世界樹日記・その21(21F)

 そう言えば、今更ながら『世界樹の迷宮』っていいタイトルですよね。
 いいタイトルってのはどういう意味かって言うと、内容がわかりやすいって意味です。とりあえず初見で「ああ、ダンジョンに潜るんだな」ってのがわかると。で、訴求するのはそれで十分と言う割り切った雰囲気が、どこか本作のゲーム性にも通じてますよね。
 そもそも3Dダンジョンなんて形式自体が「リアルタイムで3D空間をシミュレートしよう!」なんて今時のハイブロウな考えをまったく視野に入れてないワケで。これこそ割り切りの極地ですよね。


 前作の世界樹1は、開発の初期段階では『深奥の森』というコードネームで呼ばれていたようで、そのせいもあってか世界樹の開発班は『森チーム』と呼ばれていたそうです。
 で、『深奥の森』。これはイマイチ名前からゲームの概要が見えにくいゲームではありますよね。まぁ、森があるんだろうなってのはわかりますが、森に馴染みの薄い私たち現代人からすると、魔物の住む迷いの森的な雰囲気も窺えれば、どうぶつの森的な暖かい雰囲気も窺えます。ちょっと方向性がフラフラしてますよね。
 それに比べると『世界樹の迷宮』。ストレートです。そんな気がしませんか?


 というか、昨今のRPGって雰囲気優先で名前からイメージが伝わりにくいんですよね。スクエニインフィニットアンディスカバリーなんか全然ですし、自分の買ったソフトではソーマブリンガーも最初はよくわかりませんでした。
 まぁ、そういう意味でも世界樹は、昔臭い割り切り方をしたゲームなのかなと思ったりして。人に伝えるときも、まぁ、RPGだってことはすぐに理解してもらえるのがね、自分的には大変ありがたいのですよ。


 そんな感じで。以下ネタバレです。




 21F。なんか金色の来たー! よくわかんないけど、天空の城はやっぱり近未来的な構造物でしたわね。今ちょうどターンAガンダムを見直しているので、天辺の辺りがモビルスーツ・スモーにも見えます。
 まぁ、そうだろうなと予想はできました。できていたんですけど、さすがにこれだけ壮観壮挙だとインパクトがありますね。うーん、デカい。


 しかもまたBGMが素晴らしいんですよ。こ、これはCMのBGM! 自分が初聞きで惚れた世界樹2のBGMですよ。
 古代さんのインタビューの時にも使われてたヤツで、初めて聞いたときから通しで聞きたくてしょうがなかったんですよね。この曲か! この曲のために自分はここまで来たのか!
 いやー、第4層もよかったけど、個人的には第5層のBGMはもっと好きだなぁ。ついつい聞き入っちゃいますね。「ゲームが出来上がるまで音楽がハマるかどうかわからない」と言っていた古代さんに、自分はぜひ言いたい。ハマり過ぎですよ、これーっ!?



 そんな感じで雰囲気に酔いしれていると、突如としてメッセージが表示されます。声の主は自らを天空の城の城主『オーバーロード』と名乗ります。
 なんか『オーバーロード』だの『天の支配者』だの『上帝』だの『全能なるヌゥフ』だの、色々と名前の多い御仁ですね。出世魚みたいなものですか。
 さておき、上帝さんは、一行がなぜ城を訪れたのか問いかけます。まぁ、話としては『諸王の聖杯』を頂きに来たという設定なので、その旨を伝えると、なんかビックリされて「いやや、聖杯は渡せんわー」的なことを言われました。どうやら上帝さんにとっても聖杯は大事なものらしいです。
 しかしまぁ、上帝さんは聖杯を『永遠の命を生み出す装置』と呼んでいたんですが、そうすると聖杯は据え置きのでっかい機械だったりするのかもわかりませんなー。
 なんにしても、ラスボスの姿が明瞭になり、いよいよ最終決戦の雰囲気が高まって参りました。まぁ、正直な話、ちょっと盛り上がりには欠けるんですが、明瞭な目標を提示していて非常に展開はわかりやすいですね。


 そう言えば、第5層の『天ノ磐座』とは、天孫降臨の際に、ニニギノミコトが降ってきた山のことだそうです。まぁ、山々をエラく言い表した古語表現だと思うんですが、これ、絶対名前つけたの上帝さんですよね。がんばった自分へのご褒美ってやつ? 神らしさの演出とも言うかな!
 第4層がお花見会場だったりする辺り、妙に日本を連想させるシーンの多い世界樹2。自分は未だにハイ・ラガード=ロシア説の信奉者ではありますが、北海道説もなんとなく魅力的に思えてきました。まぁ、地理的にはハイ・ラガードとエトリアはすっげー遠いらしいんですが。




