▼世界樹3体験会 樹海探索レポート

 改めて説明させて頂きますと、先日、アトラスより4月1日に発売される3DダンジョンRPG世界樹の迷宮3の先行体験会に参加してきました。順序としては、まず、実際の試遊の風景、感想をお伝えすべきではあったんですけども、自分の記憶力はどうも揮発性なもので、まずは正確さが求められるスキル情報から纏めさせて頂いた次第です。ご理解頂ければなと。
 さて、今回、都内某所で開催された体験会には応募した参加者の他、ディレクターの小森さん、キャラクターデザイナーの日向さん、デザイナーの横路さん、広報の方が同席しまして、あちこちから沸き起こる悲鳴(全滅的な意味で)とも相俟って大変賑やかな催しとなりました。


 試遊会場の一角には歴代の世界樹パッケージや関連商品が並び、それを眺めるだけで懐かしい思い出に浸ることができました。世界樹1の特典サントラ持ってないんだよなぁ。欲しいなぁ…… 

 先行予約特典のアウトテイクサントラもここには並べられていまして、こちらは表紙以外撮影禁止ということで中身がどうなっているかは実際に購入してからのお楽しみ……なんですが、今回はちらっと中身を覗いて来ました。ゲームの食卓でも触れられていたので、多分書いても問題ないと思うんですが、今回も日向さんのマンガがありましたよ。
 自分はケーキのイチゴは最後まで取っておく派なので、実際に手元に届いてからじっくりと楽しもうと思ってマンガは読んでませんが、なんか妙にボリュームが多かったような気が。気のせい?
 あと、某職業の見開きイラストなんかもありまして。自分はこの職業は初見から凄く気に入っていたのですが、ますます好きになりましたよ。割と自分はキャラの好みに関しては少数派であることは自覚しているので、同輩を増やすべく予約を呼びかけたいと思います。皆さん予約しましょう! そして同じ道に転びましょう!


 さて、前置きはこの程度にして、試遊のレポに移ります。電源を入れると毎回恒例の意味深なメッセージが流れてからタイトル画面が表示されます。
 今回のタイトル画面は2よりも1っぽい感じだったので、横路さんに「今回は横路さんのポリゴンキャラじゃないんですねー」と言ったら「ちょっとした仕掛けがありますよー」とのことでした。冒険に疲れた際にはタイトル画面をしばらく眺めてみるといいかも知れませんね。試遊中は忙しかったもので自分も詳細は確認していないんですけども。
 ゲームを始めるとまずはギルドの名前を決めることになります。今回、ギルドネームは船の名前に統一されて、例えば「レイディラック号のみんな!」的な呼ばれ方をするものと勝手に思っていたのでこれはちょっと不意を突かれました。ギルド名、考えてないよ!
 ちなみにここで入力したギルドネームは、大航海クエストの募集関係で他のプレイヤーの目にも留まることになるので、人に見られたら切腹したくなるような恥ずかしいネーミングをお考えの方は、決定する前に一度深呼吸することをオススメします。
 ほら、大航海クエストで大公開して大後悔したらたまりませんもんね!


