしたら、それこそ終わりなんて見えないんですよね。
 ということで、このゲームは、ホント任天堂らしい、間口が広くて、しかも奥の深いゲームです。まぁ、おかげで、自分のような意志の弱い人間は、「いつでも止められるから」を言い訳にして、ズルズルとゲームを続けてしまうワケですけど。困ったものですね!



 てな感じで、ファッションへの嗜好を一切抜きにして、純粋にゲームとして見た時のガールズモードの面白さってこんな感じです。
 多分、ファッション自体が好きな人は、主人公のアバターを着せ替えしたり、メイクしたりでもっと幅広く楽しめるんでしょうけれど、自分はQMAでもキャラは初期衣装のまんまだったりして、アバターを着せ替える楽しみは実はまだ味わっていません。もっとアイテムを揃えてからにしようかなーと思っています。
 でも、それでも自分は十二分にガールズモードを楽しめています。これは例えば、バンブラDXが音楽を題材にして、演奏、作曲、歌唱、様々な触れ方でゲームを楽しむことができたように、ガールズモードも、ファッションを題材にユーザの知識や経験にあわせて様々な楽しみ方ができるゲームだからなんだと思います。凄いゲームができたもんだなとホント感心しっぱなしですよ。




 そう言えば、昨日はGEOで本作を買い求めたワケですが、なぜかその時の店員さんの対応が異常に丁寧でした。例えて言うならば、自動車教習所で鬼教官に睨まれながら実技に挑む研修生のように、一つ一つの動作がマニュアルに則りすぎてて、慎重を通り越して緩慢でさえあります。「これはひょっとして観察されてるのか!?」と思ったりもしたんですが、それはさすがに気にしすぎかなぁ。
 「包んでください」とか言い出すのを待ってたのかもしれないですね。そう思いたいです。