逆転裁判4・その5

 逆転裁判ミステリー劇場が天気予報で潰れてた。テレビ信州のアホー!


 逆転裁判のテーマは旧シリーズを見ても分かるとおり、家族愛なんだよなぁ。綾里姉妹に始まり、綾里家や宝月姉妹、狩魔と弟子の御剣の関係とかね。
 今回は偽家族というか、ウソ家族というか、そういう微妙な関係がメインにあったので、その辺のやり取りが個人的には楽しかった。こういう微妙な家族の関係は新鮮で、やりとり一言一句にニヤニヤできるというか。一方でキタキツネ親子みたいな純朴な家族関係もあったりするし、逆転裁判のテイストは今回も心に染みる。
 その一方で余りにもテーマを追求する余りに内容が疎かになってしまった点が見えたのも残念ではあったり。まぁ、オドロキ君とか、ガリュウ兄弟とか。
 オドロキ君の関係は綾里家みたいに3作通しでやるべきだったんじゃないかなぁと思う。それぐらい大きなテーマなので1本に無理矢理詰め込もうとしなくてもって感じ。
 ガリュウ兄弟は兄弟である必要性が薄い。なんか友人レベル。もうちょっと良くも悪くもドロドロとした関係が垣間見えたら兄弟共にキャラの深みが増したように思う。なんで兄が弁護士で弟は検事なのかって一点だけでも掘り下げると魅力的なお話が作れるように思うんだけどなぁ。
 今回の逆転裁判は「こうすればもっと良くなる!」って点が素人目にも凄い目に付くのが、多分巷の厳しい評価の理由の一つなんだと思う。ゲーム的には相変わらず楽しかった。第4話も雰囲気だけでご飯3杯食べられる。
 ただ、旧作に比べてゲーム終了後の余韻が残らない感じはあった。まぁ、1のようなヒロインとの別れもなければ、2のようなライバルの涙もなければ、3のような感動の大団円もないと、要するに絵になるワンシーンがないのが理由かなとも思うんだけど、それはやはり主人公の力のなさにちょっと原因を求めてしまうような、うーん…… 自分はオドロキ君は嫌いではないんだけど、最後ぐらいビシッと〆られないとやっぱり空気と言われても仕方ないのかなという気もする。


 ともあれこれでネタバレも気にせずネットを回れるようになったので色々と見てみたいと思います。まぁ、個人的なまとめはそれからでもいいかなと。



 以下ネタバレ。第4話クリアしました。






・うはー、ハブラシキモい。
・汗だったかー。集中力を凄まじく使ったような気がする。
・ナルホド君でプレイできるのか! これだけで一話作れそうなのに贅沢な。
・ひゃっほー、イトノコ刑事! それにしてもイトノコ刑事とナルホド君に挟まれて若ガリュウ検事浮いてるなぁ。
・ウサギかわいいわー。
・ハラバイ来たか! この斜めッぷりが絶妙。懐かしいキャラがゾロゾロ出てくるなぁ。
・子供みぬきはメッチャ世間ずれしてるな。
・あー、ここでぼうしクン。微妙な芸だと思ってたけど、この仕掛けだったのか。
・ボルハチで再会した……って、あああああああ! そうだったのかぁ!
ガリュウ先生来た! 全くこのメガネ、気を持たせすぎですよ!
・つかなんなんだハブラシ。変においしい役を持ってくのな。
・なんだこの聖戦の系譜的展開。みぬきママまでは予想できたけど、できたけど、うはー。
・自殺で額を打ち抜くとか爺さん器用すぎ。……と見せかけて実は他殺だったってパターンが逆転裁判なんだけど、さて。 → 深読みしすぎでした。
・バラン犯人じゃなくてよかった。好きなキャラが全員犯人になるところだった。
・ナルホド君に1000万円も用意できるわけがない! とか言っちゃダメなのか。
ガリュウ先生はお茶目な悪役。確信した。
・今回のリアクションNo1はガリュウ先生だな。やっぱ格が違うぜ!
・有罪選んだらトホー。2みたいにうまく話が進むのかと思ったらぶった切っちゃうのか。
・結局ナルホドくんはオドロキ君に妹のこと話してないのな。


 第4話はかなり批判の多い話ではあるんだけど、理由はハウダニットの部分が余りに少なすぎるからだと思う。ガリュウ先生が毒盛った方法なんて殆ど前半で理解できることで、話の主軸がアルマジキ一座の人間関係の種明かしに終始しているのが問題なんだよなぁ。
 これはミステリで言うところの解決編を延々と見せられているようなもので、元々受け手が進行に関与しない小説やテレビならそれでもいいんだけど、ゲームではインタラクティブ性がないとやはり批判の温床になるのも理解できるところ。元々逆転裁判は従来のADVに比べてインタラクティブ性が評価されたゲームだし、推理の入る余地のない事実関係の羅列にプレイヤーが閉口するのもわからなくもない話。火曜サスペンス劇場みたいな感じなんだよなぁ。
 自分はザックと再会の下りとかで話の繋がり方に興奮したクチなんだけど、第1話の被害者の正体に素早く気づいた人はあんまり楽しめなかったのかもという気はする。なので一気に第1話から第4話までやるよりも、適度に合間に時間をとって記憶野から情報を捨てつつプレイした方が楽しめたのかなという気がする。おかげで第1話と第4話の矛盾点もプレイ中はあんま気にならなかった。後から考えてみてなんじゃこりゃと思ったりはしたけど。


 あと、話のタイトルからナルホド君は有罪でも食らうのかとか、そりゃ従来のファンは怒るわなとか勝手に思ってたんだけど、全然そういうのなくてなんか空振りみたいな。ナルホド君からオドロキ君へのバトンタッチがあんまりなくて、かつナルホド君本人は弁護士復帰しようかななんて言ってるぐらいで、逆転裁判3のナルホド君と千尋さんのチャクラエクステンションシュートに匹敵するシーンがなかったのが残念だなぁ。ナルホド君は本当に足を洗っちゃっても良かったんでは、とも思う。