▼昔遊びたかった「さつじんやきゅう」完全版試作

 今は一月に何本もゲームを買っては遊んでいる自分ではありますが、子供の頃はお小遣いも限られていて、好き放題にソフトを選んで遊べるもんじゃあなかったんですよ。結果的に一本のゲームを繰り返し遊ぶことになるワケで、飽きを避けるために色々と自分なりに工夫して楽しんでいた記憶があります。
 その中の一つに、最近VCでも遊べるようになりました、くにおくんシリーズの「時代劇だよ全員集合」での一風変わった遊び方があります。2人同時プレイで片方がピッチャー、片方がバッターを担当して、ピッチャーの投げる石ころをバッターがどすすぺしゃるで打ち返す、「さつじんやきゅう」と自分たちが呼んでいた遊び方がそれです。



 ワンタッチでOKなシンプルな作りなので、基本的にはごちゃ混ぜ向きのプチゲームですね。30回を超えてテンポアップしてくると各種フェイントを織り交ぜた投球がいやらしくなってきます。
 あとこれ、実機で試すと、打ち返した石ころがぺしょっと地面に落ちちゃって、まったく野球にはならないんですよね。当時はそこを脳内補完して遊んでましたけど、本音を言えば、これくらいスコーンと石ころをカッ飛ばせれば気分爽快だったのになぁとは思っています。
 あと、このルール、バッターが非常に有利な作りなので、ピッチャー側はとにかく色々とフェイントを交えて打撃のタイミングをずらします。プチゲームにある武器攻撃フェイントやジャンプフェイントもその一つですが、2コンのマイクを使った撹乱攻撃なんてのも当時はよく使いました。その辺、メイドイン俺で再現できないのはちょっと残念なところですかね。
 派生のルールとして、ボールを投げた瞬間から殺し合う遊び方もありました。ボールを打った時点でバッターは攻撃の権利を得てピッチャーを好きなようにボコボコにできます。ピッチャーは一切の攻撃は不可。バッターの攻撃をただひたすらかわしてボールのゲットを目指します。ピッチャーがボールを取り返した時点でそのセットは終了。攻守交替してどっちかが死ぬまで続ける、みたいなそんなルールです。
 冷静に考えてみると、もうこれ、野球じゃないですけどね。なんだろう、カンケリに近いものがあるというか。


 あと、自分の中で思い出深い特殊な遊び方として、トンキンハウスの個人的名作、ソフトボール天国での、ドラフト制を導入したチームセレクトなんてものもありました。このゲームは好きなキャラクターを選んでソフトボールチームをエディットできるゲームなんですが、自分と相手が同じキャラを選ぶことはできない仕組みになっています。なので、普通にプレイすると強いキャラを巡っての反射神経勝負が始まってしまうんですが、そこでドラフト要素を持ち込むことで、どの選手を優先的にゲットしていくかで読みと思考を巡らせる、知的ゲームの楽しみが生まれたんですよね。
 何回かゲームを繰り返して、自分も相手もオーダーが固まってくると、今度はそれらの選手を除いた「2軍」を作って遊んだりもしました。2軍同士の試合は普段は使わない選手が意外な活躍を見せてくれてこれも面白かったりするんですよね。成績のいい選手は1軍に昇格させたり、或いは相手とトレードしたりと普通のプレイでは味わえない楽しみもありました。当時はファミスタだってドラフト制のシステムはなかったんだぜ!


 こういうローカルルール的な遊び方って誰でも経験があると思うんですよね。元となるゲームのルールやシステムをそのまま再現するのもそれはそれで面白いとは思うんですが、一方で自分のオリジナルルールを構築して紹介できるのもメイドイン俺だけにできる楽しみ方なんじゃないかなと自分は思っています。
 とは言っても、あくまでこの手の遊び方はゲームの脇道的な楽しみですから、本題のゲームシステムをそのまま再現したほうがゲームとしてはハズれがないとは思うんですよね。時代劇のめちゃくちゃ細かい背景をわざわざ再現しておきながら、なんで本筋とはまるで関係のない野球ゲームなんて作っているんだろうか、とは作りながらちょっと思ったりもしていました。
 時代劇の再現を期待して視聴してくれた人にはちょっと申し訳ない気持ちもあるんですけどね。でもまぁ、くにおくんはクローンゲームも多いので、わざわざメイドイン俺で不完全な再現に挑むのもアレかなと思う部分もあったりします。