▼任天堂の株主総会に行ってきました

※ 文中にニンテンドー3DSの価格に関する記述がありますが、7月1日現在公式な発表はなされておりません。価格につきましては任天堂からの正式な発表をお待ちください。


 6月29日、京都任天堂本社にて開催されました第70期任天堂株主総会に出席してきました。DS、Wiiといった今世代のハードの普及にひとまずの目処が立ったところで、さて次の展開の青写真をどう描いているのか任天堂の考えを直に聞きたい、という思いで今回会場まで足を伸ばしました。
 事業説明でも触れていたのですが、ゲームボーイシリーズを超える累計販売数まで到達し、更に伸び続けるニンテンドーDSシリーズの後継として、ニンテンドー3DSにかかる期待は相当に大きなものがあります。DS、Wiiで拡大した市場規模がさらに拡大するのか、それとも収縮してしまうのか、3DSの発売は今後数年の任天堂市場の行先を占うターニングポイントです。
 ……なんか他人事みたいに言っていますが、それだけ多くの株主にとって大きな関心事だったのは事実で、会場には沢山の株主が来場されているようでした。前に出席した時と同じような時刻で会場には到着したんですが、今回は混んでるなぁという印象でしたね。実際、係の人も「前の席が空いています。詰めてくださーい!」の文句を定刻近くまで繰り返していました。


 で、事業説明については決算報告の復習なので特に目新しい話はありません。ハードの拡大に一段落ついたので(好材料がないので、という穿った見方もできますが)販売推移の説明はカット。携帯、据置の両ハードの累計台数がゲームボーイファミコンを越えて過去最高のヒットセールスになりました、ぐらいです。40分くらいかかるかな、と思ってたら20分で終わったので力点を置くべき箇所に意識を集中しているなぁという印象です。
 次に質疑応答に入りますが、その前に株主から質問状が寄せられたとのことで、その内容と回答について岩田社長からの言及。内容は京都の新社屋予定の土地についての質問でしたが、土地は買ったからあとは箱物を建てて完了という話ではなく、自治体の条例への対応や建築協定の締結など、建設前に解決すぎき問題が未だに山積していてどうも新社屋の完成までは相当時間がかかりそうな気配ですね。WiiやDSが最前線を張っている最中には新社屋発のソフトは出ないんじゃないかなーと感じました。
 あと、この質問、質疑応答の俎上にも必ず登ったと思うので先んじて回答したのは時間短縮の観点からよかったと思います。地理的、時間的な都合から総会に出席できない株主も多いので、質問状を寄せる窓口の存在をアナウンスして事前に積極的に質問事項を募集するとより円滑な進行が望めるかもしれませんね。
 まぁ、「株主懇談会を開催したらどうか?」という要望に対して、岩田社長が「株主総会でしっかり対話させていただくことが本質」と答えたように、直接的な質疑応答の機会はやはり重要だと思いますけどね。アドリブ性の高い質問に対する回答のセンスから会社の信頼が占われる面もあります。


 質疑応答ですが、全体としては岩田社長が様々な場所で発言した内容を改めて説明するという感じで、既知の内容が殆んどです。株主総会にまで着目するようなゲーム情報を継続的に追っている人にとっては見るべき点は少ないかなと。
 ただ、自分の席の隣の人(会社員ぽい人)なんかは折に触れて「なるほどねー」と頷いていたので、時間をかけて説明するだけの価値ある内容であることは確かです。そこはまぁ、ゲーム好きと個人株主と、感覚の違い、アンテナの感度の違いってのはありますわね。
 それでも気になる方は任天堂ホームページ上で質疑応答の内容が後日掲載されるとのことなので、そちらを閲覧すれば間違いがないかなと思います。詳細なレポもネットにはありますしね。
 なので、ここでは個人的に気になった質問、回答についてスポットを当てていこうかなと思います。


