名作はヌルゲー揃い

 考えてみればRPG全盛期のゲームはみんなヌルかった。ドラクエ4ドラクエ5、FF4、FF5、真メガ、真メガ2、ロマサガ、メタマ2…… メジャーどころでバランス的にキッツいと思ったのはドラクエ6くらいかな。あとマザー2。真メガとかロマサガあたりは難しいと思う人もいるかもしれないけど、あの辺は単純にユーザアビリティが悪いだけで戦闘バランス自体は泣くほどのものでもない。「じゃあ流星剣とか火の鳥で全滅した事ないのかよ?」と聞かれると、「オームに何回全滅させられたか分からないぜ!」と答えるレベルなんだけど。
 まぁ、私は経験値稼ぎ大好きプレイヤーなので。レベルさえ上がれば無理なく進めていけると言う意味でこれらのゲームは「ヌルい」と思う訳ですよ。マザー2は後半の敵のインフレっぷりにこっちのレベルアップが追いつかない。ドラクエ6はスライムもどきに撲殺される。そんなのに比べれば平均レベル7でクリアできるFF5のバランスはやっぱりヌルいです。
 でもヌルいのが悪いかと言えばそうでもなくて。単純にボタン連打で勝てる戦闘ゲームにバカみたいにハマってた実情を考えれば、私にとってはあのヌルさが快感だったのだと思う。真メガなんて状態異常の弾装備してオートにしておけば勝てるしね。ただ、これらのゲームは全部が全部ヌルかったかと言えばそうでもなく、ポイントとなるボス戦なんかはキチンと戦術を立てないと勝てない作りだったように思う。ロマサガで言えばサルーイン。メタマ2ならテッドブロイラー。FFは神竜とかオメガとか。
 敵を片っ端から蹴散らすザコ戦の爽快感。一瞬のミスが明暗を分けるボス戦の緊張感。このメリハリが上手く効いてるゲームが名作の条件の一つなんではないかなとちょっと思う。
 その一方で、最近のゲームはヌルさがないように思う。無駄にザコを蹴散らすあの爽快感がない。これは最近のゲームがザコ戦にまで戦術性を求める作りになっているからだと私は思う。当時はボタン連打ゲーが単純だと言う理由で批判されていたもんだけど、ザコ戦にまで緻密な戦術を求めるゲームなんかやってて疲れるんだよなぁ。
 では戦術性と爽快感を両立した作品はあるのだろうか、と考えてみてパッと浮かんだのはポケモン。ノーコストの攻撃方法をなくし(技が切れると使えるけど)、技数の選択幅に制限を設けて、属性の強弱の関係を強くした。属性の関係は重要ではあるけども、ゲームクリアレベルなら力押しも可能。私の最初のポケモンプレイはポケモン緑のヒトカゲだったんだけど、レベルを上げれば属性的に不利なイワークも十分に倒せる。クリアしてからヒトカゲ選択は悪手と言うのを知ったくらいで、戦術が必要ではあるけど、力押しでもクリア可能と言うフィーリングは今考えてみると結構凄い。まぁ、その幅の広さが私の好きな「ヌルさ」なのではないだろうか。
 ……と言うのをウィズ3をやりながらふと思った訳です。あー、マーフィーを殺すのは楽しいなぁ。