バンブラDXの体験版を触りました

 ファミ通クロレビで、バンブラDXが9/9/9/10の37点だそうで。
 うっわー、エラい高得点来たなー。良作ではあってもそんなハデに取り上げられるゲームではないと思ってたので、この点数は正直意外です。
 確かに今回の盛り込みようは、「こういう機能が欲しいけど、さすがに無理だろうなぁ」って前作ユーザが夢見語りで呟くような機能のアレコレまで実装されていて、まさに音ゲーの決定版として満足の行く構成になっていると言っても過言ではないんです。
 前作ユーザ向けに従来の機能を強化して、それとは逆に新規ユーザ向けに歌うモードもつけてみた、というこの隙のなさ。言わば音ゲー版・スマブラXと言っちゃっていいくらいの豪華絢爛さですね。
 基本的にシリーズ化したゲームってのは、前作ユーザの要望に応えつつ、新規ユーザへの魅力を提示しなければならない2正面作戦を強いられることが多いです。バンブラはこの命題に対して、どちらか一方にターゲットを絞るんじゃなくて、圧倒的な物量で双方を満足させようという回答を選択したんですが、さすがにこんな荒業は任天堂にしかできないよなぁ、と感嘆とともに苦笑してしまう次第です。


 とは言え、バンブラと同じく全方向にターゲットを定めたスマブラが、蓋を開けてみれば思ったほどカジュアルゲーマーへの訴求が叶わなかった、という結果を鑑みると、操作面ではかなりの習熟を要するこのゲームも、結果的には「一見様お断り」な結果に至る可能性も低くはないのでは、と自分は見ています。
 コアゲーマーだけが楽しむ隠れた名作から、子供からお年寄りまで誰でも楽しめる定番商品へと脱皮するためには、やはり今回新登場の歌うモードが鍵を握っているんだろうなと思います。CMでも特に前面に押し出されているのは歌うモードの存在で、任天堂は簡易カラオケゲームとしてバンブラを売り出そうとしている節が窺えます。で、おまけに100曲ダウンロードできるよ、演奏もできるよ、作曲もできるよと。
 なので、歌うモードがどれだけの完成度を持っているかで、このゲームの浮沈は定まるのかなと。バンブラの演奏は段階を踏んで覚える感じですが、やっぱり習熟が必要ですしね。声を出すことの平易さに比べれば、やはり敷居が高いとは思いますよ。
 とりあえず前作は、ロンチ需要ってことで20万本だか売れたみたいです。16万本って話も聞くんですが、自分とこのソースはニンドリの付録です。つまりメディクリですね。16万本はファミ通かな?
 で、カジュアルなユーザが手に取るゲームが異常に増えてきた昨今のDS市場では、20万本ってのはかなり大きな壁のようにも思います。今回の初回出荷は20万本だそうですが、さてこれは強気な狙いなのか計算づくなのか。
 CMは見てていい感じだったので、応援団2が躍進したようにこっちも伸びて欲しいですね。応援団のルートを辿るとワゴン落ちって可能性もあるんですが、その時はその時で2本目が買いやすくなるなあ、なんて気もして。


 ただ、一般層に普及させるためには、バーバラ様の醸す雰囲気が意外と足枷になったりしそうな気もします。CMを見る感じでは非常に清々しい雰囲気を漂わせるこのゲーム、実はタイトル画面から結構ヘヴィです。これで「うわ、自分向きじゃない!」って思っちゃう人はいるんじゃないかなぁと。
 現在開発中のWii MusicバンブラDXを(デバイス以外の面で)どう差別化するのか、というのは自分の中でずっと大きな疑問だったんですが、Wii Musicは、Wii SportsWii FitWiiが勝ち得た清潔なイメージやブランドをそのまま転用できると。これは大きな違いなんじゃないかな、と今にして思いました。
 バーバラ様もバーバラ様で味はあるんですが、老若男女に好かれるキャラかってーと、どうなのかなと。世間的にはWii Fitのウィーボ君のような、可愛げのあるキャラの方が受け入れられやすいんじゃないかなと思います。
 他のゲームで例えるなら、ビートマニア太鼓の達人のイメージの差異のようなもので。バンブラビートマニア方面、Wii Music太鼓の達人方面を指向しているのかなという気がします。



