ゲームセンターCX・その2

 一昨日の雑感に続いて残りのゲームについて色々と。後半のゲームはどれも演出面に力が入ってきて時代の移り変わりを感じさせる出来栄えになっているね。



・ラリーキングSP


 レーシングゲーム、ラリーキングの特別版。オールナイトニッポン版のスーマリみたいな感じかな。
 基本的にはラリーキングと構成は同じなんだけど、ところどころに役物が追加されていて手ごたえが違う……らしい。元のラリーキングをまだ余りプレイしていないので、グラフィック以外のどこが違うのかよくわからないんだけど、やり込んでみると違いが明確になるんだろうか。
 ちなみにラリーキングもこのSPもAボタンをグリグリ押すので、凄い親指が痛くなる。ゲームセンターCXで「親指めっちゃ痛いわー!」と唸ってる課長を見て「何を軟弱な!」と思ってた自分だけど、スイマセン、やっぱずっとプレイしてたら親指痛くなりますよね。変なところで課長の凄さを思い知らされたゲームでした。
 ちなみにこのゲーム、先に進むのは簡単なんだけど何気に1位入賞が難しい。単純にユーザに満足感を与えるなら難度は控えめで十分なんだけど、そこで満足しないで熟練が必要なゲームに仕上げたところに作り手の意地を感じると言うか。単純に数を揃えてハイオシマイじゃなくて、やり込み甲斐を感じさせるところに好感が持てるなぁ。
 あと、昔のゲームってドリフトはともかく、そこからブーストが入るって発想は技術的にも発想的になかったと思うんだよね。あくまでハンドリングの精緻さがスピードに直結する感じで、ブーストのようなかっとばす爽快さを備えたレースゲームってなかったような気がする。まぁ、自分もあんまり古いゲームはやってないのでアレなんだけど、そこが今風なのかなと。


 って、エキサイトバイクがあるじゃないか……



・からくり忍者ハグルマン2


 前作と打って変わって敵が増加し、難易度が上昇したハグルマン。より『殺しに来てる感』が強くなった作品という感じ。
 正直な話、ハグルマン1はファーストプレイでもクリアできちゃうぐらい難易度的には緩いゲームではあったんだけど、こっちは1面から死にまくり。敵がウジャウジャ出てくるので特徴的な回転扉のアクションがより重要になって爽快感もぐーんとアップした。
 前作ではちと印象薄なボスキャラも3回踏まないと倒せなくなって威厳がアップ。ボスとザコの対比が明確になってより完成度を増した。プレイしてて楽しいのは断然こっちだね。
 音楽や演出も前作から進歩した感があって、前作よりも垢抜けた感が強い。自分的にはロックマンの進化具合になんか似てるような気がした。



・ガディアクエス


 ゲーム内でも延期に延期を繰り返した大作RPG。ちなみに現実ではケルナグールが発売された日だったりする。全然関係ないけど。
 名前や3人パーティというシステムから真っ先に連想するのはドラクエ2なんだけど、オープニングがいきなりFF風で吹いた。どんな変化球だよ、これ。
 名前は昔懐かしい濁点に一文字使っちゃうタイプの入力。昔を思い出すと、このシステムで一番割りを食らってたのは友達のジョウジくんで、彼は名前入力の時はいつも「じょう」にしてたなぁ。酷いゲームだと「しようし」になっちゃったりするんだよな。
 まぁ、そういう過去を振り返るとここは本名プレイでいくのがやはり礼儀なのではないかと思わされる。仲のいい友達の名前を入れたり、好きな女の子の名前を入れたりとかね。それで「へー、お前あの子好きなの?」「ち、ちっげーよ!」みたいなね。
 なんかゲーム開始前から変にテンション上がってきたんだけど、ここはやはり恥を押し殺して本名プレイで行くべきだと決心。小学校の頃の友達の名前を入れたところで有野少年に「ほー!」と突っ込みを入れられ、女の子の名前を入れたところで有野少年に「えーっ?」と疑問を呈される。ぐあー、なんかメチャクチャ恥ずかしいぞ、これ!
 友達が傍にいたところでSTGやACTとは違ってRPGのプレイ感覚は大して変わりようがないだろうと思ってたんだけど、全然そんなことはなく。むしろいつも以上に他人の視線を気にしてしまう自分がいたのでした。


 さて、ゲーム自体は、あー、凄い古臭い…… 足が遅いし、会話はいちいちコマンド出さないといけないし、メッセージ速度は変更できないし、戦闘は無茶苦茶Aボタン押さないといけないし。まぁ、移動速度についてはレベルを上げると移動速度が上がる魔法を覚えるのでそこまでの我慢ってところ。というか宝箱ってさ、乗って調べる物だったんだよね! すっかりFF式の前に立って調べる方式に慣れちゃってたよ!
 とは言え戦闘はテンポがよくて、サクサクとレベルが上がるのも好ましい。ノー宿屋でレベル5まで上がるくらい序盤は簡単なんだけど、ちょっと先に進むと一気に殺しに来るバランスになるのがドラクエっぽい。そこをレベルアップと装備の充実で乗り切るのが昔ながらのRPGって感じで、地味ではあるけど面白い。
 ドラクエだと世界樹の葉とかがありそうないかにも怪しげな森を調べてみたら、メッチャ強い敵が出てきて全滅したり。最初に南に向かえって言われてるのに、逆らって北に行ってみると強い敵が出てきてやられたり。敵の分布が親切じゃないのが昔っぽい。そうやってアダマンタイマイの怖さを僕らは知ったんじゃないか。
 敵のグラは最初チャイルズエスト系の脱力キャラなんだけど、洞窟に入る頃にはWizを彷彿させるシリアスなタッチになってて面白い。いやー、なんか昔の色が足りない頃のグラの方が黒みが強くて怖い雰囲気が出るね。


