世界樹日記・その6(6F)

 そう言えば、チラホラとバグの話が出てきてますね。
 前作もそうだったんですが、割と直接的に数値の出るダメージ部分については素直に数字を信用して良いんですが(前作のレンジャーなんかは調整の問題であってバグではないし)、主に絡め手的に確率を弄るスキルなんかは予想通りの効果を発揮しないことが多々あって非常に怖いですね。
 今回は特に命中、回避、抵抗といった、地味に重要な部分について正反対の効果が出るバグがある上に、プレイヤーが気づかない部分にトロイ的に潜伏している可能性があるところが性質が悪いです。まぁ、バグの怖い人は、直接的にダメージを与えるアタッカーを中心に選んでいくのが消極的な防御策になるのかなと思ったりもして。ソードマンとかバグの温床になるようなスキルはなさそう。
 世界樹はスキルの組み合わせと戦術の構築を楽しむゲームなだけにゲームの幅を狭めてしまうこの手のバグは本当に残念です。どうもアトラスのゲームはバグがつきものだという印象がなかなか払拭されず、困ったものですな。


 さておきネタバレに移ります。今日は第2層へ。




 6F。まずこの階に到達して目を引ん剥くのが真っ赤なダンジョン。赤ー! 一面赤ー!
 秋をイメージしたのであろうこの風景は非常に鮮烈でインパクトがありますね。ファミ通で絵面を見ててもビックリしたよ。時たま落ち葉がヒラヒラと舞い落ちたりして、ダンジョンの演出面は前作よりも豪華になってます。
 が、一方で処理も重くなっております。特に方向転換するときにハッキリとわかる処理オチがありますね。自分はこの後、「メディックを連れて来い!」なミッションを受けたまま第2層に乗り込んで重石を背負ったまま歩くような羽目に遭いましたよ。最初は一体何事かと思った。
 そんなワケで何かと重宝するのが実はカニ歩きだったりして。カニ歩きと後ろ歩きを多用すれば方向転換の回数は極小に抑えられますしね。
 さすがにマップ作成時はきちんと前を向いて歩かざるを得ませんが、一度完成したマップを歩く際には便利です、カニ歩き。実にスピーディ。


 さて、第2層と言えば前作で思い起こされるのが、壮絶な敵のパワーアップです。第1層のボスを撃破し、冒険者としての確かな手応えを覚えたその瞬間、今までの敵とは全く次元の違う強さのモンスターの襲来にプレイヤーは世界樹の迷宮の恐ろしさをまざまざと思い知ったものではありますが、果たして今回の世界樹2でもそんな希望と絶望に満ちた一幕が展開されるのか。初めてのエンカウントが近づき、指先に力が篭ります。


 あ、エンカウントの際に入る葉っぱの影のエフェクトって、階層で絵柄が違うんですな。前作もそうだったっけ?


 と、間を外したところで現れたのが新モンスター『大キノコ』。……これは明らかにグラフィック担当の『キノコ大好き』横路さんがねじ込んだモンスターです。間違いありません。
 今回の『!!ああっと!!』もそうなんですが、世界樹2は開発陣の好き勝手やってる感が凄まじくてたまりませんね。自分みたいな深読み人間にはイチイチ突っ込み甲斐がありすぎます。
 で、この『大キノコ』、それなりに第1層の敵キャラよりは強化されてはいるものの、多用するスキルがダメージを伴わない毒や麻痺攻撃なので、対処は至極簡単です。前作で、固い、速い、強いと三拍子揃ってた『ポイズンウーズ』なんかに比べるとなんてことはないです。
 この相違は前作の第2層のバランスを「狙ってやった」と公言する加藤さんの意図と、キノコ好きの横路さんの趣味の違いなのか、と読むのはさすがに深読みしすぎでしょうな。いや、今回も加藤さんの意図は十分に働いてるんですが。
 全体的には前作ほど急激なバランスの変化は見受けられなく、淡々と、しかし確実に敵が強化されていく雰囲気が窺えます。
 時折、とんでもない強敵が現れたりすることもままありますが、それも対策さえ講じてしまえば恐れるものはありません。知恵と勇気で活路を切り開く冒険物語。うーん、これぞRPG攻略の醍醐味ですな。