 宮本さんの手掛ける新しいゲームについての質問。基本的には既知の通りです。
 ゲームのアイディアについては「突然思いつくんですね。締め切りですよと言われて初めて考える」とのこと。岩田社長が「忙しい時のほうが思いつくことが多いですよね」と水を向けると「そうですね、そういう意味では今は非常にいいコンディション」と答えて会場の笑いを誘っていました。
 岩田社長は忙しくなると太るって言ってましたけど、今回はどうだったかなー。ちょっと遠目だったのでよくわかりません。
 ピクミンは順調に開発が進んでいるとのこと。去年のE3が情報としては初出でしたか。
 「趣味を聞かれると次のネタがバレる。社長に喋るなと言われている。」「はい、禁止しています。」っていう流れはもはや鉄板のネタですね。間も洗練されています。
 水泳を一生懸命やってるという話は確かWii Fitの時に出たと思いますが、近所の青少年補導委員をやりながら小学生と付き合ったり色々なことをしているとの話は興味深かったです。これは思いもよらないネタが出てきそう。しかし、宮本さんと触れ合える小学生羨ましいなー。
 来年には新ネタをお届けできるとも。「ピクミンという新キャラを作ってから10年なので、そろそろ新しいキャラを作らなあかんな」と。
 コンセプトではなく率先してキャラに言及していたのは最近では珍しいですね。それしか言えないってのもあるんでしょうけど。自分的にウィーボはかなり強力なキャラなんですけど、Wii Fitの場合、キャラにフィーチャーしたワケではないからなぁ。


 子供がゲームに没頭しすぎて困る。任天堂さんにとっては思うツボかもしれないが…… という質問についての岩田社長の回答。2年前にもこれ、同種の質問があったと記憶しているんですが、まずは「当社製品に夢中になって貰えないようでは困るが、一方で家庭のトラブルが起きることは大いに問題だと考えている。我々が『思うツボだ』なんて考えていたら社会受容性は上がらないんですよ。」と力強く回答。ゲームを邪魔だと思う人にもゲームって案外いいものなのかも、と思って貰えるようにするのが長期的な課題。ゲームとの付き合い方を含めて家族の対話の題材にして欲しいとのこと。
 「Wiiではプレイ時間の表示をハードでフォローしたが、3DSでもなんらかの仕組みを考えている。Wiiと全く同じものになるのか、発展させた要素を付け加えるかは最終確定していないので今は話せないが。」的な話も。過去のプレイ時間の総計なんかはみんチャンに繋がずともローカルで見られるようにしたいですよね。あとは特定期間のグラフ表示とかかなー…… とか思ったけど、明確な論拠を出せるようにすると却って家族のトラブルを拗れさせるような気もするなぁ。
 ガンダムの富野監督が2009年のCEDECの講演で「私はゲームの本質は“悪”だと思っている。ゲームは世界中の大多数の人間の時間を無駄に消費させて、生産活動を停止させている」と言ってましたが、これってどうしようもなく痛い指摘ではあるんですよね。この指摘に対する回答の一つはゲームを通したコミュニケーションの形成、改善だとは思うんですが、それに最も注力しているゲーム会社が任天堂だと自分は思っています。


 地域ごとの戦略について。ドイツのゲームの社会受容性について触れた部分が興味深かったです。社会受容性って言葉はさっきも出てきたんですけど、わかりやすそうでわかりにくい言葉ではあります。要は大っぴらに言えるかどうかってことです。履歴書の趣味の欄に書いて恥ずかしくないか、みたいな度合い。
 で、ドイツはゲームの社会受容性が極めて悪いんだそうです。ドイツではゲームは敵視している人が多く、その原因は西洋では戦争をテーマにして銃を撃つゲームが非常に多いこともあって、ドイツは歴史的な背景から社会がゲームに拒絶反応を示している……「かもしれない」と最後は濁してましたが、そんな話です。
 ドイツってボードゲーマーが多いとか、PCゲームが主流とかそういうイメージがあったんですが、こうした観点は今までなかったので新鮮でした。日本に通じる部分もあるというか、社会受容性が悪化するとこうなるよ、という想像も沸くのでやはり日本においても社会受容性の向上は重要なミッションなんですね。


