無限のフロンティアはとんでもないゲームだった

 このところ、ノトノノトノ言い過ぎたせいか「7974 ノトノ」で検索されるほど、最近ではノトノ一色っぷりのこのサイトです。さすがの自分も自重すべきなのかもと思ったりしたりしなかったり。
 これはいけない。初心を忘れてどうするのかと。……そんなワケで今日は、『スーパーロボット大戦OGサーガ 無限のフロンティア』に手を出してみました。あれ?
 というか、自分の予定では、これ、休み明けに到着する予定だったんですけどね。発送しましたーってメールを見てる最中に玄関からピンポーンって。早いよ!
 ちょうどノトノが行き詰ってしまったところなので、お昼から気分転換も兼ねてこっちをプレイすることにしました。で、5時間連続でプレイして夕ご飯食べたらガクッと来て、11時までヘバってました。うぉー、止め時が見つからねー!


 システムとしてはなんだかナムコ×カプコンのまんまRPG版だということで、まぁ、それでわかる人はわかるらしいんですが、自分はナプカプはプレイしてなかったので、いやぁ、色々とビックリしました。
 このゲーム、店頭のプロモでは、なんかもう格闘ゲー、それもヴァンパイアとかの異常にヒット数が出るやつ(いや、あんまり格ゲー詳しくないんですが)みたいな動き方をしてて、「これは一体どういう操作をすればこんな動かし方ができるんだろうか?」と物凄く疑問に思っていたんですが、実際に操作してみたら使用するボタンは基本的にAボタンのみ。必殺技の使用にYボタンを使って、後は仲間との連携に十字キーの左右を使うだけというシンプルさに唸ってしまいました。
 Aボタンポチりで10ヒットくらい一気に攻撃が入って。で、敵が落ちてくるところを上手く拾うようにもう一回Aボタンを押すと次の技が発動してまた10ヒットくらい繋がると。要はタイミングを掴めば行動力が続く限り幾らでも技を繋いでいけるゲームなんですね。
 この手の「攻撃時に操作を頑張るとちょっとオトクなボーナスが貰えるよ!」的な戦闘はSFC時代からありますけども、このゲームに関してはとにかく攻撃が派手派手で、見てて圧倒されるのが白眉だなぁと思いました。戦闘自体は確かに演出が派手なこともあって時間はかかるんですけど、ガンガン攻撃を決められるのは自分の入力がタイミングよく入ったからだ、という達成感があるので、見てて非常に楽しいんですよね。
 ボタン連打じゃなくてタイミング勝負、かつそのタイミングが適度にシビアなのが刺激を与えてくれると。ある意味では音ゲーに近い興奮とも言えそうですね。


 ボス戦なんかは、ボスが一度地面につくと以後の攻撃を全て完全防御する仕様があったりするもので、とくに攻撃を繋いでいくことが重要になります。ホント入力ミスると、何もしないで行動終わり、みたいなことになったりするんですよ。
 しかも、ボスの攻撃はかなり激しいので、1ターンでも早く戦闘を終わらせようと凄く躍起になるんです。でも、ここで焦ってしまうと攻撃が繋がらずに残念な結果になってしまうと。
 落ち着いて攻撃を繋げなきゃいけないのに、ついつい手が早まってチャンスをふいにしてしまうと思わず叫びそうになります。このシビアなバランスは、非常に自分好みでドキドキしますね。


 とまぁ、書き出してみると「タイミングよくAボタンを押すだけのゲーム」に収斂しちゃいそうな感があるんですが、意外と攻め方にも工夫が必要だったりするのがこのゲームの面白いところです。
 例えばキャラが攻撃してる際にシームレスで次のキャラが攻撃を続ける「連続攻撃」というシステムがあります。この連続攻撃は「行動力が回復する」「必殺ゲージが溜まる」「敵を落とさずにコンボを繋げられる」などのメリットがあるんですが、これを使って乱入したキャラは、そのターンにスパロボでお馴染みの「精神コマンド」を使用することができません。
 なので、「集中」や「加速」を使ってキャラをパワーアップさせて戦うのか、それとも次から次へと連続攻撃を仕掛けて一気に敵を圧倒するのか、この辺の戦術の選択に妙味があったりするんですね。敵の攻撃は基本的にメチャクチャ激しいので、HPを回復させる「信頼」「友情」「愛」といった精神コマンドは非常に使い勝手がありますし、かと言って攻め手を緩めてしまうといつまでも攻撃を受ける羽目になります。
 しかも連続攻撃を仕掛けるためにはキャラの行動順が連続していないといけなくて、その為には敵の数を減らしてこちらの行動順をなるべく繋げる必要があったりして。ボス戦では特に「どの敵から倒していくのが効率的か?」を考える必要があるのも面白いところです。


