▼世界樹3体験会 海洋航海レポート

 B1Fの地図作成ミッションをクリアするとインバーの港から船を出航させることができるようになります。今回、新しく加わった海の要素ですが、これは海マップを移動する航海の要素と、強力な敵と戦う大航海クエストの二つの要素から成り立っています。
 言ってみれば、樹海の冒険要素、「探索」と「戦闘」をスッパリと二つに割って、「探索」に特化したのが航海、「戦闘」に特化したのが大航海クエストと言えるでしょうか。なので、航海中には海の魔物や海賊と戦うことはありませんし、大航海クエストは決定直後にボス戦が始まります。ダンジョン用とは別に海用のパーティを作る必要は特にありません。
 一見、大胆な割り切り方ではありますが、例えば大航海クエストをマルチプレイで遊んだとき、ボスの居城まで船を進める必要があったとしたら、船を動かすリーダーはともかく、他の参加者はその間、船員のロールプレイでもして暇を潰さなければならないので(それはそれで楽しそうですが)、シンプルに纏めたのは理に適っているように思います。マルチプレイってちょっとした相談だけでも結構な時間が吹っ飛んでしまうので、サクっと遊べることが重要なんですよね。
 要素が切り分けられた分、海はダンジョンに比べて手軽に遊べるように作られています。海に出なくてもゲーム本編はクリアできるそうですし、海のイベントはダンジョンに潜らないと進まないそうなので、海はダンジョンの従属的な要素ではありますね。
 そう言えば、「大航海クエストってどれくらい時間がかかりますか?」と聞かれた小森さんが「戦闘だけなので10分くらい。負けるときは3分くらい」って答えていたのはちょっと吹きました。いや、確かに世界樹ってそういうゲームなんですけど。


 さて、船を出すにはお金が必要です。船の装備が充実すればするほど費用も嵩むので、航海に専念する際には懐に余裕が欲しいところです。海では漁をすることでお金を得ることもできますが、それだけだと収入が不安定なので、安定した収入を上げられる採集の重要性は相変わらず高いです。
 魚を捕まえられる魚群ポイントは、POP率自体控え目なのと魚群が行動範囲外にPOPすることも多く、なかなか思うようには捕まえられません。基本的に魚群ポイントはランダムに出現するそうですが、高価な魚を取れるレアな魚群ポイントもあって、こちらは一度漁獲を得ると次はある程度日数を置かないと復活しないそうです。
 航海が赤字続きだと、運転費用を捻り出すために採集に精を出す必要もあったりして。海に出るために樹海に潜るのか、樹海に潜るために海に出るのか、なんだか主客が逆転しているような感覚に囚われることもあります。直前のミッションの報酬を使い切ってしまうと「折角海に出られるようになったのに、お金不足で航海できない!」なんて羽目に陥ったりしますよ。


 さて、「探索」の要素を切り出した航海なんですが、これは一言で言えばパズルゲームです。航海の楽しさは一言で言えば、ダンジョンでの「FOEの動きを読んで次の階段や部屋まで逃げ切る楽しさ」に似ています。
 世界樹の迷宮は、頭さえ使えば強敵であるFOEとの戦闘を全く回避して先に進むことができるゲームです。これまでも世界樹は、FOEの動きを読んで進むルートを見極めるパズルゲーム的な側面がありましたが、加えて航海では進める歩数も制限されているため、目的地までどうやって辿り着くか、海図と上画面を交互に眺めてルートを模索することになります。
 初期状態の船は食糧や装備が貧弱で遠くまで航海したり、沢山の魚を捕まえることができません。一直線に目的地に向かおうとしても、位置固定のバッドイベントに遭遇することもあります。「よし、これで行けた!」と思った瞬間に魔物に襲われて沈没することも稀ではありません。
 大目的を達成するためには、マップ上に点在するイベントポイントを探し当て、新しい装備を手に入れ、行動範囲を広げていく必要があります。このアイテムを手に入れて行動範囲を広げる感覚は「ゼルダの伝説」や「メトロイド」を想像して貰えばわかりやすいかもしれません。公式動画では海賊船を大砲で沈めるカットがありましたけど、あれは障害物として巡回している海賊船がいて、迂回していると食料がつきてしまうので大砲を入手して新しいルートを開く、みたいな流れなんでしょうね。
 イベントポイントは陸上に配置されていることが多いため、まずは目に見える範囲の小島や陸地を探索することになります。試遊の範囲では、何も目印のない海のど真ん中に重要なフラグが立つイベントが用意されていることはありませんでした。
 ただ、小森さん曰く「最初はじっくりと遊んで貰おうと思って、意地悪にしています」ということで。自分はノーヒントでなんとかなりましたが、参加者の多くの方がかなり苦戦していた印象があります。
 限られた食糧でより遠くを目指すには、海流を上手く活用することが重要です。提示される目的地は複雑な海流に囲まれているため、海流を正確に海図に描き留め、予測を働かせて着地点を見極める必要があります。