 ファン活動と知的財産の扱いについて。同人漫画やら動画やらのウェブ活動について、取り締まるのか見守るのか、という質問について。これは質問自体が興味深いですね。何分これは自分の活動にも関わってくる話なもので。
 岩田社長の回答としては、社会との間で折り合いがつき、任天堂知財の品格、価値が貶められないかどうかがひとつの判断基準。ただ、判断が微妙な要素も持っているので、一律に線引きをするのは難しいとのこと。
 すべてを任天堂が把握するのは困難なので、問題を感じたお客様が任天堂にコンタクトする窓口をハッキリさせる。その上で任天堂が適切な措置をとる、という話でした。
 うーん、まぁ、確かに難しい話だとは思うんですよね、これ。薮蛇を避けたい側面もあるとは思うので。コンタクト用の窓口を用意する、というのはマジコン通報用の窓口を用意したのと同じような発想ですが、任天堂独力でカバーできる範囲でもないですし、大事に発展しないように早めに対処することが重要なんでしょうね。


 以前言及したショッピングチャンネルの改善が未だになされていないこと、Wiiウェアのリリース数の減少についてテコ入れなどは考えているか、という質問。自分も風向きが悪くなったと感じるのでこれは興味深い質問。
 岩田社長は「お客様に能動的に動いて貰うことの難しさを痛感した。ショッピングチャンネルやDSiショップは指名買いだけで、買い物としての楽しさが実現出来ていない。買い物を楽しくできるようにならないとこういうことは上手くいかない。」という現状の課題について触れ、「楽しくなったとしてソフトを立ち上げてくれるのか。お客さんは何回も立ち上げて新しいソフトがなかったから帰る、ということを繰り返すのかというと現実的ではない。大きく変えるにはハードの仕組みが大きく変わる時がチャンスだろうということで、3DSでは通信機能の強化で携帯にメールが届くようにお客様に情報をお届けできるようにする。そういうことと組み合わせることで電子配信型のビジネスを考えたい。」と回答しました。
 うーん、明言こそしませんでしたが、ショッピングチャンネルの改善自体については焼け石に水と見ている感じですね。全くの偶然なんですが、タイミングよくプラチナゲームズの神谷さんが「うーん…ひさびさにWii立ち上げたけどVC特になしか…」って呟いていたのを見て、ああー、って気分になってしまいました。
 岩田社長は3DSでプッシュ型のダウンロード販売を展開すると言ってましたが、これって要するにAmazonメールのシステムに近くなると思うんですよね。ユーザが参照した商品から好みに合いそうな商品をオススメする。その土台としてみんチャンの評価を活用したり、フレンドが今遊んでいるゲームを参照したり、まぁ、ユーザ間の繋がりをより太くして、細かい需要に対応したソフトの提供を目指しているのではないかなと思います。
 Amazonはウィンドウショッピングの楽しさを結構再現しているので、ショッピングチャンネルのあるべき方向性もそれに近いのかな、と思っています。あとは押し付けがましさとのバランスかな。
 ソフトの数が減っていることについては、任天堂の努力が足りない部分と、ソフトメーカーの開発意欲の問題と二つの問題がありますが、WiiでもDSでも充実度が足りない点については改善していきたい、とのことですが、こちらも具体的な対応策については明言がなく、状況が改善する兆しはあまり窺えませんでした。海外では割と活発にWiiウェアは発表されているので、その辺の相違とか、輸入についても何か一言欲しかった感じですね。
 ダウンロード市場の規模の変化について触れなかったところを見ると停滞しているのかも。市場規模の推移については詳細な数字を知りたかったですね。


