パズルクエストにどっぷりハマる

 終業後、パズルクエストを買うためにまっすぐにGEOへ。新作コーナーを見てみるとレイトンレイトンレイトンレイトンIQサプリIQサプリIQサプリフコウモリフコウモリ。
 えっ、ん、あれ? パズルクエストどこー?


 まさかこれは俗に言う未入荷というヤツか!? いやいや、落ち着いてよく考えるんだ。えーっと、ドラクエ4は売り切れかー。でもディスプレイ脇には新品ありって書いてあるし、どっちなんだ。
 じゃなくて『ザ・交渉人』とか『ザ・ゼロヨン★深夜』とか仕入れてたGEOがわざわざパズルクエストだけ外すとは思えないしそうだ確かシンプルシリーズは別個に棚が用意されているんじゃないかそうだそうに違いない。
 焦りまくりつつ、中古棚の下にシンプル棚を発見。やったー、あったよー! ……『ザ・密室からの脱出』が!
 ……まぁ、同日発売なのにこっちだけを仕入れてるとはさすがに思えないし、さすがにこれは売り切れってことなんだろうなぁ。


 しかし、そうなると入手するためにはカメクラしかないか。会社帰りには行きたくないんだけどなぁ、あそこ。体力的に辛いし。行くなら土曜日なり日曜日にしたいけど、土曜日はWii Fitを買わなきゃならないしなぁ。
 などと思いながら、結局は発売延期で相当待たされていたゲームなので諦めることもできず、しょうがなくカメクラに向かう。あー、もう今年はカメクラ行かずに済むと思っていたんだけどなーっ!


 師走間近の長野の夜風は肌に痛い。全速力でカメクラに突入すると、普段なら見入るはずのGジェネスピリッツのPVをスルーしてDS棚へ向かう。だけど赤札棚はチラ見。コンタクトが980円。フォーエバーブルーが3780円でした。
 新作棚を眺めると、とにかく棚を埋め尽くしているのはドラクエ4。世の中じゃ品切れも出てるそうなんだけど、この店は全然そういう雰囲気がないな……
 そしてその脇にチビッと置いてあるパズルクエストを発見。すかさず確保。やったー! さすがカメクラ! 頼りになるぜ!
 だけど、その隣に視線を移してみるとタンクビート2が売り切れ。えええええ、ニッチ市場に全力投球するカメクラで売り切れってタンクビートどうしたんだ!?
 まぁ、ダンクビートは今回鼻血の出る思いを相当したらしい(下記によると)ので、売れてるようなら何より。開発陣の努力が報われているといいね。


 http://www.mile-stone.co.jp/product/tank2/tank2_column.html


 しかし、気にはなっていたんだけど、購入予定に入れとかなくてよかったかもしれない。カメクラまで来て売り切れとか絶望以外の何物でもないしなぁ。


 ともあれパズルクエストは無事確保。あとは代金を払って家に帰るだけだー。


 「べ、別にカメクラが好きなワケじゃないんだからね! ただ、GEOが品切れだっただけ…… 勘違いしないでよね! もう絶対こんな店になんか来ないんだから!」


 ……とか脳内でツンデレを演じていると割引券を頂きました。


 「いらないわよ、そんなの! で、でもまぁ、どうしてもって言うなら貰ってあげてもいいわよ。ふん、お正月に中古ソフトを買い叩いてやるんだから。覚悟しときなさいよね!」


 神様、ボクはカメクラから離れて生きていくことはできないのでしょうか(吐血)
 ちなみに割引券は1000円以上の商品で使えて、1回目が200円引き、2回目が300円引き、3回目が500円引きというシロモノ。正月特価との組み合わせは明らかに即死コンボです。これはヤバい。




 とまぁ、毎度のことながら前置きが長くなりすぎましたが、パズルクエストです。
 このゲームは簡単に言えば普通のRPGの戦闘部分だけをパズルにとっかえたものです。ルール的にはZOO KEEPERが近いらしいですが、自分はそっちをプレイしたことがないのでなんとも。まぁ、簡単に言えばコラムスのような3つのジェムを並べると消えるタイプのパズルです。
 ぷよぷよ以降のキャラ要素を強めた落ちゲーなんかはベースのシステムにキャラの選択や必殺技を加味して幅広さを演出しているものが多いですが、このゲームはシステムとキャラの主従関係を逆転させたところに特色があるように思います。
 つまり「レベルを上げれば強敵に勝てる」という作りがそれで、プレイヤーの腕前も確かに重要ではあるんですが、キャラを強化することで習熟をカバーできると言う、ぷよぷよで3連鎖を組むのがやっとな自分にもありがたい作りになっています。
 かと言ってパズルが蔑ろになっているかと言えばそうでもなくて、特にキャラ能力による補正が望めない序盤では一手の選択が勝敗を左右するギリギリの緊迫感が味わえますし、キャラが強まった中盤以降も性能に任せて大味にプレイすると途端に追い詰められてしまうので気が抜けません。
 特にターンボーナスと呼ばれる、4つのジェムを一気に消すと相手のターンを飛ばしてもう一回自分のターンが回ってくるシステムの逆転性が強くて、これを見落として敵にやられたりすると物凄い悔しくなります。思わず「あーっ!」と叫んでしまったことはそれこそ数え切れません。
 常に先の手を読む必要がある知的なプレイを要求されるのは、パズルの素性が良いせいでもあるのですが、キャラの能力がパズルの緻密さの中にダイナミックな動きを加味して、なおかつ全体の比重として大きすぎず小さすぎず、絶妙のバランスを保っているのが実に秀逸なデザインだと思います。