 航海は一歩一歩の緊張感が楽しいですね。自分はダンジョンの小イベントが好きなので、テキストが多いのも嬉しかったです。
 ただ、序盤の航海はイベントを順番通りにこなしていかないといけないので、正解だけ見るとルートが固定的で、アドリブ性が殆んどないんですよね。完全な詰め将棋というか。
 まぁ、序盤はチュートリアルを兼ねている関係で敢えて自由度を抑えているだけなのかもしれません。海ミッションとでも言うべき最初の目標を達成すると船の行動範囲はグッと広がるので、そこからは自由に海を巡ってイベントを探せるのかなぁと思っています。


 さて、航海をある程度進めると、今度は海の「戦闘」要素、大航海クエストを受領することができるようになります。既報のとおり、この大航海クエストはワイヤレス通信を使って最大5人までのマルチプレイが楽しめるほか、1人でも遊ぶことができます。
 ちなみに大航海クエストは一度クリアしても何度も挑戦することができます。撃破時に結構な経験値やドロップアイテムが貰えるのでキャラ育成に役立ちそうですが、クエスト受領時に毎回強制セーブが入る(シングルプレイでも)ので効率的にはどうかな、と思うところもあります。
 自分は多少時間が余っていたので、まずは一人で大航海クエストに挑戦してみました。「大航海クエストに挑むのにLVはどれくらい必要ですか?」と小森さんに尋ねたら「想定的に言うと、地図を書き終わって海に出たら戦えるぐらいの調整です」との答えを貰ったので、「よーし、挑戦してみるかー」と腕をまくったところ、「結構、苦戦して負けるんだけど、ちょっとLVを上げればいけるかな、くらいの」とさらに追加のアドバイスが。
 えーと、ちょっとそれは…… まぁ、今更引き返すこともできず、モノは試しと大航海クエストに挑戦することにしました。
 大航海クエストは普通のボス戦闘とはちょっと違っていて、戦闘にNPCがパーティに加わることがあります。なのでマルチプレイで大航海クエストを遊ぶ場合、参加できるプレイヤー数は「NPCを加えて5人まで」ということになります。ここはちょっと注意が必要ですね。
 さて、横路さんに見守られながら初めて挑戦した大航海クエストではこんな感じのやりとりがありました。


――「あ、これ、NPCが加わるんですね。」
横路「シノビのキリカゼさん。(サエーナ鳥を)倒さなきゃいけない理由があるから、手伝ってくださいと言う感じですね。」
――「へええええ。……この人、前衛に出てくれないんですね(笑)」
横路「あ、そうですね、はい。主張があって……(笑) オーナーなので。」
――「あ、そっか。なるほどー。」
横路「航海のお金とかも持ってくれて……」
――「パトロンなんですね(笑)」


 (パーティを決めてリミットスキルの選択)


――「リミットスキルって武器の種類は特に気にしなくてもいいんですか?」
横路「あ、はい。スキルは別なので。……攻撃の強いやつに攻撃系のリミットスキルをつけてる方がダメージをしっかり与えられますよ。」
――「(リミットスキルを選択して)……も、もう始まっちゃうんですね(笑)」
横路「はい。」
――「あ、じゃあ最初からリミットスキルを使える状態にして挑むのがいいんですかね?」
横路「そうですね。」
――「分身した! ……キリカゼさんは勝手に動くんですね(笑)」
横路「そうですね、はい。自分で使わない職業の使い方を知って貰おうという意味もあって。」
――「なるほどー!」