 PRの一環としてのポケモン以外のキャラクタービジネスを広げていく考えはあるか、その一つとしてテーマパークを開く展望はあるか、という質問。岩田社長の回答としては、「マリオについては一番魅力的なビデオゲームにマリオが出てくることがマリオの価値を保つこと。その他のキャラについても役割を決め、ビデオゲームで輝くことが一番重要なので、キャラクタービジネスをやることになってもキャラクターの価値が傷つくことがないと確信できる場合のみ行う。」「テーマパークについては現時点では具体的な計画はない。仮に独創的なやり方でテーマパークが実現できる、ビデオゲーム分野の強みを活かせる方向が発明されたらやるかもしれないが、他のテーマパークのキャラを差し替えただけのものを作ることが任天堂の価値の向上に繋がるとは必ずしも考えていない」とのこと。
 テーマパークについては以前から何度も質問されているので、岩田社長の回答も簡単に先読みできたんですが、岩田社長が「その計画はありません」で終わらせると思っていたら、とんでもなく高いハードルながら条件付きで実現の可能性について触れたのが個人的に「ええっ!?」と思ったポイントです。ここのところ、物凄く「溜め」があったんですよね。言うべきかどうかを考えているという、何事も立て板に水で話す岩田社長にしては珍しい間でした。
 勿論、それがイコール実現の可能性に繋がるとは思いませんが、以前よりは前向きに検討しているような節が窺えるようなそうでないような。もし、仮に任天堂のテーマパークができるとすれば時雨殿の発展形になったりするのかなーとか考えてしまいますが、事前の告知なしに動ける規模の話でもないので予兆があるとしたら明確に形として出てくるとは思います。


 ということで、質疑応答で気になった部分はこんなところです。3DSの発売を控えて、3DS関連の質問が多いのかなーと思っていたんですがそうでもなく。テンプレ化した株式絡みの質問が少ないのはよかったなと思います。株主優待を考えて欲しい → 配当金で還元します、のコンボは今回もありましたけど。
 個人的には、3DSの通信機能についてちょっと聞きたかったことがあったんですが、挙手すれども機会は貰えず。まぁ、こればかりは仕方ないですね。


 さて、質疑応答の後には議案の採決に移り、予定が終了してからは3DSの内覧会が開催されました。自分は前方の列に座っていたので早めに誘導されたんですが、この時は「前の席を選んでよかった!」と正直に思いましたね。座る時はどうしようかなと悩んだんですけども。
 体験会の開催については岩田社長も悩んでいたようで、株主の参加規模に応じて決めるつもりだったみたいです。個人株主が増えている中、どのくらい人が来るかは蓋を開けてみないとわからないんですよね。
 個人的には3DSに触れるかどうかは半々の気持ちでいました。2年前(Wii発売翌年)の通知では体験会等はありませんとハッキリ明言があったので、仮に最初から体験会なしと決まっていればその旨はキチンと記したと思うんですね。かと言って開催するとなると爆発的に参加者が増加して事故の危険性も高まると思うので告知があるとも思えず。まぁ、触れたらラッキーだなと。