 しかも操作にちょっと慣れてきてコンボも完璧、連続攻撃も自由自在、となってからも更に今度はパーティ外のキャラ(ドラクエで言えば馬車待機中のキャラ)が同時に戦闘に加わる「支援攻撃」なんていうシステムも入ってきて、そうなると狭いDSの画面で複数のキャラが飛びまくるわ跳ねまくるわコンボは100越えるわダメージは60000とか出るわでもうムチャクチャになります。やってることはAボタン押下とその他少々だけなんですが、画面は物凄いカオスです。
 いやぁ、DSってこんなに動かせるものなのかとマジでビックリしますね。正直この仕様を切った人は頭がおかしいと思います。
 スパロボのアニメは、毎回毎回「そこまでやらなくても……」と引いてしまうほどにとんでもない手間隙がかけられているのが通例なんですが、このゲームも一応はスパロボの名前を冠してるだけあって密度が凄まじいですよ、ホントに。
 本家の場合はジャンルがSRPGということもあって、冗長なアニメはむしろプレイアビリティの低下に繋がる部分も否めないのですが、このゲームの場合は、アニメがプレイヤーの入力のフィードバックに繋がっているのが使い方として上手いなと思うんです。
 そういう意味で音ゲーっぽいと自分は思ったのかな。音ゲーで上手く入力すると上手く音楽が繋がるように、このゲームは上手く入力すると強烈な戦闘アニメを見ることができる、みたいなね。
 ともかく戦闘の動きっぷりに関しては、DSでここまでやるか、という代物なので、一見の価値アリアリですね。いやぁ、自分はあんまりアニメのデキとか頓着しない方なんですが、さすがにここまでやられるともうお手上げですよ。




 とまぁ、戦闘だけをダラダラと書いてきたんですけど、その他は割と普通というか凡庸というか。とにかく戦闘に力を注ぎ込んで、あとはまぁ、形になってればいいや、みたいな割り切りっぷりが窺えて。
 マップ画面なんかSFCみたいなんですよ、マジで。まさかこの時代の新作で、FF4ばりのチビキャラとノロ移動とドットマップを見ることになるとは思いませんでした。とは言え手抜きだと憤慨するより、まず最初に笑いがこみ上げてきてしまったので、いやまぁ、昔からのユーザは得だなぁと思いました。
 直前にプレイしてたゲームが懐古一直線なノトノだったのも、ある意味ではよかったのかもしれません。


 まぁ、それだけ戦闘に入れ込んだゲーム、ということで、あとはホントおざなりと言えばそうです。正直ストーリーも固有名詞バンバンでワケわからないというか。
 同じモノリス開発のソーマブリンガーの時も固有名詞でまくりで大分困ったんですが、それでもなんとか言いたいことは掴めたんですよね。こっちは「なんか世界で大変なことが起きている!」「悪い奴らが暗躍している!」くらいのことしか自分は理解できてなくて。まぁ、それでも十分だってのが勧善懲悪なスパロボ的ではあるんですけども。
 ナムカプゼノサーガも未経験なので、その手のキャラが出てきても周辺事情とかさっぱりですしねー。後半で驚くべき伏線の回収とかやられても、自分は全然意味解らなかったりするかもしれません。
 あと、システムが複雑なのにチュートリアルが文字だけってのは、なんか『すばらしきこのせかい』とタメを張る感じですし、セーブもなぜかフィールド上ではできずにセーブポイントのみというのも不可解ではあります。まぁ、それも不親切ではあっても、理解すれば呑み込めるというレベルのアレなんですが。
 ともあれ人を選ぶところも多分にありますが、尖った部分のレベルが高すぎて全ての短所を帳消しにしてる荒々しさが自分は凄く気に入ってます。こういう開発者のパワーというか、後ろを顧みない勢いに満ちた作品は自分は好きですね。面白いです。




 あと、至る場所でおっぱいサーガやおっぱいRPGや無限のおっぱいと言われている本作ですが、個人的はそれほどおっぱいではありませんでした。シバタさんから以前伺った話によると、あれは「並」なのだそうです。