せかあたの食事の話

 世界はあたしでまわってる、をチョロチョロとプレイしています。先日「40%くらいプレイしたかなー」てなことを言ってた記憶がありますが、今のところ進行度は45%くらいです。……うぉぉぉぉ、全然進んでない!
 と言うのもこのゲーム、割とやることは同じことの繰り返しでプレイが淡白なんですよね。なので30分くらい遊ぶともう「今日はこの辺でいいや」的な、満足のような飽きのような充足を得てプレイを終えてしまうんです。なのでなかなか進まないと。
 ただまぁ、だからと言ってこのゲームが詰まらないかと言えばそういうワケでもなくて、なんとなく時間に暇がある時についついDSカードを引っ張り出してきてプレイを始めてしまうという妙な中毒性も併せ持っています。開始までのロゴ表示やらは少ないですし、覚えていなきゃならないストーリーがあるワケでもないし、始めるまでの敷居が物凄く低いんですよね。
 そして気楽に始められるのと同時に、どこでもセーブ可能なので止めるのも容易と、非常に携帯機向けの軽い手触りを備えたRPGだなぁという気がします。それこそSaga辺りを髣髴させるような気安さというか。最近は携帯機のRPGと言っても一昔のような簡略化されたものではなく、数十時間もじっくりと取り組める本格的なゲームも揃いつつありますが、このせかあたは、初期GBの頃のシンプルで自由なRPGの味わいを強く打ち出しているゲームですね。




 ところでせかあたについて聞こえてくる声で、「料理が1日1回しか食べられないのは不便だ」という意見があります。まぁ、そう言われてみればそうかな、とも思うんですが、自分は正直気にしたことがありませんでした。いや、確かに自分もお金が貯まっては、グラスランドに戻って食っちゃ寝を繰り返しているので、面倒じゃないかと問われれば、まぁ、そうかもと思うんですが。
 でまぁ、なぜ自分がこの仕様を不満に思わなかったのか、と言えば、それは前作ダンジョンメーカーでも同じ仕様が切られていたからでした。その流れがあったので、1日1回の食事が普通だと思っていたのです。
 で、前作に関して言えば、1日1回の食事への不満ってのは聞こえてこなかったように思います。なぜかと言えば、前作は今作と違って、料理を食べるには材料が必要だったからです。
 材料はまぁ、要するに魔物の落とすアイテムの一種で、今作で言えば「ヒムシのハネ」とかの換金用のアイテムがその名残とも言えますか。その手のアイテムを集めることでようやくプレイヤーは食事ができたので、場合によっては材料が集まらずに食事をしないで一日が終わることも少なくはなかったのです。
 ただまぁ、材料をお金に一元化したこと自体は正直な話、大きな仕様の変更ではありますが、根本的な問題ではありません。前作にはなかった不満がなぜ今作で現れたのかと言えば、それはひとえに食事の値段のインフレに比べて食事で得られる効果が停滞しているためなんです。
 食事自体は、先の町へいけば行くほど高価なメニューが現れますが、2倍、3倍の価格で提供されるそれらの食事は、数値的には基本となる食事に毛の生えた程度の効果しかありません。なので結局ユーザは安い食事を何回も繰り返し食べることになり、宿屋に連泊することに不満を零すワケです。
 前作のダンジョンメーカーでは、食事に必要な素材の数はゲームの進行とともに増えてはいきますが、同時に上昇するパラメータも飛躍的に増加し、高級な食事を摂ることで、より効率的にキャラクターを成長させることができたのです。しかし、今作ではキャラクターを効率的に成長させる手段は、それとは全くの真逆の方法、つまり安い食事を回数を重ねて摂ること、であって、それが前作にはない今作ならでは歪みを生み出してしまったのだと自分は結論付けました。


 結局は、食事の値段と効果のバランスが悪い、と言うだけの話なのですから是正は簡単と言えば簡単です。正直な話、一日一回料理を食べられる、という仕様自体に鉈を振り下ろしてしまうのは、このゲームの長所、じわじわとキャラクターを成長させる喜び、を奪ってしまいかねないと思うので、体制としては現行のまま、ユーザが放り込んだりソースに対応するだけの適正なリターンを返してくれればそれでいいんじゃないかなと思います。




 ……まぁ、こんな話も次回作があるならそうなって欲しい、という話であって、その次回作があるのかどうかと問われれば、難しいのかなぁと思わなくもないんですが。
 個人的にはこの辺のバランスの問題は瑣末な話であって、このゲームが進化するにあたって本当に必要なのは、魔法やスキルの代替としてワガママを位置づけるんじゃなくて、もっとメタなワガママが使えるようになることだったりします。ゲームを進めると、ワガママで世界を動かす人間原理的な部分がチラホラと見受けられて、好き勝手やってるのにライトなノリが保たれてるのは、これはユニークで面白いなぁ、と思うので、この部分をもっと押し進めると、このゲームならではの個性がさらに出るんじゃないかなぁと個人的には思っています。