 会場は一つ下の階の6Fです。(確か)3列に机が並んで、その合間に任天堂社員の方がズラッとお出迎え。白のテーブルクロスと黒のスーツが視界を埋め尽くして凄まじくモノトーンな空間でした。
 飲み物やE3のムービーなども用意されていましたが、いち早く3DSに触りたかったので脇目も振らずに列に並びます。幸いにも待ち時間は殆どなく実機に到達。係員の人の指示を受けながら2分間の時間制限の中、3DSを体験しました。
 と言っても、内容は簡素なムービー詰め合わせと、スライドパッドで任天堂キャラ(マリオ、サムス、リンク等)のカメラアングルをちょこっと動かせる技術デモの色合いが強い内容でした。3DS用のソフトを触れたとか3Dカメラが使えたという話ではないので、その辺の内容はE3のレポートなりの方が詳しいと思います。
 3DS自体は、自分が使っているDSLよりも軽い感じ、コンパクトに纏まっていて、触り心地はよかったです。結構色々なモノを詰め込んでいるにも関わらず小さく纏まっているなーと感心しました。
 スライドパッドは最初、違和感がありましたがあとは不都合なく。PSPのスライドパッドに触ったことがないので比較はできないですが、なんかクニャッとした感じ……? 3Dスティックと比べると可動域が狭いのがちょっと気になるかなというところ。慣れだとは思いますが。
 デモに関しては正直な話、絵が綺麗でした、くらいのことしか言いようがなくて、それも様々な制約がかかる実際のゲームでGC並かそれ以上のクオリティで動かせるのかどうかと言えばどうなのか判断がつかないんですよね。あんまりグラフィックに詳しいワケではないんですが、リンクの盾の縁、金属部分の質感なんかは凄いそれっぽく感じましたね。しかし、このモデル、旧作の流用っぽく見えるんですがモデルを新たに起こしたワケじゃないのよね……? トワプリやってないのでわかりません。
 あと、3Dで見たヒヨコは凄い立体的で実在感がありましたよ。Nintendogsもこうなるのかなーと思うとドキドキするくらいに。これはテクスチャの精密さとかの量的な追求とはアプローチの全く違う質的転換のアプローチですね。ドット絵とポリゴンの違いというか。
 触ってみてまず最初にビックリしたのは、「なんの意識もなしに立体に見える!」ということで。前々から話は聞いていたのでそうなんだろうなぁとは思っていましたが、実際に触ってみると3D空間の没入の敷居なんて全然なくて変な笑いが漏れるくらいです。自然って言葉は便利すぎてイマイチ意味が通じにくいかもしれないんですが、通底しているキーワードは「自然」ですね。
 3Dと2Dの切り替えもごくごく自然にできて凄いなと。まぁ、原理的には2枚の絵を近づけたり遠ざけたりしているだけなんだと思いますが。
 あとは係の人に色々と聞いてみたりもしたんですけど、係の人はどちらかと言えば広報畑の人らしくて、技術的な質問はあちらで聞いてくださいと奥の机を示されました。そちらで質問コーナーみたいなものを開催しているようで、実機に触れる時間は制限されてはいるものの、質問についてはそちらで心ゆくまでお聞きください、というシステムだったみたいです。ゲームって興味ないけど折角だから触ってみようかなって人と、3DSが発売されたら買う気満々な人と、幅広い層が会場が混在していたと思うので、この二段構えの仕組みは対応として優れていたのではないかなと思います。
 で、実際に質問を投げてもみました。まず最初に伺ったのは、「ジャイロセンサーと3D映像って相性が悪いんじゃないですか?」的な話。ハードを傾けるとやっぱり3D画像ってブレるんですよね。で、その辺は「ソフトを作る上ではどちらの機能を使うかバランスを取ります」とのこと。並立は難しいので、まぁ、それに見合ったソフトを作りますってことですかね。
 次にすれ違い通信について。社長が訊くE3版で何本かソフトの情報をインストールできるとは聞いていたんですが、その上限はどうなっているのかという質問。これ、何気に重要だと個人的には思っていますが、回答としては「現時点ではまだ仕様が決まっていません」とのこと。あらららら。まぁ、決まっていても口外できない話なのかもしれませんが。
 「旧DSのソフトもインストールってできますか?」と聞いてみたら「それは色々と問題が出るので難しい」と。まぁ、作りからして全然別物なのでそうなりますわな。……逆に言えば、すれ違い通信に価値の置かれたゲームは改めて3DS用にリメイクすることにも一定の価値があるってことではないでしょうか。ここはやはり「すばらしきこのせかい3DS」をですね……!
 次に「バッテリーの持ちは大丈夫なんですか?」という質問。今回、ハードパワーがかなり強力なので持続時間はやはり気になるところ。回答は「最終仕様は固まっていませんが」と前置きしてから「DSiと同じ程度には持たせるようにはしています」とのこと。
 あとは個人的に感じたこととして、十字キーや各種ボタンが固いこと、製品版ではもっとストロークを深くして欲しいことを伝えました。担当の方が「ああ!」みたいな反応をしていたので、既にその辺は把握済みな感じですね。
 最後に発売を楽しみにしていますと言って、お礼を言って場を後にしました。本当はもっと3DSに触っている人を見ていたかったんですが、昼食の予約を入れていたので早めに退室しました。概ね反応はよさげだったので心配はないとは思いますが。


