ゲームセンターCX・その3

 なんかどうもゲームセンターCXの開発のインディーズゼロさんらしき足跡があったので、もしゲームセンターCXに次回作があるなら期待したい要望のようなものを書き綴ってみたいと思います。
 まぁ、勘違いだったらただの一人相撲なんだけど、それならそれでクラニンの下書きだと思えばイイやってことで。


 ところで実際のプレイ状況なんですけど、ハグルマン3の2面が突破できません! これはテクニックの問題じゃなくてマップを覚える記憶力の問題だと思うんですが、考えてみれば自分は昔からメトロイドとかまともに攻略できた試しがなかったです。うーん、これは予想外の展開。


 さておいて本題へ。
 このゲームの最大のポイントは有野少年というプレイヤーの友達が存在することなんですが、次回作があるならこの友達という存在をもっともっと活かして欲しいなと自分は思うワケですよ。
 その端緒が以前に書いた「友達をもっと増やして欲しい」ってことなんですけど、これをもっと具体的に言えば、「友達同士で勝手に騒いで欲しい」ってことです。今回のゲームセンターCXではコミュニケーションがプレイヤーと有野少年の間でのみ発生しているんですが、ここにもう一人友達のA君が入ることで、今度は有野少年と友達A君の間でもコミュニケーションが発生するワケです。
 で、有野少年と友達A君がプレイヤーのゲームプレイについて色々講釈したり、全然関係ない話をしてたり、「サッカー行こうぜー!」みたいな感じで部屋を出てっちゃったり、後で帰ってきて「ウソ、ボス倒せたの!?」って驚いたり。色々なパターンが生まれると思うんですよね。まぁ、これをシミュレートするのは大変だと思うんですが。
 それでできればこの追加の友達はですね、Miiみたいにプレイヤーが自分の分身を作ってそれをプレイヤー同士が交換できるようにすればなお面白いと思うんですよ。
 そうすればあとでリアルで顔をあわせたときにも「お前、人がゲームしてる時はもっと静かにしてろ!」とか「お前こそ腹減った腹減ったってうるさいんじゃ!」とかね、不合理なツッコミができるじゃないですか。ネタになるっていうのが大切だと思うんです。


 で、そういう多数の友達の仕掛けを活かすためにですね、ぜひ次回はクイズゲームを入れて欲しいなと。
 本家のゲームセンターCXでも『クイズ殿様の野望』の回が自分がメチャクチャ好きで、いつものストイックな有野課長のプレイングもそれはそれで魅力はあるんですが、みんなでわいわい騒ぐあのグダグダさが自分はとても好きなんですよ。
 で、当然クイズゲームが入ったら友達はヒントを出せるじゃないですか。そのヒントを取捨して解答するってのは凄い面白そうなんですよね。そのヒントが正しいか正しくないかは重要じゃなくて、問題を解答してその正誤に一喜一憂するっていうね、その雰囲気が楽しいんだと思うんですよ。
 なので次回があるならぜひクイズゲームを入れて欲しいなと。次点は『風雲たけし城』的な一人じゃクリアできないような疲れるゲームを入れて欲しいんですが、これはどっちかって言うとWii向きですかね。




 今回のゲームの仕様の中で一つ不思議に思った点に、ゲームファンマガジンの出現時期がありまして、これってモノによってはゲームの追加と同時に裏技を使えるようになるじゃないですか。ゲームのスタートと同時に裏技を使えるっていう。でもそれってどうなのかなと。最初から知ってるなら裏技じゃないじゃないかと。表技じゃないかと。
 ただ、だからと言ってゲームオーバーの回数が規定に達したら有野少年が見かねてゲームファンマガジンを買ってくるってのは、救済処置としてはどうも初心者向けではないように思うんですよね。多分、ゲームファンマガジンを買ってくるまでに投げてしまうような気がするんですよ。なのでそう考えるとやはり現状がいいのかなとも思うんですが。
 ただ、ここで一つ思い出したいのは本家ゲームセンターCXの『アトランチスの謎』の回のことです。有野課長は最初にアトランチスの謎の攻略本を渡されたんですけど、それを最初は固辞したんですよ。確かそうだったんじゃないかな。
 まぁ、有野課長は元々「説明書を見たら負けだ!」と常々言ってるユーザなので、攻略本が用意されていても最初から目を通すワケにはいかんと一貫した態度を取っているワケです。自分もそれに倣って作中の説明書は読んでません。クリアしてからのお楽しみってことにしようかと思ってます。
 ただ、どうしてそんなに有野課長が意地を張るかと言えば、それは他人の目があるからだと思うんです。カッコつけたいという理由が絶対に少しはあると思うんです。
 だからゲームファンマガジンにしてもその存在を意地を張るためのガジェットとして活用して欲しかったと自分は思うんです。裏技があるのは知ってるけど、敢えてそれを使わないで攻略を目指す心意気を賛美する仕掛けが欲しかったんです、