 とか書いてたら、バンブラDX、体験版がプレイできるんじゃないですか! これは触ってみない手はないと、早速ダウンロードプレイしてみましたよ。
 でまぁ、体験版の仕様はざっとこんな感じです。


 ・演奏モードと歌うモードがプレイ可能。
 ・演奏モードの難易度はビギナーとアマチュアから選択。デモ曲は「ロビンソン」。
 ・使える楽器は4種。今回初登場のギターもプレイ可能。
 ・歌うモードでの歌唱力診断は3つのタイプで判定。こちらもデモ曲は「ロビンソン」。


 ってことで、まずは演奏モードをプレイ。まず最初の印象は、見た目が楽しくなったな、という感じ。
 基本的に前作は、GBから開発が進んでたゲームってこともあって、画面構成自体は譜面と点数が表示されてるだけのシンプルな作りだったんだけど、今回はギャラリーが動いたり、エフェクトも華やかになって、まさに「デラックス!」な雰囲気がそこかしこに見えるのがイイですね。
 話は逸れるんですが、バンブラってちょっと人に薦めにくいゲームだったりするんですよね。確かにテーマは普遍性のある題材だし、プレイ感覚も非常に良好なんだけど、パッと見てわかるワクワク感に欠ける雰囲気がどうにもあると。黒い背景の地味な画面で、チマチマとキータッチを繰り返すのって、ある意味では黎明期のシューティングゲームと同じで、画面に華がないんですよね。
 なので応援団は薦めやすいんだけど、バンブラは頭を悩ませる、というケースは結構多くて。掴みの強さで言えば、バンブラはやや弱いゲームであることは否めないな、とは思うんです。


 でもまぁ、今回は判定の演出もハデめになって、骨太で地味なゲーム、の印象がやや薄れているかなという気がします。譜面のマーカーなんかもちょっと大きくなって視認しやすくなったので、その辺もより万人向けにシフトした雰囲気ですね。
 あと、判定はやや緩めというか、これは難易度の問題でそうなってるのかなという気もしますが、前作経験者なら「あれ、早かった!?」と思うタイミングでも拾ってくれることが結構あります。でも、今回初めてバンブラに触るユーザからは、「難しい」という声がちらほらと聞こえてきますね。
 確かにこの手の☆4〜5の曲は、前作でも一つの壁だったんですよね。自分も結構詰まったような記憶があります。
 でも、バンブラは「こんなのできるワケねー!」って思う曲でも、練習を繰り返しているうちにスラスラッと演奏できるようになる不思議なゲームなので、一度で諦めずに何度かプレイしてみて欲しいですね。習熟の実感は確実に味わえると思いますので。


 続いて、歌うモード。こちらも存分に体験版を楽しみたかったんですが、今日はちょっと風邪をひいて喉が潰れかけてたのでまともに歌えませんでした。ロビンソン自体サビがキッツイのになぁ。
 一応、判定としては相性が62%の声質がロック向き。オススメの楽曲はTomorrow never knowsと結構意外な判定が出たんですが、これは声が割れてたからなのかなぁ。この辺はちゃんと体調戻してから製品版に挑戦してみたいと思います。
 感度自体は思っていたよりもいい感じで。スピーカーからは自分の声も出るので、ヘッドホンなりスピーカーなりに繋げると結構笑えます。まぁ、簡易のカラオケですね。
 でもまぁ、声を張りあげて熱唱するってのはゲームとか関係なしに気持ちいいものですね。集合住宅だと色々と配慮が必要なのかもしれないですが、幸いに自分のところはそういうのはないので。まぁ、家族に煩がられない程度に色々試してみたいと思いますよ。


 と言った感じで、発売を目前にして個人的に期待が盛り上がってきたバンブラDX。今回は体験版になったので触れなかったんですが、作曲モードと楽曲ダウンロードで発売後の展開も期待できるので、スペック的には底が知れない充実振りを見せるゲームではあります。
 まぁ、それだけに骨の髄までしゃぶり尽くすのは無理だろうなぁという気分もするんですが、目に見える美味しいところを摘むだけでも十分に楽しめそうなゲームなので、他のゲームのようなハラハラするような不安は全くないですよ。クラニンの発売前ポイント予約も終えてきましたし、あとはもう、発売日を待つだけですね。