 今回、体験会を開催したのは、株主に実際に触って貰って3DSを触った実感を持ち帰って広めて欲しいという狙いもあったとは思うんですが、今回は特に既存のメディアの援護射撃が望みにくいこともあって一般参加の体験会の開催についても前向きに検討しているようです。先程は省きましたが、質疑応答でそんな話がありました。多分、WiiやDSであったような催しになるのかなと思います。
 3DSに関しては未だに仕様が固まっていない部分が多くて、発売までは時間がかかりそうだなと感じました。既に今年度発売の予定がアナウンスされてはいますが、ギリギリまで待つことになるかもしれません。
 本体の価格については自分が聞いたワケではないんですが、「25000円くらいを考えています」(※ 正式な発表ではありません)という声が質問コーナーでちらっと聞こえました。例によって最終決定ではないので、どうなるかは蓋を開けてのお楽しみですが、やはり機能に見合った分の値段は求められそうな気配ですね。
 でまぁ、価格も含めて、時間をかけたほうがより顧客に喜ばれる製品に仕上がるのではないかなと思うので、可能な限り粘って欲しいなと思うところはあります。余裕を持って3DSを市場に送り出せるように、年末商戦は頑張って欲しいですね。


 あとそう言えば、3DSにはWIRERESSって書かれたスイッチが側面にありまして。一見DSLの電源に見えるような感じの。
 これ、単純に事前の勉強不足だったんですが、すれ違い通信のオンオフを切り替えるスイッチだったんですね。すれ違い通信は今回ハード側でサポートするという話は聞いていたんですが、その設定なんかはWiiと同様にHOME画面で行うものと思い込んでいたもので、ハード側で簡単にオンオフを切り替えられるのは何気に単純でわかりやすい作りだなーと思いました。なんだかんだで細かい機能をOS側に詰め込んじゃうのってそれはそれで初心者の人には敷居の高い作りなのかもしれないと思ったんですよね。スイッチが増えすぎると意図しない動作を招く可能性が増えますし、誤爆回避のHOLDボタンを用意したらー、とか考えるとますます複雑化して良くないと思うので、そこはバランスだとは思うんですけどね。


 ともあれそんな感じでした。体験会も含めて収穫が非常に多かった株主総会だったと思います。

 物理的なおみやげとしてはポケモンのチョコクランチと無地のトランプ。あと、CSRレポートの冊子を貰いました。このCSRレポート、ネットでも閲覧できます。


 http://www.nintendo.co.jp/corporate/csr/index.html


 これですね。DSiの電池残量が緑から青に変わった理由、みたいな話もあって読み物としても面白いです。Wii Sports Resortの開発秘話なんかは社長が訊くと被る部分も多いですけどね。




 以下、拍手コメントへの返信です。


>メリアLOVEの方
 おお、作戦を使えばメリアも攻撃してくれるんですね。あれって単純にターゲットを決める指令だとばかり思っていました。
 メリアは自分で使っても楽しいですね。先行入力が割と効くので技を置きながら戦ってる感じが独特のテンポです。機神兵に攻撃が通るのもいいですねー。