せかあたのダンジョンの話

 世界はあたしでまわってる、砂漠まで進みました。マップの埋まり方を見るに、進行度的には40%くらいなんですかね。


 ここに来てちらほらと各ポイントにダンジョンが散見されるようになりました。素材的にはダンジョンは前作、ダンジョンメーカーの流用なので、やや見慣れた感はあるんですが、ダンジョンを作る側だった前作と、ダンジョンを攻略する側に回った今作の立場の違いが何気に面白いです。
 なんて言うんでしょうかね、人の箱庭を観察するような気分というか。前作では鶏小屋みたいな極端なダンジョンしか作ってなかったので、「ああ、こういう作り方があるのかー」と感心するんですよね。
 とは言え、せかあたのダンジョンは、機能的にはさほど洗練されたダンジョンではないんです。むしろ、どちらかと言えば、「通路」と揶揄されるタイプの平坦なダンジョンでさえあります。
 ただ、前作のダンジョンメーカーでは、「いかに効率的にリソースを稼ぐか?」という点に構造設計の要があったのに比べて、今回のダンジョンは曲がりなりにも「侵入者をどうやって排除するか?」という城砦としての真っ当な機能を与えられているんですよね。それが自分にとっては異様に新鮮だったという、そういう話です。
 シムシティで例えるならば、道路は全部廃止して線路だけ、住宅と商業と工業をそれぞれ最善の比率でモジュール化して配置する、みたいなのがダンジョンメーカーのダンジョン。
 不便だし、交通網は非効率的だし、中心市街地はアレでドーナツ化が進んでいるけど、それでも自分の町を再現してみました、ってのが、せかあたのダンジョンという感じです。


 あんまり活用はされてなかったみたいですが、ダンジョンメーカーには通信機能でエディットダンジョンを交換する仕組みが盛り込まれてまして、もしこれを使ってダンジョンを交換することがあるなら、例えばこんな感じの侵入しづらいダンジョンを作る気にもなったのかなとも思います。
 まぁ、前作のダンジョンは、「自分で作って自分で攻略する」という矛盾を抱えている以上、例えて言えば牧場物語の畑のような、機能的で幾何学的な作りにならざるを得ないんですね。畑を耕して、種を捲いて、収穫するという流れはまさにそれです。
 そこはやはりコンセプトのブレた点だったんですが…… まぁ、これ以上はダンジョンメーカー語りになってしまうので、この辺で留めておきます。


 で、せかあたのダンジョンは前作と違って、クォータービューになってます。
 多分、これは見栄えを重視した結果だと思うんですが、これが微妙に操作しづらくて最初は戸惑いました。なんかそこらに凄い引っかかるという。
 でも落ち着いてよく動作を観察してみると、操作は斜めに十字キーを入力するんじゃなくて、普通に上下左右にキーを入力すれば斜めに走ってくれるんですね。なるほど、これは地上マップの移動と一緒なのか。
 それにしてもダンジョンは敵が多くてイライラする…… というか宿に泊まると敵が復活する作りなので、最奥まで一気に突っ走らなければならないのが地味に堪える作りだなぁ。
 まぁ、この辺の仕様は前作と一緒なんですが、ダンジョンを好き放題に作り変えられるゲームと、(ワガママはあるけど)ごく一般的なRPGを、同じコンセプトデザインのダンジョンに放り込むのはちと乱暴かなとも思いました。グラフィックの素材の流用とかは余り気にならないんですけど、仕様の切り方はそれぞれの作品に適した打ち出し方があるかなと。
 まぁ、或いは壁を勝手に掘り進めるワガママとかがあってもよかったのかなーという気もして。その辺、プログラム的には前作の流用なのでやりやすいと思いますし。


 ……と思ったんですが、面倒な敵はワガママで回避するのがこのゲームらしい解法なのかな、と今になって気づきました。
 地上マップでも強い敵と弱い敵とが混在して出てくるので、強い敵だけを倒して稼ぎたい時は、弱い敵をガンガン追っ払って強い敵だけを仕留めていく方が効率がいいんですよね。それと同じように、ダンジョンでもジャガイモとかイノシシとかはワガママで追っ払って、ピンクの強化と装備の充実を狙える人型のモンスターだけを潰してった方がいいのかなと。
 まぁ、この辺、いかに効率的なワガママの運用をするか、というのはこのゲームの醍醐味の一つのような気がします。人によっては、「そんなことで貴重なワガママを消費したくない!」って考えもあるでしょうし、いろいろなアプローチがあるのかなと思います。