 (サエーナ鳥の攻撃を食らって早くもピンチに)


横路「最初は、(多分)やられると……(笑)」
――「これ、○○……! ○○が凄く長いんですけど!?」
横路「そうです。今回伸ばしたんです(笑)」
――「うわぁ……! これは圧倒的……!」
横路「(笑)」
――「ああ、死んだ…… これ、逃げられます?」
横路「あ、逃げられないんですよ。出港後にセーブしてるんで、アイテム使っちゃっても死ぬ前の状態に戻るので……」
――「(全滅して)あああああ、ホント強いわ……」
横路「攻撃パターンを、最初は、ね? レベルとか……コツ掴んで。」
――「なるほど……そうですね。……今回初めて全滅しました(笑)」


 さて、一人大航海クエストの反省を活かして装備を整え(小森さんの話では序盤は特に防具が重要とのこと)、今度はマルチプレイで体航海クエストに挑むことに。体験会では参加者に混じってディレクターの小森さん、キャラクターデザイナーの日向さん、デザイナーの横路さんも大航海クエストに参戦しました。
 小森さんと横路さんのキャラクターはLV30以上、日向さんはLV7くらい。自分はLV4でしたかね。小森さん、横路さんも交えた「とにかく勝ちたいチーム」と、日向さんや参加者オンリーの「ギリギリを楽しみたいチーム」に分かれてマルチプレイに挑戦することになりました。
 自分は最初、日向さん、横路さんと一緒にパーティを組みました。日向さんがバリスタ、LVが一番高い横路さんがモンク、自分はウォリアーでした。
 ちなみにマルチプレイの大航海クエストでは誰かが持っているリミットスキルならどれでもセットできるようです。横路さんが既にかなり強い状態だったので、選べるスキルが盛り沢山。リミットスキルの選択でも結構作戦会議が盛り上がって面白いです。


――「オススメスキルって何かありますか?」
横路「結構地味なんですが『防御陣形』とか。『守護陣形』か。」
――「あ、こんなにあるんですか?」
日向「攻撃を組み込みたいんだったら『無明剣』とか。」
――「これは誰にでもつけられるんですか?」
横路「はい。あ、じゃあ『無明剣』を揃えてやって、あと一人、そうですね、使えるやつを。全回復とか……」
――「全回復。『武息』?」
横路「『武息』、か、使えるやつが一人技しか入れられないので、多分今持っている一人技…… (『決死の覚悟』を指して)これいいんじゃないですか?」
日向「絶対死なない」
横路「死なない。1ターンは持つから(笑) あたしは『決死の覚悟』をモンクに入れて貰って、で、『無明剣』を……」
日向「モンクが死ぬと大変だから『決死の覚悟』をつけて。攻撃は3人で。」


 あと、戦闘中は他のプレイヤーがコマンド選択を迷っているところが見えたりします。これが何気に面白かったり。「日向さんのモンク、リザレクション持ってるんだー」みたいな。


横路「リミットがー、みんな溜まるタイミングで打つと3発打てるんですよ。」
――「溜まるのってどうすれば?」
横路「アタックとか行動でバトル中に溜まってくるので、あのー、3人技で、1人しか溜まってないときに溜まっている人が行動すると1回発動なんですけど、3人溜まるまで我慢して貰って『じゃあ、このターンで使いましょう』ってやると3発打てます。まぁ、今回、生きて帰るのが……(笑)」
――「まずそこから(笑)」
日向「生き残ることを、ね。」


 (分身したキリカゼを回復しようとする横路さん)


横路「あ、あ、間違えた。後ろを回復する……」
日向「キリカゼ勝手にやる(自分にメディカを使う)からね。」
横路「偉いですね。」
――「今回、メディカの回復量多くないですか? 80って。」
横路「結構LVが高いので……」
――「LVが影響するんですか?」
横路「LVでは変わらないですね。」
日向「今のメディカ2じゃないですか?」
――「よく見てなかった(笑)」


