ブームブロックス・ファーストインプレッション

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 ブームブロックスってゲームが面白そうなんですよねー。プレイしたいなー。
 ……なんてことを呟いてたら、みんぽすさんが凄まじい勢いで話を纏めて送って下さいました。うわー、EAの担当者の方、モノフェローズの担当者の方、ありがとうございます!
 なので近場では全然目にすることのできないブームブロックスですが、幸運にもこうしてプレイする機会に恵まれました。普段ならレビューは全体に触れてみて、評価を固めてから総評を書き出すのですが、せっかく発売直後という旬の時期にゲームに触れられる機会を貰ったのですから、購入を検討している方の参考になるようにファーストインプレッションという形でブームブロックスの特徴について紹介してみたいと思います。
 ゲーム自体は2時間前後しかプレイしていないので、評価等纏まっていない部分もありますが、とりあえず総評については後日改めて掲載するとして、まずはゲームを触ってみての触感等をお伝えしたいと思います。


 さて、このブームブロックス。正直な話、プレイしたいなーとは思っていても、具体的にどんなゲームかはよく理解していませんでした。ブロック崩しのようなもの、と最初は捉えていたんですが、実際にはパズルゲームに近いものです。制限された手数や時間で目的を達成する、なかなか頭を捻るゲームです。
 実際にプレイしてみて、触感としてよく似てるなーと思ったのは、ボウリングやドミノですね。ボールを転がして10ピン全てを薙ぎ倒す。ひとつのドミノを指で倒して、バタバタと全部のドミノを倒す。そんな感じで、ブームブロックスは、複雑に積み上げられたブロックの塊を、ボールの一投だけでどう破壊するか、頭を捻って、取りあえず投げてみて、時には失敗して、再度挑戦して、ガッシャンガッシャンブロックが壊れるのを見て、そして「うわー、凄いわぁ!」と悦に浸るゲームです。


 とは言え、ブームブロックスは、「ボールを投げてブロックを破壊するゲーム」以外にも様々なルールのゲームが用意されています。一言ではその全てを伝えきれないほど物凄く遊び方の広いゲームなんです。
 中には光線銃を使って、画面を次々に飛来するブロックを撃ち落とすゲームなんてのもあるんですが、これはもう普通にシューティングなんですよね。真面目にWiiザッパーが欲しくなるほどです。
 とは言え、全体的にはクリアのための条件が提示され、それを達成するために試行錯誤するのがこのゲームです。もし、他のゲームで例えるとすると、このゲームはインクレディブルマシーンの雰囲気に近いかもしれません。
 インクレディブルマシーンのような知的興奮に、Wiiリモコンを使った爽快感を加味して、さらに派手なエフェクトとSEで楽しませてくれる。一言で言えば、ブームブロックスはそんなゲームです。


 これはインクレディブルマシーとンの共通点でもありますが、ブームブロックスの白眉な点は、ゲームに「静と動」の両方を盛り込んだところですね。パズルを解くためにBGMが耳に入らないほど熟考する。そして、答えが見つかったら期待を込めて挑戦する。ブロックが吹き飛んでいく。楽しい!
 知的な興奮と、動的な興奮の両方を盛り込み、それぞれが交互にメリハリのある楽しさを与えてくれる。これは素晴らしいゲームデザインだなと自分は思います。スピルバーグ監督は、やはり只者じゃなかった!


 ブームブロックスでは、「静」の部分は、ブロックの配置を様々な視点で眺めたり、或いはボールの軌道、ブロックの崩れる動きを脳内でシミュレートすることです。
 そして、それらの計算が完了したら、今度は「動」です。TVにポインタを向けて目標となるターゲットを選択したら、Wiiリモコンを振りかぶり、今度は振り下ろすと同時にAボタンを離します。するとWiiリモコンを振り下ろした速度に合わせてボールがターゲットへと飛んでいく、という仕組みです。
 操作自体は非常に簡単で反応もいいです。ステージによってはターゲットをかなり細かく指定する必要があるので、そこでやや神経を集中させる必要がありますが、一度設定したターゲットはガッチリと固定されるので、リモコンを振り下ろす際に手ブレで的が逸れるということもありません。気合を込めてリモコンを振り下ろす。それだけで狙った意図を容易に実現することができます。操作は非常に直感的です。