 ……えっと、ちなみに日向さんのギルド名はいつもの感じでした。「最近、ネットを見て一番来たのがこれだった」とのことで。シリーズも3作目を数えるとネタ切れに悩むんじゃないかと心配もしましたが、どうやらそれも杞憂だったようです。
 あ、ギルド名は8文字まで入力可能です。確か、横路さんのギルド名も長かったので間違いないはず。
 さて、ギルド名を決めますと、次はキャラクターの登録に移ります。キャラクターの登録枠は前作と同じく30人。ざっと見ただけですが、目立った変更はなかったように思います。
 初期に選択できるのは既出の10職ですが、その下に明らかな2職分の空欄が。明確な答えを貰えないとはわかっていたので敢えて尋ねてはいませんが、隠し職業2つは確定ですね。
 早速キャラを作成。自分はファランクス、ウォリアー、プリンス、モンク、バリスタでパーティを編成しました。
 そうそう、ギルド名を登録したタイミングでリミットスキルを使うための秘伝書が貰えます。新要素が随分足早で出てくるのでビックリしましたが、同時にゲーム内マニュアルも貰えますので、後で落ち着いたところで情報を参照できます。
 ちなみにリミットスキルの設定は、スキルの成長・確認で使うCUSTOMコマンドで行います。前作までの画面遷移の前に一つウインドウを挟む感じなので見落とすことはないかと思います。
 パーティの編成が済んだらアーマンの宿でセーブ、ネイピア商会で買い物、ロード元老院でミッションを受領して樹海に向かうことになります。
 アーマンの宿は地味に「夜まで休憩する」がなくなっています。預かり所の枠は99個。今回も消費アイテムで埋めてしまいそうな気がします。
 セーブ速度は前作とほぼ同じか若干遅いくらいか。体感なので微妙ですが、待ち時間でイライラすることはないと思います。
 ちなみに今回の街の住人なんですが、こちらを適切に「冒険者」として扱ってくれるので非常に心が躍ります。駆け出しの冒険者なんてギルド長にとってはヒヨッコ、商店の娘にとってはカモネギ、酒場の主人にとってはシャッチョサーン。英雄候補生なんかじゃないんです。
 でも、新参の冒険者なんてぞんざいな扱いが当たり前なんですよね。一目置いて欲しければのし上がるしかない。「今に見てろよ」という決意を与えてくれます。どちらかと言えば、2より1の雰囲気が好きなマゾな冒険者にとって極めてここは快適な空間ですね。
 まぁ、無私の安らぎが欲しい人は宿屋の娘に会いに行けばいいのかなと。例によって見た目は笑顔な糸目の系譜ですが、今回は宿代もリーズナブルで、わざわざ勧誘した新人のダガーとサマーツイードを剥ぎ取って蹴り出すような外道に手を染める心配はなさそうです。
 さて、準備を万全に整えてから迷宮に足を踏み入れると、階層を俯瞰した一枚絵が表示されます。美峰さんの手による綺麗な背景は、今回ちょっと驚く演出がプラスされて華やかさが増しました。小さな変化ではありますが、新しい階層に辿り着く度にささやかな驚きが味わえそうです。


 迷宮に降り立った冒険者達は、まずは元老院から課されたミッションであるB1Fの地図を作成するために深緑の樹海を歩き回ることになります。タッチペンで描ける手書きマップは世界樹シリーズの大きな特色で、自らの手で描き上げた地図は冒険を安全に遂行するための重要な財産となります。
 前作は壁のラインを引く際、引っかかってしまうことがよくありましたが、今回はスムーズに線を引けて気持ちいいですね。世界樹の迷宮は、地図に触れる時間が多くを占めるゲームなので、意図通りに地図を描けることが地味ながら凄く重要なんですよね。目に見えない変化ではありますが長時間のプレイではジワジワと効いて来るので、改善は嬉しいところです。


 世界樹の楽しさについて触れる時、良く「マップを描くのが楽しい」と一言で纏められることが多いんですけども、一方でマップを描くのを手間だと感じる人もいて、これだけだと「実際触ってみればわかるよ」と言ってるのとあまり変わらないんですよね。
 「マップを描く目的」を突き詰めてみると、それは「マップを描くことで次の目標が明瞭になる」ことが大きいんです。マッピングは次の目標を簡潔に定めるための手段なんですね。
 面白いのは、自分でマップを描くことで「自分が次の目標を定めている」と思えることです。世界樹はシステム自体は割と古風なRPGではあるんですけども、「次はこっちを埋めようかな」と自分で目標を選択して挑戦する自由度を感じられるんですね。
 その上、手軽に進展が得られて、進捗が一目でわかって、描き方が自由で、完成したマップはずっと役に立ちます。ちょっとした手間で見事な地図が出来上がる。だからマッピングって楽しいんですよね。