 とまぁ、総評してみるとなるほど昔っぽいRPGなんだけど、現代のRPGにどっぷり漬かってしまった自分にとっては、ACTとかSTGと違って昔っぽさのメリットが余り見出せなかったというのが本音。古いスパロボをやってみると余りの不便さに匙を投げてしまうのと同様に、システムが洗練されていないRPGはやはりプレイしづらさを感じてしまう。
 昔懐かしいシンプルなRPGは自分は嫌いじゃない。というよりも無駄にゴテゴテと色づけされた作品よりもよっぽど好きだ。とは言え、それは優れたユーザビリティが用意されているという前提があっての話。いくらドラクエ2が名作であっても復活の呪文の入力にはやっぱり眉を顰めてしまうのは否めないと思う。
 そういう意味でこのガディアクエストはRPGの古き良き時代のエッセンスをやや取り違えているような感があるように思う。とは言え戦闘の感覚は確かに旧来の名作をなぞったものなので悩ましいところなんだけど。
 まぁ、一番自分にとって問題なのは別にこのRPGを遊ばなくても他に遊ぶRPGがあるってことで、RPGに飢えていた時代ではそれこそマカマカまで楽しめていた自分も、この飽食の時代で随分グルメになってしまったんだなぁ、と変な感慨を抱いてしまったのでした。



・からくり忍者ハグルマン3


 前作、前々作とは打って変わって硬派な横スクロールACTに変貌。まぁ、言ってみればまんま『忍者龍剣伝』ですわね。
 プレイ感覚も忍者龍剣伝っぽくてなかなかシビアな作り。最初はそれほど難しさを感じないんだけど、2面以降の、ジャンプする→敵が突っ込んでくる→ダメージを受ける→体勢を立て直す暇もなく崖に落下、のコンボがまさしく有野課長が悶絶してた忍者龍剣伝そのまま。鳥怖いよ鳥。
 忍者龍剣伝と異なるのはマップ構成がどことなくメトロイドチックで探索ゲーっぽい雰囲気を備えていることと、敵を倒して得られる歯車で新しい装備を買ったりしてパルテナの鏡っぽい雰囲気もあるところ。単純な横スクロールアクションではなく、色々と寄り道をしなければならないので難易度は高い。地図とかないし。
 とは言えやはりゲームセンターCXと言えば横スクロールアクション。横スクロールアクションと言えばゲームセンターCX。このゲームこそが有野課長追体験を果たすのに一番適した昔ながらの高難易度アクションゲームという香りがプンプンして実にいい。
 ひょっとしたら自分はクリアできないんじゃないかと思うんだけど、そういうゲームを力で捻じ伏せるのもよし、諦めて不貞寝してしまうのもよし。いざとなれば裏技に頼ることもできるし、有野課長さながらのドラマチックなゲームプレイが楽しめそうだ。




 というワケでゲームセンターCXの全てのゲームについて感想を述べてみたんだけど、好きなゲームは爽快感のあるスタープリンスと腕を磨く楽しさがあるラリーキングが2強。ハグルマンは安定して楽しいし、コズミックゲートはちょっとだけプレイしようと思っただけなのにのめり込んでしまう中毒性がある。
 ガディアクエストはこの中だとちょっと評価を割り引いてしまうんだけど、それは自分がRPGを日常的に遊んでいるからの感想であって、もしSTGやACTを沢山遊んでいたらスタープリンスやハグルマンも古臭いだけのゲームと感じてしまったかもしれない。
 そういう意味ではこのゲームは今まで触れる機会の少なかったゲームジャンルに触れるための入門編として捉えてみた方がいいのかなという気がする。なので「今までRPGってやったことがなかった!」ってプレイヤーの目にガディアクエストがどう映ったのか。そっちの方が自分としては興味があるし、的確なレビューになっているんじゃないだろうかとも思う。
 自分としてはSTGの面白さを改めて感じたのでスターソルジャー派生の敵を倒すタイプのSTGとかは凄いプレイしてみたい気分でいる。ラリーキングっぽいゲームは…… 今はないもんなぁ。
 特定のジャンルに対して食わず嫌いがあるプレイヤーは是非このゲームを通してそのジャンル独特の面白さに触れてみて欲しい。今風の味付けがされた、しかし根本の味わいを残したゲームを体験できるのがこのゲームの最大の特徴だからね。




 ってな感じでとりあえず魔王アリーノーの挑戦状を全てクリアした…… と思ったら、今度は全部のゲームのエンディングを見ろという挑戦が。
 うわー、挑戦はチュートリアルだなんていって本当スイマセンでした。ここからはマジで有野課長さながらの挑戦が始まりそうです。