 と言うワケで、雰囲気はバッチリなんですが、城に入ってすぐに目に入るのが、ベルト、コンベア……?
 正直な話、行き先を制限するこの手のギミックは、第3層やら第4層やらで十分楽しませてもらったので、ちょっと食傷気味に感じたりもするんです。とは言え、前作の第5層は、ギミックの欠片もない、だだっ広い作りのダンジョンだったことを思えば、最後まで遊び心が残っているのは、開発側の余力を感じられる部分もあったりしまして。
 ともあれ、奥に踏み込むと簡単には帰ってこれなさそうなので、ウロチョロと入り口周辺を散策しつつマップを埋めていきます。しかしまぁ、この内装は派手と言うか悪趣味と言うか。FF3のゴールドルの屋敷を思い出しますな。
 ちなみに自分はベルトコンベアは、土色床+矢印アイコンで表現してたんですが、矢印アイコンって色が白いので、これだとパッと見で方向がよくわからないんですよね。一番映えるのは何も塗らない床だったりします。
 で、ベルトコンベア=緑、普通の床=金色って辺りから、ベルトコンベアを緑にして、普通の床を土色で塗りまくろうかと思ったんですが、余りにも作業量が膨大すぎて1分で諦めました。
 ……でも、それだけだとネタ的に面白くないなぁと思って、今、実際に床を土色に塗り替えてみました。おお、一面黄色! これは城の雰囲気が出ますよ!
 でも、床が土色ってのがどうにも奇妙で脳が拒絶反応を示す感じです。なんだこれ、たったこれだけのことなのに体が受け付けない!
 いや、普通に土色を床だと認識すればいいだけの話ではあるんですが、不思議とそれが難しいんですよね。なんか男子トイレと女子トイレのアイコンを形そのままで色だけ塗り替えると、利用者が逆のトイレに入ってしまう実験を思い出しました。
 あと、黄色ばっかの21Fはなんかジ・Oっぽいです。落ち着かないわー。




 それにしてもここに来て、敵の回避率がえらく高く感じられるようになってきました。ドクトルの攻撃がスカるのはもはや通例として、攻撃の主軸となるブシドーの全体属性攻撃が絶妙にスカってくれる辺り、「このヘタレが!」と思わず叫んでしまいます。そして反撃の『断末魔の叫び』。マンドレイク貴様ーっ!
 全体攻撃を選ぶだけでも妙に緊張が走るあたり、前作のアザステ大術式とはちょっと趣が違ったりもして。なんだかんだで命中率100%の術式が羨ましいです。


 まぁ、威力的には全体属性+チェイスで十分。欲を言えば、消費が激しいのでブシドーの一撃で蹴りをつけたいところではあるんですが、なかなか新しい刀が売り出されないのが困ったところ。……いや、『妖刀ニヒル』はあるんだけどさぁ。使っていいんですかね、アレ。


 てな感じで、城内をウロウロと巡っていると徘徊しているFOEに追い掛け回されます。おおっと!
 FOEは『漆黒の魔騎士』。最初、すげー撫肩だなーと思ってたんですが、後で図鑑を見たら、肩だと思ってた箇所が顔だったってことに気づきました。なんか頭の形が変……
 で、この『漆黒の魔騎士』。外見からわかるように防御力が高くて厄介な相手なのですが、自慢の防御力を無視する『ペイントレード』でさっくりと料理させて頂きました。なので『死の黒刃』ってのがどんな攻撃なのか、実はよく分かってません。




 そんな感じで、ベルトコンベアを色分けしながらクルクル回って階段へ到達。ショートカット自体は城に入って真っ先に見つけていたので、階層の入り口ながら自分としては珍しい快調な滑り出しとなりました。
 しかし、こうやってマップを描ける階層があと僅かってのも、ちょっと寂しさを覚えたりもします。前作どおりならあと10階程度。存分に味わいながらエンディングを目指したいですね。




◆ベオ ソードマンLV52
STRブーストLV10 AGIブーストLv1 剣マスタリーLV5 斧マスタリーLV5
トルネードLV5 チェイスファイアLV5 チェイスフリーズLV5
チェイスショックLV5 ウォークライLV5


◆ナガヤ ブシドーLV52
STRブーストLV10 上段の構えLV7 居合いの構えLV7 下段の構えLV7
卸し焔LV5 鬼炎斬LV1 抜刀氷雪LV5 細雪LV1
雷耀突きLV5 建御雷神LV1


◆ユーディット ドクトルマグスLV56
TPブーストLV4 STRブースト6 巫剣マスタリーLV10 巫術マスタリーLV10
巫剣:呪吸大斬LV5 ヒーリングLV4
巫術:鬼力化LV5 巫術:皮硬化LV5 巫術:転化LV5


◆ミレッタ レンジャーLV56
STRブーストLV10 AGIブーストLV3 弓マスタリーLV10
先制ブーストLV5 サジタリウスの矢LV10 アザーズステップLV1
スローステップLV5 チェインダンスLV10 ソニックステップLV3


◆ノワイト カースメーカーLV55
HPブーストLV10 呪言マスタリーLV7 力祓いの呪言LV10 軟身の呪言LV10
昏睡の呪言LV5 罪咎の呪言LV5 ペイントレードLV10


 ついにカスメのHPブーストを伸ばしてしまいました。しかもマスター。
 『ペイントレード』が「呪言脅威のメカニズム」過ぎます。