 地図作成のミッション自体は、世界樹2と比べると格段に達成しやすくなっています。前作は、まぁ、「地図を描き上げるまで街に帰れない」という、全滅して地図を保存して再挑戦まで含めてのチュートリアルという感じでしたが、今回は街への出入りも自由ですし、ごく単純に地図を描き上げることが目的となります。


 さて、世界樹の迷宮シリーズは、3DダンジョンRPGと銘打ちながら、字義的な意味での「Dungeon」、「黴臭い石造りの地下牢を歩き回る孤独感、閉塞感」からプレイヤーを開放し、雄大な景色の移り変わりをジャングルクルーズのように楽しめる点が、まずは敷居を下げる上で大きな役割を果たしていると思うのですが、今回もまた、その精神はしっかりと引き継がれています。間違いなくここは「世界樹の迷宮」です。
 何と言っても樹海の鮮やかなこと! 静止画ではなかなかわかりませんでしたが、実際に歩いてみると樹海は緑一色ではなく、星を散らしたような様々な彩りに満ちています。
 具体的に言えば……キノコが多い! キノコ大好きデザイナー・横路さんの溢れる情熱が見て取れます。ちょうど近くに横路さんがいらしたので、ちょっとその辺を聞いてみたところ「水辺なのでね、キノコ増やして。一応、滝があるので」とのこと。確かに高温多湿なこの迷宮、菌類が繁殖するには申し分のない環境です。
 あと、開発が内製になったことで触感も変化しているのかな、と遊ぶ前は思ったんですが、目に見えた大きな変化はないですね。前作を経験した方は違和感なく遊べると思いますし、初めての方も触感でイライラすることはないと思います。


 今回は割と小イベントも多くて、ちょっと突き当たりに当たっただけでも色々イベントが起きたりしますね。横路さんにちょっと聞いてみると「今回は社内で開発してスタッフが増えたので。2よりもテキストが増えたと思います」とのことで。世界樹2は小イベントが充実していて楽しかったので今回イベントが増えたとしたら楽しみです。
 迷宮内の宝箱も2とはちょっと違っていて新鮮な雰囲気。謎の技術で宙に浮いてクルクル回ってた2の宝箱(真メガSJもそんなんだったような……)と比べると、今回は見た目は普通です。が、開いた時にリアクションがあるのが嬉しいですね。宝箱を開けた実感があります。
 ちなみに中身は100en、アムリタ、ネクタルなど。ブシドーの刀が入っていた前作と比べるとやや不況の影響が見えるような見えないような。


 そんなワケでおのぼりさんよろしくあちこち視線を巡らせながら樹海の深奥へと足を進めていくのですが、しかしながら冒険は観光旅行ではありません。冒険者の行く手を遮る獰猛な魔物があちらこちらに潜んでいます。画面右下のエネミーアピアランスがプレイヤーの緊張感の高まりと共に赤く染まるといよいよエンカウントが発生します。
 さて、今作のモンスター、デザインを担当されたのはお馴染みの長澤さんですが、今作のモンスターはペッタリとした塗りでコミカルさが強調されているように思います。ドッターさんが変わったそうなので、そちらの影響かもしれませんが。
 B1Fで出会うモンスターにはカエルの魔物がいるんですが、1と比べると違いがよくわかりますね。1の方は結構カートゥーンチックだった記憶があります。
 今回の最序盤の戦闘バランスは、小森さんが「メリハリを付けて優しいところは優しく、厳しいところは厳しく」と言っているように、従来のシリーズと比べるとやや大人しめな導入です。1回戦うだけで「宿に帰らないとマズい!」と思わせるほど追い詰められることはありません。
 ただ、それで調子に乗って奥にズンズン足を運んでしまうと、「厳しいところは厳しく」の意味する強敵に襲われ、手痛いしっぺ返しを食らうハメになりますし、なんとか逃げ延びても、生命線のモンクが死んでしまって途方に暮れることさえあります。
 そこはやっぱり3DダンジョンRPGの怖さなんですね。「まだ行ける」は「もう危ない」。賢明な冒険者として、押し引きのバランス感覚を強く求められるゲームではあります。
 そう言えば今回、戦闘時のメッセージ表示がスピーディになったのは大きな変更点ですね。気を抜くと誰の行動だったのか見逃してしまうことさえあります。
 自分は体験会に行く道すがら、復習する意図もあって世界樹2でガンナー5人旅の続きを遊んでいたんですが、世界樹2と比べると戦闘のテンポが格段に向上していてビックリしました。
 なお、強力なモンスターについては酒場「羽ばたく蝶亭」で噂話を聞けることもあるようです。今回の酒場は情報収集の拠点にもなるようで、ちょっとTRPGっぽい雰囲気がありますね。事前に存在を知っているとまずは遭遇した際に身構えるだけの余裕が生まれますし、情報収集は欠かさないようにしたいですね。無謀な冒険者を演じるのもひとつの遊び方かもしれませんが。