 ところでこのゲーム、物理計算をふんだんに用いたパズルゲームなので、そこだけを見ると実は高度な演算ができるXBOX360PS3向きのゲームではあります。実際にゲームをプレイしていると、ブロックが崩れる際にやや処理がもたつくと言うか、キビキビと気持ちよくブロックが崩れずに間延びする箇所があるんです。
 ですが、もし、このゲームをそれらのハードでプレイした場合、最後にボールを投げる際には十字キーで的を定めて、決定ボタンでボールを発射、とか、そんな形になるんでしょうね。でもそれじゃあこのゲームは全然面白くないと思うんです。思いっきり力を込めてボールを投げつけるから、ブロックが吹き飛んでいくのが面白いんですね。
 とにかくパズルを解くためにプレイヤーは考えに考え抜くんです。そしてたった一つの解法がこれだと確信してWiiリモコンを構えてみても、果たしてそれが正しいかどうかは実際にボールを投げてみなくちゃわからないと。だからリモコンに少しでも力を込めて、ベストな結果が出るように祈るんです。
 Wiiリモコンをわざわざ振らなくても、ボタン操作でボールは投げられるとは思うんですよね。でも敢えてリモコン操作をプレイの締めに持ち込んだのは、そうすることでプレイヤーの抱く不安を喜びに昇華させられるからだと思うんです。自分が力を込めてボールを投げたから成功したんだ、と思えれば、やっぱりそれは嬉しいものですしね。開発者はそんなプレイヤーの心理の機微をよく理解しているなぁと思います。


 なのでやはりこのゲームは、Wiiでしか成し得ないゲームなんだと思います。非常に操作が軽快で、挑戦意欲を掻き立てる難問があって、何度も試行錯誤したくなる手軽さがあって、気づけばどっぷりとハマっている。そんなゲームです。
 それほど頻繁にリモコンを振るゲームではないんです。殆どの時間は、画面を睨みながらどうやってブロックを壊すか考えるのに費やされますからね。
 ですが、プレイしてみて自分はちょっとWii肉痛を感じています。それだけ力が込もってしまう、熱中してしまうゲームなんです。


 難点をひとつ挙げるとすると、各ステージにポインタを当てた際にステージがポップアップするんですが、それで他のステージが隠れて見えにくくなってしまうというのがちょっと気になりました。
 単純に次のステージ、次のステージと進めていく分には気にならないのかもしれないですが、全てクリアしたあとに「あのステージどこだったっけ?」と探して回る際にはポップアップが邪魔に思えるかもしれません。


 ゲームを始める前には気になっていたキャラのキモさというか、欧米風の濃さは、始まってみればさほど気にはなりませんね。背景で踊っているだけなので、まぁ、珍妙ではありますが、パズルが気になってそっちに目が行くことなんてホント少なくなりますし。
 ただまぁ、やはり日本では受け入れられにくい絵柄だと思いますし、パッケージもホント洋ゲー臭がプンプンで、店頭で手に取ったOLがそのままレジに持っていくかっていうと、疑わしいなと思わざるを得ないデザインです。その辺はお国柄もあるとは思うんですが、同社のぼくシムシリーズはうまくキャラデザインを万国向けに仕上げましたし、その手のノウハウをもっと生かしてもよかったんじゃないかなと思います。


 http://ecx.images-amazon.com/images/I/51JZvzi9-VL._SL500_AA280_.jpg


 これを見て、左のキャラが羊だってわかる人は少ないんじゃないかなぁ。まぁ、物理演算の処理を邪魔しないようにってことで、ポリゴンを節約してるのはわからなくもないんですが。


 あと、自分は2時間プレイして達成度が5%です。ここから単純に計算すると、このゲームには40時間ほどのボリュームがありそうで、パズルゲームにありがちなボリューム不足はひとまずなさそうです。とは言え、ゲームを続けていくと或いは内容が淡白に感じられたり、同じようなステージが続いて冗長に感じられたりするのかもしれません。その辺りは更にプレイを継続して確かめてみたいところですね。




 取りあえず最初の所感としてはそんなところで。まだまだゲームの入り口しか覗いていないような状態ですが、非常に手触りがよくて面白いゲームです。値段も小売希望価格4000円、店頭では3500円くらいかな、据え置き機のゲームとしては妙に安い辺りも好印象です。この辺もスピルバーグ監督の要望があったんですかね。
 ただ、知名度に乏しいので販売してる店が限られているのが難点でしょうかね。通販などを活用するといいかもしれません。


 なら、さらにプレイを継続した上でのレビューはこちらになります。こちらも参考までに。


 http://d.hatena.ne.jp/torinity0/20080822/p1


みんぽす