 確認したところメディカでした。前作は50回復だったので、ちょっとパワーアップした感じ。
 世界樹2の経験からすると、メディカは終盤までコストパフォーマンスが最良なので、回復効果が底上げされたんだとするとモンク抜きパーティの福音になるかも。まぁ、それ以上に敵が強くなってるかもしれませんが。


 さて、戦闘は横路さんの先読みラインヒールが、先読みどころの話ではない速さで発動してくれるおかげで大ダメージを受けても次ターンで即座に全快するゾンビ状態。攻撃のメンツは進度相応ではありましたが、全く不安なく戦えました。


日向「万全すぎましたね……」
横路「そう、ちょっとスリルが足りなかったですね。」
――「お、ドロップアイテムが。」
横路「これを売ると武器ができたりとか色々……」
――「三段突の秘伝書が貰えた。」
横路「キリカゼには物語があって……」
――「あ、これはまだ続くんですか?」
横路「まだ続くんです。キリカゼさんの旅はまだまだ続くんですよ(笑)」
――「これは一緒に遊ぶとレアドロップとか良く出たりするんですか?」
横路「うーん、でも、キャラ依存なので。」
――「ああ、なるほど。」


 こちらにはDQ9のようなマルチプレイならではの恩恵はないようです。なので、マルチプレイにはファーマーを連れて行くと喜ばれるかもしれないですし、ウザがられるかもしれません。ファーマーは諸刃の剣。
 ちなみにシノビのキリカゼさんは1ターン目は分身、2ターン目は回復、3ターン目からようやく動き出すのでちょっと出足が遅いです。自分以外のNPCが戦闘に加わるのは新鮮で面白いですが、ダメなNPCに足を引っ張られて苦労するんだろうなぁという予感もひしひしと。それもいつもとは違う雰囲気が楽しめて面白そうではありますが。


 さて、マルチプレイを一度終えてから他の人達が終わるのを待つ間、横路さんとすれ違い通信でのギルドカードの交換もやってみました。ギルドカードについては公式サイトのこちらのページも参考に。


 http://sq3.atlusnet.jp/system/sys03-3.html


横路「アイテム交換とかもあるんですよ。交易する、で……あ、ギルドカードの交換もできますよ。」
――「あ、やってみたいです。」
横路「すれ違いは滅多にできないと思うんですけども(笑) ……一旦閉じるといいのかな。」
――「あ、来ました。ギルドカードはどこで見られるんですか?」
横路「メニューにBOOKって項目があって……」
――「うわ、凄いLV(笑)」
横路「ダンジョンがADVENTURE、船がVOYAGEで…… 海にばっかり行ってる人は海のほうが凄く多かったり。」
――「これは何の数なんですか?」
横路「これはダンジョンに一回入ったら1カウント。海に一回入ったら1カウントですね。」
――「なるほど。……CHARTってのはなんですか?」
横路「海図ですね。海図の完成度。DISCOVERYは辞典の発見率みたいな。敵を倒した回数(ENEMYHUNT)と歩いた歩数(WALK)と今までにいくらお金を稼いだか(TOTALen)。あと、称号が下にあって……」
――「はい。」
横路「なかなか全部埋まらないと思うけど……」
――「じゃあ、結構難しい称号が?」
横路「そうですね。最終の…… はっ! (称号のテキストを見て)秘密が見えちゃうからダメ……」
――「あっ!(笑)」
横路「はっ! あはははは、ネタがバレちゃう……(笑)」
――「チラッ…… チラッとしか見てないので大丈夫です!」
横路「覚えてないですか?」
――「はい、忘れました!(笑)」


 貰ったギルドカードは取得している称号とその内容を見ることができます。なので、ギルドカードを交換する際にはネタバレにお気をつけください。


 さて、2回目の大航海クエストは日向さん(モンク)と一緒に適正レベルでの挑戦。自分は引き続きウォリアーを選択しました。他のメンバーはプリンス、バリスタ、シノビのキリカゼさん。


