ネット上での職業人気の変遷について
世界樹の迷宮には9つの職業があるのですが、当然全てが同じように人気があると言うワケではなく、使い勝手やイメージによって各々の評価には差異があります。またユーザーの手でゲームの概要が詳らかになっていくことでそれぞれの人気も変化していきました。
下記は自分の意見ではなく、全体の空気がなんとなくこんな感じだったかなぁというのをイメージで。最初と最後で全然違うのが面白すぎます。
●発売前〜発売直後
★人気
ブシドー:防御捨てて攻撃特化ってカッコよすぎ
毒アルケ:毒強すぎ!
パラディン:ソードマンと同等の攻撃力+ガード系技能充実
アルケミスト:パーティの主力
伐採レンジャー:資金無限増殖!
★普通
メディック:一家に一台
剣ダクハン:ドレインバイトがオトク
カスメ:早く使わせてー
レンジャー:地味って言った奴は殺せ
★かわいそうな子
ソードマン:ブシドー入ったら抜けるかな……
鞭ダクハン:マゾい
バード:歌の効果ないんだけど……? ホーリーギフト地雷だろ
●初期
★人気
パラディン:防御陣形最高!
炎アルケ:大爆炎最高!
メディック:アイテムじゃ回復にお金がかかりすぎる
★普通
ダクハン:ケルヌンノス縛りで楽勝
ブシドー:あれ……? 装甲紙過ぎない……?
カスメ:カスメまだー?
レンジャー:トリックステップ便利 アザースステップ便利
斧ソードマン:バルディッシュ強ぇぇ
バード:子守唄って便利じゃない?
★かわいそうな子
キュアパラ:回復してたら防御できないじゃん
ソードマン:ダブルアタックって30%しか発動しない……?
戦後処置メディ:2%しか回復しない……?
毒アルケ:地雷
氷アルケ:空気
●中期
★人気
メディック:医術防御強すぎ! ヘヴィストライク強すぎ!
バード:属性歌便利! 子守唄で永久機関! カエル道場!
★普通
レンジャー:110000enの弓矢出た! サジ矢強すぎ!
カスメ:昏睡の呪言が便利
ソードマン:斧はバルディッシュ強いな→魔剣出たら剣の方が強い
ダークハンター:ボスとか縛ると超ラク
パラディン:挑発って効果ある……? まぁ、防御陣形使えばいいや
★かわいそうな子
アルケミスト:攻撃力低すぎ、バードいたらいらなくないか?
ブシドー:え、構えって強化枠一個使うの……?
●後期
★人気
レンジャー:攻撃に補助に収集に大活躍!
メディック:攻撃に回復に補助に大活躍!
バード:子守唄便利、鎮魂歌外せない
★普通
ソードマン:ハヤブサ駆け便利。チェイスでドラゴン狩り
ダークハンター:エェェェクスタシィィィー!
カースメーカー:ペイントレード超便利
アルケミスト:火炎、氷結、大雷嵐。博識便利
★かわいそうな子
パラディン:3竜の時だけいればいいよ。って言うか、いなくてもなんとか……
ブシドー:レンジャーに攻撃力で負けるって……
纏めると。
ソードマン
人気スキルのダブルアタックが発動率低めだったので当初評価は低迷。発売前はブシドーの人気が高かったこともあいまって普通っぽさが逆に足枷にもなっていた。しかしながら斧の攻撃力の高さやハヤブサ駆けの有用性が明らかになり、アタッカーとして人気を得る。幻想曲とチェイス系の組み合わせでドラゴンに大ダメージを与えられることが発見されてからはチェイス型の人気も高い。
レンジャー
初期は伐採用に人口増加。TPRGなどの既存媒体から補助職としてのイメージが強く、なかなかその真価に気づかれずにいたが、アーチドロワーの発見とサジタリウスの矢の攻撃力で一気にトップアタッカーへ昇格。元々アザースステップなどで評価も高く、今では万能すぎると批判を受けることさえも。
パラディン
初期はカマキリやスノードリフトの攻撃をシャットアウトする挑発+パリングが人気に。その後挑発+パリング派、フロントガード派、防御陣形派などに人気が分散するも最終的に防御陣形が最も有用性を認められる。シールドスマイトの攻撃力の高さも相まって万能職との評価を一時は受けたが、コストパフォーマンスの悪さや医術防御の台頭によりかつての権威は失墜。3色ガード係となる。
ダークハンター
ドレインバイトの性能のおかげで素早くて攻撃力のあるアタッカーとして評価を受ける。しかしその後なかなか伸び悩み、今度は鞭での縛りが脚光を浴びることに。エクスタシー、ブーストアップ&クイーンズボンテージ、トラッピングなどロマン溢れる路線を開拓。クリア後は空気と言われることも多いが、十分に前線をこなすことのできるアタッカーである。
メディック
