社長が『訊く』

 最近なんか妙に「スマブラ 社長が聞く」で飛んでくる人が多くて、ウチは小さいとこなのにおかしいなと思っていたら「社長が訊く」が正しかったんですね。うわー、すっごい赤っ恥。今後気をつけよう。


 http://wii.com/jp/articles/smashbros/crv/vol3/index.html


 てなワケで「社長が訊く」第3回。毎日更新は嬉しいんですが、追っかけるのが大変。
 今回はオンラインゲームとしてのスマブラの話。ゲームの内容についてはスマブラ拳で触れている箇所が多いので、基本的にはゲームに対する思想的な部分を拾っていきたいかなと思います。


 岩田社長「世の中のオンラインゲームというのはどうしても基本的には強者のための場所で、ひとりの幸せな人が存在すると、百人千人の不幸せな人が生まれているような面があるということで。」
 桜井さん「みんながただひとつの高い山の頂点を目指すようにすれば、楽しめる人っていうのはごく一部に限られてしまうというのはもう明確ですから。」


 これ、オンラインゲームだけじゃなくて先鋭化された多くのゲームが抱えている問題でもあるんですよね。それは格ゲーだったり、STGだったり、或いは育成ゲーム(ダビスタパワプロ)だったり。
 今の時代で非常に顕著なのは、ネットが普及したことでいわゆるトッププレイヤーのプレイングってのが、誰でも直に知ることができる体制が整えられている、もしくはそれに近い状況にあるってことなんですね。
 だから各ユーザが自分の腕前が世界レベルでどれくらいなのかってのを凄く理解しやすい状況にある。これは向上心を持っているコアなユーザにとっては歓迎すべき事態なんですけれども、必ずしもカジュアルなユーザにとっては喜ばしい状況とは限らないと。
 文中ではオンラインゲームはそういう側面が強い、という話ですけれども、ネットを介してゲームの攻略を語り合うような今の時代、ほぼ全てのゲームがそうした流れに巻き込まれているのは明らかで、そうした状況でカジュアルなユーザが疎外感を味あわずに済むゲーム、というのは今のゲーム作りで一つ大切なことなんじゃないかなと思ったりします。
 自分は頂点のレベルの高さを見るとモロに腰が引けるタイプなので、例えばカードヒーローなんかはあんまり攻略サイトとかを見たりしません。そういうところを見ると、例えば強いデッキとか、強いカードとか、強いコンボだとか、そうした情報が簡単に手に入るんですけれど、それで結局その手の情報に従うと、遊び方が確実に狭まってしまうんですね。カジュアルな楽しみ方ができないんです。
 攻略方法に従った遊び方はそれはそれで凄い合理的なやり方ではあるんですけど、遊び(room)がないゲームはもう遊び(play)じゃないかなと。
 もちろん、それは限界を追求するユーザを否定するってことじゃなくて、そういう遊び方に馴染めないユーザも数多くいるよという。それは本文と同じで。でもそれはオンラインゲームだけじゃなくて、オフラインのゲームにも波及しつつあるのが現状じゃないかなぁ、という話です。


 桜井さん「人と人をつなげたときに何が楽しいかというと、「毎回違う」ということだと思うんですよね。」

 これも面白い言葉ですね。別にこれはオンラインゲームに限ったことじゃなくて、例えば「どうぶつの森」は一日一日、どこかしら村に変化があるのが楽しいし、「Wii Fit」は一日一日、体重に変化があるのが楽しいゲームですよね。
 古く言えばローグは毎回違うダンジョンを潜るだけのゲームですし、この「毎回違う」という要素は非常に原始的なゲームの面白さの根本の一つのように思えますね。



 桜井さん「いや、まだ、肝心のゲームについてはほとんどなにも語ってないんですけど(笑)。」
 岩田社長「そうですね。どんどん紹介していきましょう。」
   (続きます)


 恐ろしい。これだけでも十分すぎるほどワクワクするのに、まだ全然ゲームに触れてないよ!




 ついでに、今回の個人的爆笑ポイントは。


 岩田社長「あ、そうなんだ。」
 岩田社長「「だれかと」でもチーム戦ができるの?」
 岩田社長「それは、自動的に組まれるの?」
 岩田社長「じゃあ、見知らぬ人とチームを組んで遊ぶことになるんだ。」


 社長、喋りが素に戻ってます! なんかすげー目を輝かせてそうで笑った。
 いや、普段の岩田社長って物凄く丁寧に喋るじゃないですか。それがこういう喋り方になるってのは、果たして編者の書き方の問題なのか、敢えて知らない振りをした社長の演技なのか、それとも素なのか。色々考えることができて面白いです。