 魔物を倒すと確率でドロップアイテムが手に入ります。これを店に売ることで新しい装備が売り出されるのは今までと同様ですが、今回、職業が一新されたので武器種も少々変わっています。
 武器種としては、プリンス、ウォリアーが装備する「剣」、ウォリアーが装備する「槌」、ファランクス、ビーストキングが装備する「槍」、シノビが装備する「短剣」、パイレーツが装備する「突剣」「銃」、ゾディアックが装備する「本」、バリスタが装備する「弩」があります。ファーマーは色々。モンクは基本的に素手です。
 装備を整えるには素材とお金が必要になりますが、素材は調達するからいいとして序盤のパーティは結構な極貧です。そこで重要になるのがダンジョンの特定ポイントで素材を収集する「採集」です。採集は、売値の高い素材を一時に沢山集めることができます。
 さて、一見メリットばかりの採集ですが、前作の世界樹2では採集ポイントに罠が仕掛けられていました。自分も採集を始めたところで当時の苦い経験を思い出したので、広報さんにちょっと尋ねてみました。


 「今回は採集しても敵に襲われたりとかはしな……」
 「します……!」
 「しま……! するんですか!?」
 「そろそろ敵に襲われそうな予感がする…… !!ああっと!! って言われます……!」
 「そう言えば、さっきなんか出た……! やっぱり強いのが……!?」
 「強いのが……!」
 「なるほど……!」


 採集を続けていると時々「貴重な素材がありそうだけど、敵が近くにいるような気がする」的な警告メッセージが表示されます。前作では突然ガブリと噛み付かれたのに比べると今回の「!!ああっと!!」は若干親切ではありますが、これはこれで採集を続けるかそれとも止めるかで悩むものです。世界樹風に言うならば「君は採集を続けてもいいし、この場を立ち去ってもいい」という感じでしょうか。
 自分は幸運にも「!!ああっと!!」の悲劇に見舞われることはなかったので、敵の強さがどの程度かはわかりませんでしたが、この警告、2,3回採集するだけで頻繁に表示されるので結構なプレッシャーになったりします。
 ファーマーはレア素材の獲得率を上昇させるスキルを持っているので、パーティにファーマーを入れておくと手早く安全にレア素材を手に入れることができるでしょうね。今のところは使い道の見当たらない「道草」も、或いは「!!ああっと!!」率の軽減に役立つスキルなのかもしれません。



 さてさて、首尾良く地図を完成させ、無事に元老院への報告を果たすと晴れてミッションの達成となります。元老院からは報酬としてenが貰える他、大量のボーナス経験値も貰えます。ここ、前作までとはちょっと違う部分ですね。
 ミッションの達成で経験値が貰えるのって、なんだかTRPGっぽいですね。小森さんも言っていたんですが、今回はTRPGっぽさを意識した仕掛けが増えているように感じます。
 また、ボーナス経験値を貰えるのは達成報告をした冒険者なので、採集用のファーマーパーティなんかでミッション達成の報告をしてしまうと泣く羽目になるかもしれません。


