▼経験値補正から妄想する7竜ショートカットの話

 ポッドキャストの経験値補正の話や、2周目がプレイしやすいという話から、自分の中でいままでモヤモヤしていた7竜の戦闘バランスの組み方や、キャラ育成の方針、パーティバランスのディテールがパッと浮んできました。今日はその辺の予想をちょっと書き出してみたいと思います。
 まず、このセブンスドラゴンというRPG。恐らくはショートカットを推奨しているゲームです。「ショートカット」の指し示す部分は、普通のRPGでいうところのシナリオ、そしてレベリングに関しても同じことが言えると自分は考えます。
 レベリングのショートカットというのは、ローグライクゲームでいうところのスカム行為、労せずして経験値やアイテムを取得する一種のプレイテクニックのことです。具体的な例を挙げれば、例えば真・女神転生1の「四天王の館でのレベリング」とか、ロマサガ3の「アスラ道場」とか、エルミナージュの「LV10からハダーリマス渓谷突入」のような、「ゲーム終盤の強敵と戦って、短時間で一気にキャラの成長を図る行為」がそれに該当します。


 さて、セブンスドラゴンはフリーシナリオを謳ったRPGです。中盤以降は、ゲームの進行は相当に自由になると新納さんが発言しています。
 恐らくはドラクエよろしく船を手に入れてから行動範囲がグッと広がるんだと思いますが、そうなるとドラクエ4の王家の墓のはぐれメタル狩りのようなショートカットがそこから狙えるのではないでしょうか。
 仮に意図的な狩場が用意されていなくても相対的に効率的な稼ぎ場所、非効率的な稼ぎ場所は生まれてしまうハズです。例えばどこかの離れ小島に炎のブレスを得意とする強力な竜がいたとしたら、ナイトとメイジの属性スキルを駆使すれば運良く勝利が望める、というような。
 「ファイアードラゴン道場」のような進行方法が確立すれば、途中のレベリングや装備集めを全てカットして先に進むことができるようになります。なにしろこのゲームは、全ての中ボスを倒さずともクリアできるゲームではありますしね。
 2周目以降のプレイはストレスを感じずに進められるという新納さんの発言も、プレイヤースキルの蓄積した2周目なら効率的に狩場を回ることができる、という意味ではないかなと自分は考えます。これは全くの想像ではありますが、2周目以降の引継ぎ要素は、あったとしてもかなり軽いのではないかなとも自分は思っています。
 そして、今回話題に上った「経験値補正」は、そうしたショートカットをシステム側から後押しするための仕様だと自分には思えるんですね。このゲームがショートカットを推奨している、と自分が考えるのはそうした理由からです。


 また、武器防具の素材を敵がドロップする都合上、7竜は強敵との積極的な戦闘がキャラの強化に結びつきやすい一面があります。世界樹の迷宮はダンジョンを階層順に攻略しなければならない関係から、装備の強化は冒険の進度に依存しましたが、今回は、世界樹風に言えば、全ての階層の樹海磁軸が最初から開通しているようなゲームなので、一足飛びに深い階層に潜って強敵と戦い、装備を整えることもできるのではないかと自分は考えます。


 さて、そうなると各職業の特色も世界樹とはやや違った色合いが見えてきます。ゲームの進行が自由になることで、有用性が大きく変わる職業も中には生まれてきます。
 例えばナイトは、一撃即死級の攻撃を防ぐ必要のあるボス戦ではその堅さが頼りになりますが、一方でザコ戦ではパンチ不足で冴えない職業です。ナイトの役割は極端で、ボス戦専用の印象を持つ人もいるかもしれません。
 しかし、ショートカット可能なゲームデザインでは、ナイトを擁するパーティは、意図して先に進み、強敵相手に十分に渡り合うことができます。一方で、ナイトを抜いたパーティは、殲滅力に十分な余裕があるので、ザコを相手にサクサクとリソースを稼ぐことができるでしょう。


 どちらがより好ましい構成かは場面によって異なるでしょうが、パーティの構築によって主戦場となるエリアが全く変わったりしたらプレイに幅が生まれて面白いなぁと思います。自分と友達のパーティのレベルは全く同じなのに、自分はカザン周辺で戦っていて、友達はアイゼン周辺で戦っているとかね。


 どんな組み合わせのパーティでもクリアまでは行けるようにしたい、との命題に対して、職業間の数値的なバランスを整えるのは一つのアプローチではありますが、一方で特定の職業が活躍するエリアを個別に用意して機会的なバランスを整えるのも一つのアプローチではあります。特に7竜は世界のすべてを回る必要のないデザインのゲームなので、意図的な偏傾を作りやすいゲームだとも言えます。
 まぁ、この辺の触感は実際は遊んでみないとわからないとは思いますが、繰り返し前提のRPGは戦闘回数を圧縮する手段を用意するのが機能的だと自分は思います。これはまぁ、自分の美意識の話であって、新納さんの考え方はまた別かもしれませんけどね。


 ってことで、自分もショートカットを意識してパーティを決めました。まぁ、言ってしまえばこれまでの色々はパーティを紹介するための枕詞です!
 基本的にマンチキンな性格なので、こうやって適当な理屈を付けないとパーティが組めないんです、自分。




 こうなる予定ですが、色合いが黒と黄色ばっかりと単調なので、ナイトとヒーラーはそれぞれ緑と赤に変えるかも。
 ただ、緑ナイトを選ぶと、「またか!」みたいなところもありまして。それでちょっと悩んでいます。



 以下、拍手コメントの返信です。


>殊能たとえ話!通じた!(個人的に) の方


 あああ、わかってくださる方がいて嬉しいと同時に驚きです。自分は大分前に一度読んだきりなので、仰るようにあんまり直球な内容ではなかったかも…… ミステリ通を気取れるほどあんまし色々読んでないですしね。
 でもまぁ、変化球→直球のパターンでまっさきに思いついたのがこれだったので、まぁ、ニュアンスとして捉えて頂ければ幸いです。