▼マイDSってそういうことか

 今日はDSiの「訊いてる社長に訊く」についてちょろちょろ書こうと思ったんですが、折良く任天堂中期決算説明会の動画が公開されたので、それについて個人的に気になった点をちょこちょこと書き出してみます。


 動画は非常にデータ盛り沢山で見ごたえがありますね。つーか、動画とグラフをこうやってリンクさせて表示させることにまず感動したり。これはわかりやすくていいなぁ。
 あと、こういう形式だと資料も保存しやすくて嬉しいです。海外のデータってなかなか出てこないのでねー。


 http://www.irwebcasting.com/081031/18/index.html


 19分辺りの「(北米市場は)スマッシュブラザーズXマリオカートWiiWii Fitの連続コンボが最も効果的に効いたマーケットで……」って下りで笑ってしまった。決算説明会で連続コンボって言葉、普通は出てこないよ!


 http://www.irwebcasting.com/081031/18/505df43b35/image/p52.gif


 個人的になるほど、と思ったのはDSiに関するこのデータ。世帯別所持数とユーザ数には齟齬があるとのことで、この齟齬を埋められたら大きなマーケットが生まれるとの話。
 まぁ、サザエさん一家に例えると、マスオさんに新居の建築を促そうって話ですね。「新居に移ると嫁姑の軋轢に悩まされなくても済むよ!」みたいなメリットを強調して、今までDSを借りて遊んでいた人達にも自分用のDSを持って貰おうってことです。


 うちの場合は、このデータ的に言えば、「世帯あたりの所有数」が2.0(旧DS&DSL所持)で、「世帯辺りのユーザ数」が1.0(自分だけ)。つまり、DSiの理念である「マイDS」ってのは、既に成立している状況にあるとも言えますね。
 だけど、世間的には、兄弟や子供、或いは親の持ち物としてのDSを借りて使用している環境が未だに多くあると。このギャップを潜在的なユーザと見なせば、DSの伸び代ってのはまだまだ存在するってことなんですね。
 このギャップにどれだけの規模の潜在需要があるかというと、決算資料によると日本で販売されたDSが2250万台とのことですから、ちゃちゃっと計算して1440万台の伸び代があるってことになります。まぁ、本当に一人一台のDSが実現すればそうなる、って仮定の話ですけど。
 今まで自分は「DSiってどうなの? 売れるの?」と思っていたクチですが、こういう販売戦略があったのか、ってのがわかって目から鱗でした。自分がDSiに未だ強い興味を持てないのは、前述の通り「マイDS」を既に実現しているからで、それがごくごく当然の反応なんですね。逆に「マイDS」を実現できていない家庭にとってはDSiは魅力的な提案……なのかな?
 DSiの新機能は確かに個人の嗜好が色濃く出るもので、特に音楽機能なんかは自分の好みを反映させたくなるとは思うんですよね。家族と共用して好きな音楽を入れて…… ってのは、よっぽど趣味が似通っていないとイヤになると思うんですよ。
 その辺りから、DSiの特性をもっと攻撃的に表現すると、「家族に共有させないハード」なのかな、と思います。これはちょっと意地悪な言い方で、こんなことを任天堂は実際には言いませんけども、でも、この表現の方が任天堂の意図、ターゲットは掴みやすいかな、と思いまして、敢えてこう表現してみました。
 まぁ、あとはやっぱりDSウェアに始まるソフトの充実が重要ですよね。DSの普及も魅力的なソフトの数々によってなされたものなので、DSiならではの革新的なソフトが生まれることを期待したいです。


 あ、でもDSiウェアは時刻表が何気にいいなーと思いました。Yahoo路線図くらいの機能があれば、東京に出かける時にマジで役立ちそうです。携帯でいいじゃん、って言われるかもしれませんが、まぁ、携帯持ってないのでねー。
 「メイドイン俺」は思っていたよりも敷居が高そうだな、と言う感じ。個人でグラから音楽からスクリプトまで書けってなるとちょっと厳しいな…… っていう。その辺、完成品だけでなく、素材のやり取りもできればいいのかなと思うんですが。
 でも、メイドイン俺自体はむっちゃ期待しているんですよ。岩田社長は、ユーザが創造力を発揮して、ユーザ同士で楽しむソフトを提案していきたいって言ってまして、その代表として「バンブラDX」と「Wii Music」と「ガールズモード(!)」を挙げましたけど、これ、自分全部発売日に買ってるもんな! 当然メイドイン俺に期待しないハズがないですよ。




 あと、何気に岩田社長が鬼だと思ったグラフ。


 http://www.irwebcasting.com/081031/18/505df43b35/image/p36.gif


 ファーストタイトルで比べるとか、データ出さなくても普通わかるじゃない! でも、MSとSCEのファーストタイトルがほぼ同じくらいってのは意外でした。もっとSCEのが少ないと思ってた……



 最後の岩田社長の言葉。


 「私たちは、これからもきっと非常識と言われるような提案をするでしょう。それが任天堂という会社のありようだと私は思っています。」


 うはぁ、岩田社長カッコよすぎる……! いやもう、久々に岩田社長の長話が聞けて満足です。ありがとうございました。