 ミッションを達成すると続け様に海への出航が可能になり、某所で武器を強化するハンマーが貰えます。
 ハンマーは「攻撃力のハンマー」「防御力のハンマー」「盲目のハンマー」などの種類があり、空きスロットのある武器は所持しているハンマーの種類に応じて強化ができるようになります。
 複数のスロットがある武器に何度も同じ強化をすることも可能です。例えば空きスロットが3つある武器に「盲目」「盲目」「盲目」の強化を付加するなど。
 また、鍛冶にはお金と素材が必要となります。ハンマーは一度手に入れれば後は何度でも使えます。強化が可能なのは武器だけで防具はそもそも強化リストに表示されません。


 リミットスキル、鍛冶、航海、と今回追加された新要素の数々についてはゲーム序盤ですぐに触れることができます。新要素の解禁は想像以上に早いので、前作経験者でも新鮮さは十分に味わえますね。
 矢継ぎ早に新しい要素が追加されると混乱してしまうんじゃないか、とも思いましたが、要素一つ一つはルールも簡潔ですぐ飲み込めると思います。リミットスキルの登場だけはちょっと早いかな、という気もしましたが。パーティをこれから編成しようとしている時にそこまで頭が回らないというか。
 冒険開始直後にリミットスキルが必要な状況もそうそうないとは思うので、もう少し間を空けてくれても良かったかなと言う気もします。……と言っても、この後の大航海クエストではリミットスキルも重要な手札になるので、全く扱わないのも難しいところではあるんですけども。


 ということで、ざっと最初のミッション達成までの流れを書いてみました。一言感想を述べるとすると、「感覚は懐かしい。でも見るもの全てが新鮮!」と言う感じです。
 これは海都アーモロードという新しいステージのおかげもありますし、何より職業が一新されたおかげでわずかなスキルポイントをどう振り分けるか頭を悩ます楽しみがあるのが大きいです。魅力的なスキルも非常に多くて、どこから育てればいいのか検討もつかない有様ですが、それだけにLVUPの瞬間が楽しくて堪らないんですよね。「やった、やっとあのスキルを覚えられるぞ!」みたいな。
 世界樹の迷宮自体、初めて触れる人にとっては「新しくも懐かしいRPG」ではありますが、この世界樹の迷宮3は前作を遊んだ人にとっても「新しくも懐かしいRPG」なんですね。つまりそれは初心者も経験者も同じように試行錯誤を楽しめるということで、これってゲームとして凄く理想的な形なんじゃないかなと思います。


 一方で、今回の試遊では、マルチプレイを試遊する必要上、ゲームをある程度進行させる必要があったんですが、それを抜きにしても最初のミッションがクリアできずに四苦八苦してる参加者が多いように見受けられました。
 まぁ、これは単純に慣れの問題もあるとは思うんですけども、今回の迷宮がB1Fから川が流れているのがちょっと罠になってしまったのかな、という気もします。地図を描く際、壁には壁の線を引きますけど、川に壁の線を引くかどうかって躊躇うところだと思うんですよ。「川に壁の線を引く」って、日本語からしてちょっとおかしいですよね。ややこしい。
 まぁ、壁を引くか引かないかはプレイヤーの癖の範疇なんですけども、そこにゲームを進めるためのフラグを絡めてしまうと、ちょっとややこしいことにもなるのかなと。最初の1階くらいは、壁と道だけで構成したダンジョンの方がわかりやすかったんじゃないかなと、そんなことを思ったりもしました。
 尤もここまで色々と調整を重ねているとは思うので、内部的にはそれを踏まえた判定をしているのかもしれません。他の方が苦労していたのは違う理由によるものかもしれませんし、個人的にそう思った、という話です。