 具体的に言えば、有野少年に「裏技使おうや〜。」と囁いて欲しかった。誘惑して欲しかったんです。


 自機が死んだら「残機の増える裏技を使おうや〜。」と、ゲームオーバーになったら「面セレクト使おうや〜。」と、意地になって裏技なしでプレイしてやっぱりゲームオーバーになったら「だから裏技使おうや〜。」と更に誘惑して欲しかったんです。
 プレイヤーの意地をくすぐって欲しかったなと。何も制限がなければプレイヤーは安きに流れてしまう性向があって、他人の視線を感じなければ意地を張る必要なんてないんですよ。だから自分は有野課長が意地を張る姿が大好きで、有野課長のプレイングを応援してしまうんですけどね。
 まぁ、そんな感じでゲームファンマガジンを単純なゲーム情報の補完として用いるんじゃなくて、コミュニケーションの潤滑剤として用いることもできるんじゃないかなと。


 あとまぁ、ハグルマン3が全然先に進めなくて思ったんですが、昔のゲーム雑誌って画面写真を一枚一枚貼り付けて巨大なマップを再現して紙面に載せてたじゃないですか。スーマリとかイースとか。そういうのがあったらよかったなとか、ふと思いました。
 ただ、これは凄い容量を食いそうなのでアレなんですけども。




 あとはまぁ、ガディアクエストですね。これが自分の中で一番色々と考えさせられたゲームなんですけど、ゲームセンターCXに一番向いたRPGってのは一体なんなんだろうと考えた時に、自分が思い出したのはやっぱりドラクエでした。
 で、ちょっと話はズレるんですが、糸井重里さんがシナリオを書いたMOTHERって言う有名なRPGがありますけど、ホーリーローリーマウンテンの山小屋でですね、女の子が主人公に向かって「わたしのこと、すき?」って聞いてくるイベントがあるんですよ。
 これは別に「はい・いいえ」のどっちを選んでも進行に変化はないんですけど、自分はこのイベントに遭遇した時、友達が背後にわんさかいました。しかも本名プレイです。まぁ、女の子もそういうことで。
 つまり物凄く自分の一挙手一投足が注目されてるワケですよ。プレッシャーですよ。期待を感じるワケですよ。でまぁ、「はい」を押しました。阿鼻叫喚になりました。多分、今でも自分がこのイベントをハッキリ覚えてるのはそんな経験があったからです。
 RPGで大切なのは思い出だと思うんですよね。優れたバランスだとか豊かな戦術性とかも大切だと思いますけど、一番大切なのはそのRPGについて思い出を語れるか否かだと思うんですよ。
 そういう意味ではガディアクエストで自分が一番思い出として語れるのは名前をつける場面のあの有野少年とのやり取りで、それがあるからこそ自分はガディアクエストをただの古臭いゲームとして片付けずに、自分に思い出を作ってくれたゲームだと言えるワケです。


 だからゲームセンターCX向けのRPGって「はい・いいえ」の選択が豊富なRPGだと思うんですよね。その類例になるのがやっぱりドラクエになるのかなと。
 ドラクエで有名な『いいえループ』ってのがあるじゃないですか。「はい」を選ばないと永遠にループし続けるっていう。あれは選択肢としてはまったく意味がないんですけど、友達が隣にいると「いいえ」を選んだときに「いいえ言うとるやん!」って突っ込んでくれるんですよ。ずっと「いいえ」を繰り返すと「このオッサンしつこいなー!」とかね。
 でもそこでさらに「いいえ」を繰り返すと「もういい加減「はい」を選べよ!」って今度はプレイヤーが突っ込まれるんですよ。この空気感が、なんていうかな、みんなで囲んで楽しむRPGの形なんじゃないかなと思うんですね。
 まぁ、別に単純に「道に財布が落ちている。拾いますか?」という質問に対してプレイヤーが「はい・いいえ」の返答を返して、それに対して友達が「おおー!」とか「ウソー?」とか反応するだけで、なんか楽しいと思うんですよ。自分の姿勢を問われていると言うか。
 それはRPGじゃなくて性格判断のようなジャンルじゃないかと思われるかもしれないですが、字面としてはこれはロールプレイングゲームなんですよ。役割を演じるゲームなんです。
 そういう意味でね、物凄くベーシックなRPGであるガディアクエストの進化の方向として自分が望むのはドラクエのようなテキストの充実振りというかね。「あたしとぱふぱふしない?」って聞かれたときに「はい・いいえ」を悩むような、そういう部分を強化するとこれは凄く面白い思い出ができるんじゃないかなと自分は思うんです。


 とまぁ、長くなりましたがそんな感じで。これでまたゲームをする時間が消えてしまった。
 今日こそハグルマン3の2面を突破しようと思ってたのになぁ。