 階層が変わると出てくるモンスターもガラリと様変わりして、再び新鮮な気持ちで冒険に臨めるのは世界樹2の素晴らしい点ですよ。こういう雰囲気作りが、マップを描いて、敵を倒して、アイテムを集める、という一見単調に思えるだけの手順の多くにメリハリを与えてくれるワケです。
 なので、この階については特に新規のモンスターについて多く触れていこうかなと思っています。


 で、特にこの階で突っ込みどころを感じたのが、『ジャイアントモア』。全体攻撃の『突撃』が厄介な敵なんですが、前作ってコイツFOEだったんですよね。なのにヒラに格下げです。
 超パワーアップを果たした鹿に比べて、強化どころか弱体化という扱いを受けたこの冷遇振りはちょっとばかし悲哀を覚えます。でも考えてみれば、前作で多くのプレイヤーが『ジャイアントモア』を避けるでなく、殺して進んだ事実を思い起こせば、この程度の位置が相当なのかもと思えてきたりもして。同階層にドラえもんそっくりなヤツがいたこともあって色々と影の薄いキャラです。泣けるなー。


 あと、もう一体、『怪しい石像』といういかにもゴーレムチックなモンスターがいまして。コイツですね、ゴーレムなのに『昏睡の呪言』が効きまくるんですよ。
 TRPGなんかだと、この手の自我を持たないモンスターには精神に働きかける類の魔法は効かないというのが定番ではあるんですが、全然そんなのお構いなしというか、むしろカースメーカーは何者だよって感じです。


 というか、ここまでプレイを進めてきて何となく見えてきたんですが、カースメーカーの『昏睡の呪言』はメッチャよく効きます。前作は効かなかった植物だろうが無機物だろうがお構いなしに。


 で、このゲーム、前作を象徴するモンスターの一体『危険な花びら』が眠りをばら撒く敵として酷く恐れられたように、世界樹の迷宮では眠り=死です。なのでカースメーカーの『昏睡の呪言』は超強いのです。
 まず、眠らせた敵は当然ながら攻撃を仕掛けてきません。この間、パーティは全く自己の損害を気にすることなく、攻撃に集中することができます。敵が複数出てきたときも、片方を放っといて個別に攻撃を集中させることができるのです。
 次に、眠っているモンスターは回避ができません。世界樹2ではAGIが命中と回避に反映されたため、AGIの低いキャラが攻撃をミスる場面が散見されるのですが、眠っている最中のモンスターは回避ができません。したがって攻撃は必中。計画的に敵に打撃を与えることができます。
 さらに眠っているモンスターは防御が低下します。普段よりも与えられるダメージが増加するため、タフなモンスターを倒しやすくなります。今作では攻撃時にはスキルを惜しみ、通常攻撃メインで進めたいところなので眠りによる修正効果は非常に助かります。


 と、このように眠りとは非常に有効で、同時に危険なバステなのですが、今回は呪言の発動速度が速いことと、消費TPが割安なことがさらに『昏睡の呪言』の有用性を高めています。まぁ、前作でも便利と言えば便利なスキルではあったんですが、眠らせてから倒すよりも全体術式やらで一気に倒したほうがラクだったんですよね。

 今回はその手の攻撃手段の消費TPが押しなべて割高になったので、コストバリューの高い『昏睡の呪言』が日の目を見る形になったのだと思っています。うーん、こういうバランスの組み方ってあるんだなぁ。


 まぁ、まとめとしては、ゲームプレイ的には第1層では打撃職の影に隠れてまったく活躍どころのなかったカスメ兄上が、第2層に入ってからというものの、ブシドーと並ぶ活躍を見せていた、という話で。兄上、地味に凄かとです……!


 で、そんな兄上の活躍はまだまだ続きます。
 この階に徘徊する新要素のFOE。それがマップ上で姿を確認することのできない透明FOEです。この透明FOE、気をつけてれば楽勝じゃーん、なんて余裕をかましていると突然横から突っ込んできたりする恐ろしい敵で、小学生が横断歩道を渡るときに義務付けられる「右見て左見てもう一回右を見る」くらいの慎重さで進まないと、死角からの体当たりで已む無く戦闘に引きずり込まれます。
 で、当然ながら注意の足りない自分は早速突っ込まれました。1体だけを目で追ってたら、もう1体が横から突っ込んできたんです。こいつらのコンビネーションはマジ厄介。