元々RPGでの僧侶役の需要を鑑みて人気のあった職業。ごく初期には打撃力を確保する為にメディック抜きのパーティも見受けられた。その後回復魔法の使い勝手は元より、最強の防御スキル、医術防御の発見やアタッカーとして申し分のない打撃力を持つヘヴィストライクが評価され、パーティになくてはならない存在に登りつめる。基本的にメディック抜きのパーティはマゾいと言われるほどの重要職。
アルケミスト
毒吹きアゲハで学習したプレイヤーが毒を活用した毒アルケを投入。一躍人気に。しかし第2層以降使い勝手が極端に悪くなる毒術に毒アルケバブルは弾ける。その後、全体魔法が強力ではあるものの、燃費も悪くボス戦では使いづらいと評価は二分。第5層に入ると炎アルケや雷アルケが今度は人気に。ボス戦ではイマイチでもザコ戦で真価を発揮する特殊アタッカーという地位を得る。ソードマンとセットで使われることも多い。
バード
初期は歌の効果が余り実感として感じられず地雷職扱いを受ける。予備の弓アタッカーとして使えるよ、というのが当時のバード使いのささやかな抵抗だった。その後、第3層付近から属性歌の需要が高まり、また冒険の長期化に伴い安らぎの子守唄の有用性が広く知れ渡った。クリア後の隠しボス戦ではバードの存在は必要不可欠となり、1ギルドに1人は必要な存在に。ゲームの発売から最も株の上がった職業。
ブシドー
RPGのサムライ系職業のイメージから最も期待を持たれたであろう職業。B13Fから使用可能となるも、レベル修正の知られていなかった時代は紙装甲と揶揄されることが多かった。その後、八葉七福の発見によりアタッカーとしての適性を認められるも、以後頭打ちに。構えが強化枠を圧迫する、ツバメ返し以外のスキルが微妙すぎる、燃費が悪すぎる、などの理由からネタキャラ扱いされることも多い。バードとは正反対に発売前の期待が大きすぎて暴落の激しかった職業。
カースメーカー
発売前からある種の人々のハートをガッチリ掴んだ人気職。参戦はB16Fと遅く、スキルもクセが強いものが多かった為、なかなか真価を発揮することなく時間が過ぎる。カースメーカーの利点が見直されたのは主に第5層での昏睡の呪言の有用性が認められてから。その後、ペイントレードが説明書きとは異なり全体攻撃であることが判明すると、ペイントレード特化のカースメーカーが試行され、これが第6層で活躍を見せる。決して万人向きではないが、使い方によっては強力なスキル群を持つため、マニアックな人気を得る。
こんな感じですかねぇ。自分としては世界樹の職業で「これは使えない!」ってのはないと思うんですよ。ブシドーの使いにくさもまぁ、言ってみれば味の一つですし、パラディンだって序盤は本当にパーティの生命線を握ってましたしね。もっと磨ける部分も確かにあるんですけど、9種と簡潔に纏められて役割の差異が明確に打ち出されている世界樹の職業間バランスは好きです。
この辺、特定の職業を使わないとエンディングを迎えられないほど性能差が顕著なワケではないので、少しくらいの不揃いはゲームの幅を広める意味でむしろうまく機能しているのではないかなと。新納さんも言ってるんですけど、職業差があるから楽しい、ってのは確かに頷けるところです。難易度分けみたいなもんですよね。ソードマン使用はノーマルモード。ブシドー使用はハードモード。選択はユーザのお好みで、みたいな。
職業間のバランスを補正する意味でアイテムの効果が強いのもうまいやり方ではありますね。Wizくらいアイテムの効果が薄いと存在が空気になっちゃうんですけど、特に重要なメディックのスキルなんかはアイテムの方が便利だったりで(ただしリソース消費が大きい)、選択が悩ましいのがいい感じですね。手法としてはスマブラに近い感じ。
まぁ、ブシ+カメでもそうなんですが、それぞれ個性の異なる職業を使い分けて触感の違いを楽しむところに面白さのキモがあるように思うので、強い弱いの尺度だけで職業差を語ろうとすると自由度が殆どないんですよね。個々のバランスに関してはミスも多くて大雑把なゲームだし。
ベストな組み合わせを考えるより、ワーストな組み合わせをどうしたらバッドまで引き上げられるか、みたいな思考法で取り組んでみると工夫の余地があって面白いと思います。「バード縛りパーティの最善なスキルの取り方はどんなのだろう」とか。
ありがたいことに世界樹はそうした変な遊び方を許容するだけの懐の深さを持っているゲームなので、まだまだ色々と遊べそうです。あー、セーブもう一つ欲しいなぁ。