世界樹の迷宮・その1(B2F。FOEについて)

パラディン♀ アリスベルガの日記

 迷宮に蔓延る蔦蔓を手斧で切り落とす。開かれた視界に現れたのは枯れ草色の体毛を揺らす巨大な雄牛の姿だった。
 その雄牛は炎のように燃える真っ赤な瞳でこちらを睨み付け、割れよとばかりの激しさで蹄を地面に叩き付け、こちらに突進してきたのだ。

 「『敵対者』だ! 来るぞ!」

 『敵対者』あるいは『F.O.E』と名付けられた迷宮の守護者達。
 彼らは迷宮をただ跋扈する魔物達とは違い、テリトリーを脅かす侵入者をその暴君じみた膂力で引き裂かんとするのだ。
 皆が思い思いの得物を手にする中、私は手斧を放り捨てると、背中に担いだ大盾を構える。
 そう、私はパラディン、アリスベルガ。四肢を臓腑を盾として、輩の命を守る者。
 この大盾こそが私の聖騎士としての証であり、誇りであり、使命である。

 「さぁ、来い鈍牛! この私がいる限り、仲間には指一本触れさせはせん!」

 私は地面を踏み締めてただじっと待つ。この一撃を堪えれば、我々の、勝ちだ。





 ……F.O.Eシンボルエンカウントで遭遇する迷宮の中ボス的存在です。
 普通に初めて遭遇する時には、死者の2、3人は当たり前。勝つこともおぼつかず、全滅しなければラッキーってな感じです。
 ただ、F.O.Eの移動方法にはパターンがあるので、うまいこと行動を読めば戦闘を回避することも可能です。
 まぁ、曲がり角でいきなり遭遇しちゃったりってこともあるんですけどね。私の場合、上記の牛がそうでした。で、パーティの壁役であるパラディンが一撃死。残りのメンバーは「こりゃあかん!」と命からがら逃げ出したのでした。いやー、F.O.Eは本当に怖い。

 パラディンについてちょっと触れておくと、パラディンは防御特化型の戦士です。
 覚えるスキルも自分に攻撃を向けさせる「挑発」や、前衛への攻撃を防ぐ「フロントガード」などパーティの被害を一手に引き受ける被害担当艦としての役割を持っています。で、パラディンが相手を引き付けている間に、ダークハンターが敵を弱体化したり、アルケミストが強力な魔法を叩き込んだりすると。そういう役割分担になっているワケです。
 このゲーム、基本的に敵の攻撃が激しいのでパラディンの存在は必要不可欠と言っても過言ではありません。戦士系が配置される前衛が一度崩壊してしまうと、防御力のない後衛集団はあっという間にリンチにあうので、とにかく前線を固く守って敵の攻撃を後ろまで届かせないようにする(と言っても後衛を狙ってくる敵もいたりするのが厄介なところ)のが重要になります。
 とは言っても抜群に守備が秀でているかというと実はそれほど固くなかったりもするので、集中砲火を食らうと結構あっさり逝っちゃいます。スキルの防御効果がとにかく優秀なので、スキルの割り振りが重要なキャラクターと言えますね。
 ……正直、スキル振り直したいんだよなぁ。