 あと、一つ自分が引っかかった点と言えば、コモンスキルの修得でしょうか。今回、全ての職業で共通して覚えられる「HPブースト」などのスキルは、コモンスキルとして通常のスキルとは別に扱われています。
 職業スキルとコモンスキルはそれぞれ異なるタブに格納されていて、Yボタンで表示を切り替えるんですが、UIに関しては前作と比べて変化が薄いので自分はタブの存在に気づかなかったんですよね。「ウォリアー」タブの横にコモンスキルのタブを意味する「コ」タブがあるんですが、「『]』ってなんだ? 鎧?」みたいに思ったりして。
 これ、タブを切り替えると「ウォリアー」「コ」から「ウ」「コモンスキル」という表示になります。省略するのは後々サブクラス用のタブが付け加えられるせいもあるとは思うんですが、シリーズ経験者は逆に見落としやすいかも知れません。「Y TAB」という表示は画面内にあるんですけどね。





 長くなりましたが最後にリミットスキルについて。リミットスキルはリミットゲージを溜めることで使用可能になる強力なスキルですが、通常のスキルとは多少運用方法が異なります。リミットスキルの修得には、まずスキルごとの秘伝書が必要で、この秘伝書は大航海クエストをクリアすることで入手できるそうです。
 また、リミットスキルは事前にキャラにセットする必要があります。リミットスキルはCUSTUMコマンドでいつでも付け替え可能で、どちらかと言えば装備の付け替えの感覚に近いです。
 リミットスキルをセットする際、複数のキャラクターを指定する必要があるものもありますが、使用に際しては誰か一人でもリミットゲージが溜まっていれば発動することができます。
 例えば「無明剣」はセットの際に3人のキャラを指定するリミットスキルです。これは一見、「3人で一緒に攻撃する合体技」に見えますが、実際は個別にリミットゲージが溜まったタイミングでそれぞれ「無明剣」を繰り出すことができます。同じタイミングで使えば「無明剣」3連打も可能ですが、小森さん曰く「リミットゲージが溜まったらすぐ使うのが効果的」とのこと。
 リミットスキルを使用するターンは、同時に通常のコマンド入力も行うことができます。リミットスキル自体は強力なスキルではありますが、単純に行動回数が増えるのも大きな強みです。
 リミットゲージを溜める方法は、従来のフォースゲージを溜める方法と変わりありませんが、リミットゲージは街に帰ってもリセットされないのが大きな違いです。その代わり、戦闘から逃げるとリミットゲージが大幅に減少(半減?)してしまうので注意が必要です。総合してみれば、前作のフォーススキルに比べるとリミットスキルは格段に使いやすくなっています。
 ここからは推測になりますが、リミットスキルの恩恵を最も受けるのは、自身にリミットゲージの上昇量が増えるスキル(名前失念……)を持つパイレーツでしょうか。さらに、もしリミットスキルをチェイスできたらパイレーツは飛躍的に攻撃回数が増加します。こんな感じで。


ウォリアー < 無明剣!
パイレーツ < チェイスセーバー!
ウォリアー < ブレイドレイヴ!
パイレーツ < チェイスセーバー!
プリンス < 無明剣!
パイレーツ < チェイスセーバー!
プリンス < ショートソード!
パイレーツ < チェイスセーバー!
シノビ < 無明剣!
パイレーツ < チェイスセーバー!
シノビ < 鷹乃羽!
パイレーツ < チェイスセーバー!


 鼻血が出るほどロマン過ぎますが、さすがにこんなチェイス祭りがありえるのかっていうと夢見が過ぎているような気もします。もし実現するなら、リミットスキルの使用には武器制限がないため、属性を揃えやすいのがさらに追い風になりそうです。
 現時点では割と不遇な扱いのパイレーツですが、リミットスキルの仕様次第ではとんでもない爆発力を秘めたアタッカーに化ける可能性があります。世界樹2のダクハンのような例もあるので、リミットスキルまで含めた検討をしてみるのも面白いかもしれません。


 あと、シノビが「忍術 分身」を使った場合、リミットゲージはどうなるんだろう? 完全にコピーするならやっぱり強いですし、本体だけ温存して分身だけリミットスキルを使うとかありなんだろうか……?