▼くにおくん+カーリング


 なんでこんなものを作ろうと思ったのかと言えば、「くにおくんカーリングって面白そうじゃん」と閃いたからです。まぁ、安直な話ですけども。
 カーリングを選んだのは、競技自体の適度なマイナーさ、既存のシリーズと被りが少ないこと、ホッケー部のドットを転用できる、といった辺りが大きな理由です。個人的には、レトロゲームの再現だけに終始するのではなく、もう一歩前に踏み出したい、という気持ちも多少ありました。
 とは言っても、自分はカーリングについては無知同然だったんですよね。カーリングの一部要素だけを取り出してプチゲームにマッチする形に落とし込むにしても、全体を知ることから始めなきゃならんわねと思いまして、まずはカーリングについてちょっとばかり調べてみました。
 その結果、カーリングは面白いし、ゲームにもしたい、という気持ちが強まりまして、よし、じゃあやってみようかな、と制作に着手したワケです。ちなみにルール把握に一番役立ったのはコナミの冬季スポーツゲームのプレイ動画でした……


 さてまぁ、カーリングを題材にプチゲームを作るのはいいんですが、カーリングのどの要素を切り抜いてゲーム化するか、というのはなかなか難しい問題です。プチゲームは短くて4秒、長くて8秒で終わってしまうゲームですしね。
 サッカーで言えば、パスかドリブルかシュート、どれか一つの要素に焦点を合わせることになります。全部を盛り込もうとすると、多分、物凄く忙しいゲームになってしまうと思います。
 とりあえず、自分のカーリングのイメージは、選手がデッキブラシみたいなのでアイスリンクをガシガシこするスポーツ、というものだったので、ブラシでこする(スイープ)要素は絶対に入れようと、まずはそこから入りました。
 あとは、ゴルフっぽくストーンのウェイト(パワー)をコントロールできるようにしようかなーとか、ハウス(ゴールとなる円)周辺のストーンの配置を読んで的確にストーンをぶつけていくビリヤードっぽいゲームにしようかなーとか、色々とデザインを考えてはみたんですが、たった8秒で終わってしまうプチゲームでは「氷上のチェス」と呼ばれるカーリングの戦術的な部分はなかなかゲーム化しづらいんですね。戦術性を無理に盛り込もうとしても、ゲームとしてはチグハグになってしまうと。
 なので、方針としてはアクション寄り、ガシガシとスイープした結果、ガツーンとストーンが弾き飛びましたよやったー、という感じのゲームが爽快感があっていいんじゃないな、という結論に至りました。でもまぁ、それだけだとただの連打ゲーになってしまうので、スイープしすぎるとストーンが滑りすぎて逆にミスになる、といった二律背反を盛り込むことにしました。
 その上で、キャラを被せるのであれば、らしさを出すための仕掛けも用意しなければなりません。くにおくんのらしさってのは、一言で言えば「はちゃめちゃ」だと自分は思っているので、普通のカーリングでは絶対ありえない妨害やら乱闘やらを突っ込んでみました。
 まぁ、これだけを書くと適当に盛り付けただけのように見えるんですが、敵が障害物を投げつける → それを排除するためにスイープをする という流れが生まれて、カーリングらしさとくにおくんらしさが上手く融合したように思います。


 ちなみにカーリングは紳士のスポーツです。ラフプレイや妨害は本来ありえない競技なので、まぁ、カーリングとは銘打っていますが、現実の同名のスポーツとは全くの別物ですね。
 大体、カーリングってスケート靴は履きませんしね。そんなことをしたらリンクが傷だらけになります。とは言え、くにおくん本編ではスケートリンクをローラースケートで疾走している連中がいるので、くにおくん世界なら許されるかなと、ちょっと思っています。
 カーリングのストーンは、進路に髪の毛一本でもあると軌道が狂ってしまうそうで、正確な進路を確保する意味でもスイープは重要なんだそうです。なので、進路に石を置いたり、メリケンサックを置いたりするなんてのは以ての外。線路の置石並の悪質な行為なので絶対にやっちゃダメです。



 今回、プレイ動画のついでにバグ塗れのボツ版もついでにアップしてみました。気持ちとしては、折角ドットも打ったのに無駄になるのは勿体無いなと思ったのが3割、様々な要素を盛り込みすぎて却って乱雑になってしまった悪い一例を提示しようかなと思ったのが7割です。
 もうホントに見るからにヒドいシロモノで、操作は煩雑だわ、バランスは酷いわ、何がメイン要素なのかハッキリしないわで、迷走している感がありありと窺えます。こんなのでもめげずにブラッシュアップを続ければなんとかなるよと思ってください。
 最初から一直線に完成形に辿り着くのはなかなか難しいです。でも、脳内で面白いと思えたものは、ゲーム化しても絶対に面白いんだから、あとは諦めないことが大事なんじゃないかな、ってのは今回作ってみての一番の感想ですね。


 まぁ、今回はゲテモノカーリングではあったんですけど、真面目なカーリングもそのうち作ってみたいですね。もっと戦術性を重視したヤツを。
 さすがにメイドイン俺だとじっくり考えを巡らせるプレイできるゲームにはならないと思うんですが、早押しクイズっぽく、反射的に知恵を働かせるゲームなら行けるのかなぁと思っています。