 まぁ、突っ込まれたからには仕方ない。戦闘です。敵はカボチャのお化け『三頭飛南瓜』。いわゆるアトラス的な意味でのジャックランタンってヤツですね。ヒーホー!
 とりあえず1ターンで全滅するってことはないでしょうし、敵の出方を窺っておくのもよかろう的な気分で戦闘を継続。逃げ場があると人間余裕が生まれるってもんです。
 こちらはかつてキマイラを倒したのと同様の『巫術:鬼力化』→『卸し焔』→『チェイスファイア』の連携を狙います。
 一方でカスメは…… カスメはまぁ、『封の呪言:頭首』しかないですよな。つーかコイツ、体積の90%が頭だし、頭縛りが効くに違いないわ! さらにレンジャーの『アザースステップ』でカスメを援護。素早く頭を封じてアドバンテージを得ようという目論見です。


 で、いきなり飛び出したカスメ、見事にカボチャの頭を縛ってくれました。兄上さすが! それに続いて前衛が攻撃を仕掛けます。
 が、攻撃の悉くがカス当たり。まったく以って有効打になりません。
 どうやらコヤツ、火属性に対して強靭な耐性を持っている様子なのです。まぁ、ジャックランタンだしなぁ。とは言え氷属性のスキルなんて持ち合わせていないので、仕方ない、普通にスキルを使わず殴ることにします。
 対するカボチャはなにやらスキルを使おうとしたものの、頭が封じられているのでスキルが使えません。これには思わずガッツポーズ。やはり予想は的を射ていました。
 ならばあとは打ち勝つのみ、と殴りかかったところ、やっぱりカスダメージ。えええええ!? ……どうやらこのカボチャ、物理防御も相当高い様子です。
 で、ひょっとしてコイツ、はぐれメタル的にHPが物凄い少ない敵なんじゃ、と思ってはみたのですが、HPバーを見てみると、ほんのちょびっとしか削れてません。うわぁ……
 移動パターンが特殊なだけに『獣王のシモベ』のように戦闘力自体は控えめなんじゃないか、と淡い期待を抱いてもいたのですが、やはりFOEFOE。この階層に入り込んだばかりの新参者が勝てるほど甘い相手ではなかったようです。
 となれば、あとは逃げるが勝ちです。パーティ全員で逃げを狙いますが、これは失敗。そこに頭縛りの解けたカボチャの全体攻撃、『キャンドルペイン』が飛んできてパーティはズタボロ。一瞬にして全滅の文字が点灯を開始しました。
 が、ここで根性を発揮して逃走に成功。辛くも一命を取り留めたバラック一行はなんとか街まで辿り着き、今後あのカボチャには絶対に手出ししないように胸に誓ったのありました。
 ……でも、触感としては頭縛りが有効みたいだし、氷が弱点っぽいから、きちんと装備を整えれば勝てるんじゃないかなぁなんて夢を見たりもして。まぁ、もうちょっとパーティが成長したら試してみようかなと思ってはいたり。


 とりあえずこの階はそんな感じだったかな。新規のモンスターばかりで歩いてて非常に楽しい階でした。みんな個性があって特徴的だったしね。……エリマキトカゲ以外は。




◆ベオ ソードマンLV15
剣マスタリーLV5 斧マスタリーLV5 チェイスファイアLV1
 とりあえず次の方向性を模索中。チェイス2色目はナガヤが追いついてからだろうしなぁ。


◆ナガヤ ブシドーLV18
STRブーストLV2 上段の構えLV7 卸し焔LV5 鬼炎斬LV1
 STRブーストで打撃力の底上げ。でも2色目狙いでさっさと動いた方が良かったのかも?


◆ユーディット ドクトルマグスLV18
TPブーストLV4 巫術マスタリーLV4 キュアLV1 巫術:鬼力化LV5 巫術:転化LV1 巫術:祓化LV1
 巫術:祓化を習得。こちらも今後の方向性に悩む。


◆ミレッタ レンジャーLV19
AGIブーストLV3 先制ブーストLV5 アザーズステップLV1 スローステップLV5 チェインダンスLV4 ソニックステップLV3
 とりあえずチェインダンスの完成を目指す方向で。


◆ノワイト カースメーカーLV17
呪言マスタリーLV3 封の呪言:頭首LV10 昏睡の呪言LV5
 封の呪言をマスター。次は封の呪言:上肢かなぁ。悩む。