 RPG部となるクエストモードは、洋ゲーってこともあるんですが雰囲気的にはパッと見でヒーローズオブマイトアンドマジックなんかを思い出す、本格的な剣と魔法のファンタジー世界です。とは言え、絵柄は日本のアニメ調のものなので、洋ゲーならではのクドさは全然なく、スッキリと仕上がっていますね。
 基本的な進行は、ボードゲーム風というかロマサガ風の、マップの上をぽちぽちと移動して、それぞれの町でクエストを受けてはパズルで対戦すると言う感じで、この辺はメインのパズルの邪魔にならないように極力簡素に作ってあるなという印象を受けます。
 クエストをクリアすると経験値とお金が手に入るのは普通にRPGっぽい感じです。レベルが上がるとディアブロ風というか洋風RPGによくあるボーナスポイント振り分けでキャラを成長させることができ、また手に入ったお金を使って装備を新調したり、様々な効果のある施設を建設したりできます。
 パズル部分が面白いのは確かなんですが、成長方針や装備の選択にもバラエティがあって、こっちでも頭を悩まさせられるのが面白いところですね。「この能力値を伸ばしたい!」「あの装備が欲しい!」なんて思っていると、ついつい新しいクエストを受けてしまって、止め時が見つかりません。


 あと、このゲームはDSだけでなく、X-BOX360やPSPでもリリースされていまして、DS版はこれらの中でも最後発のソフトになっているんですが、プレイアビリティとしては他と比較してあまりよくないそうです。
 自分は他機種版のパズルクエストをプレイしてないので比較はできないんですが、話に聞く限りではインターフェースが悪いとか、エフェクトが簡素だとか、キャラを作れる数が限られているとか、動作がややもったりしてる辺りがマイナスポイントらしいですね。ほぼタッチペンオンリーの操作体系は好き好きみたいで。
 ああ、あとは名前入力に濁点・半濁点が使えないという凄まじい仕様もあります。見落としてるとかじゃなくて本当にないんです。一体何年前のゲームなのかと。


 まぁ、その辺は自分は前以て知っていたので「まぁ、こんなものなのかな」と不満を感じることはなかったのですが、それでも気になったのは、SEの小ささですね。音量はBGMとSEと分けて調節できるんですが、SEの大きさを最大にしてもまったく聞こえないと言うか、タッチペンがタッチパネルを叩くコツンという音が聞こえるほどSEが小さいです。
 ストロークのあるボタンと違ってタッチペンでの動作にはリアクションとしてのSEが必須だと思うのですが、そうした設計思想への配慮がなく、単純な素材の流用に留まっているのはちょっと残念ではありました。
 あとはクエストモードの各種選択肢の選択のしづらさも気になりました。ずらっと並んだクエストを選ぶ時にはボタン兼タイトルの文字が小さいので非常に慎重に文字をタッチしなければならず、不親切さを感じます。
 また、施設の説明を見ようと思って選択したら買う気もなかったのに購入しちゃったりとかもありました。装備は購入と説明でボタンが別々にあるんですが、なぜか施設はボタンが一体化していると言う統一性を欠いた作りで、やっぱり全体的に粗さは拭えません。そこはまぁ、値段相応と言うか。
 それと説明書の記載が薄かったり、チュートリアルが充実してなかったり、誤植が多かったりと、割と突き放した形のゲームなので、完全な初心者向けというよりはある程度自力でルールを解明する読解力が必要になります。まぁ、日常的にゲームをしてるユーザなら平気だと思いますが、子供向けではないですね。


 とは言え、ゲーム自体は物凄く面白く、時間がガンガン吸い取られます。自制したつもりでも気づいたら日付が変わっていたぐらいです。多分、今週の休みはこれで潰れてしまうでしょうが、それも本望です。
 パズルは集中力を必要とするのですが、時間制限がないので反射神経も必要なく、じっくりと一手を考えられるために気づかないうちに時間を費やしてしまう部分があります。またワンプレイ自体も比較的軽くて、勝利の喜びと敗北の悔しさをガッチリ味わえるゲームなので、ついついプレイを継続してしまうところがあります。
 ボリュームも満点ですし、不親切なインターフェースさえキッチリと仕上げれば本当にフルプライスでもおかしくないソフトではあるんですけどね。手頃な価格にしては不釣合いなほどにゲーム性豊かなソフトなので、DS版に限らず、XBOX360でもPSPでも何かしらハードを持ってる方ならぜひ一度プレイしてみて欲しいです。


 ちなみにPC用の体験版もあります。


 http://www.d3p.co.jp/p_quest/trial.html


 これをプレイするとPC版が欲しくなるらしいですが、体験版はあってもPC版はリリースされていないそうなので、ここまででピキーンと来た方はコンシューマ版を買い求めるのが吉かと思います。
 自分も体験版をやりたかったんですが、DS版にのめり込むために我慢してました。でも我慢した甲斐はありましたよ!