――「リミット使えますけど、リミット溜まっている人とかいます?」
日向「まだ、半分ぐらい。」
小森「リミットはね、溜まっている人がバシバシ使ってっていいですよ。」
横路「3人溜めた方が……」
小森「使える人が使うと。3人揃えるより別のタイミングで……」
――「使っちゃっていいですか?」
日向「どうぞどうぞ。」
――「じゃあ、使います。あ、リミットって通常の入力と別なんですか?」
小森「通常の入力とは別です。リミットと通常攻撃です。」
――「あ、そうなんだ。うわー、強……(ダメージを見て)……強くない(笑)」
小森「溜まったタイミングで使った方がいいです。」
――「なるほどー。」
小森「その後また溜まっていきますんで。」


 (サエーナ鳥の一列攻撃が前衛に直撃してパーティ半壊に危機に)


日向「あああ、しまったああああ! しまったあああああ!(笑) しまったっ!」
――「うわぁ、うわぁ、ヤバい(笑)」
日向「うっかり俺がATTACKを選んでしまったせいで、回復が…… 回復が……(笑)」
――「お願いします。お願いします。……助けて(笑) 助けてください。」
日向「(プリンスがメディカを選択したのを見て)素晴らしい……!」
――「あ、そうか。防御した(上で回復を待った)ほうがいいのかな?」
日向「あー、そうかもしれま、せん、が。」
――「じゃあ、防御…… 防御が大切なゲームだから。」
日向「そうですね。」
――「粘り強く……」


 (しかし、防御の上から攻撃されてウォリアー死亡。スカるメディカ)


――「あああああ! あはははは(笑)」
日向「ああああああああ! あっはっはっはっは(笑) 誰かネクタルを……」
――「あはははは(笑) 悲しい(笑)」
――「あ、俺(ネクタルを)持ってる。」
――「みんな、頑張って……(笑)」
日向「あ、待ってください、待ってください。あ、でもネクタル…… 僕、リザレクションがあるんですけど、LVが1なので1でしか回復しない。」
――「(笑)」
――「ネクタルもあるんで、ちょっとは……」
日向「あ、じゃあ、すいません。僕、ラインヒール使います。」
――「上手く順番が合えば……」
日向「ラインヒール今取ったばっかり。LVが凄い低い。」
――「(笑) 起上り小法師になりそう……」


 (ウォリアーは復活するも今度は後衛に一列攻撃)


――「おお、やっぱりメディカが強い。」
日向「立て直したい……」
――「腕封じ決まってくれないかな。」
日向「サンダーフェザー(雷属性の一列攻撃)辛いですねー。」
――「(アームブレイカー)LV2じゃ決まらないか。」
日向「雷系のガードがあれば……」
――「(攻撃を受けて)ぎゃー、キツいー! TP的に撃てるのは次が最後か。」
日向「(さらに攻撃を受けて)もう回復が追いつきません(笑)」
――「(笑)」
日向「全っ然追いつかない(笑)」


 (さらに続くサエーナ鳥の攻撃。ついにモンクのTPが切れる)


日向「間に合わねー。あー!」
――「アーウチッ! うわー、厳しいなー!」
日向「厳しいなあ……!」
――「何もできない。通常攻撃しか。」
――「アムリタ使います。」
――「あ、そういう手が。自分も自分にアムリタ使おう。」
日向「あはは、みんな回復(笑) 回復のターン(笑)」
――「ここは忍んで反撃の機会を……」


 (サエーナ鳥の攻撃でプリンスが混乱)


日向「おおおおお!?」
――「おおおおお、混乱した!?」
日向「あれ、(リフレッシュのLV)足りるかなぁ。あ、足りた。回復させます。……俺、回復できたっけ?」
――「(笑)」
日向「リフレッシュ、LV低い気がするなぁ。回復しなかったらごめんなさい。……もう後は総攻撃しかないような気がする。」
――「削りきれるかどうか……!」


 (サエーナ鳥の攻撃をギリギリで耐えるウォリアー)


日向「んんんんん! おおおおあああ!」
――「んんんん、残ったぁぁぁぁ!」
――「おおおおお!」
日向「おおお、(混乱から)戻った!」
――「素晴らしい!」


 (クリティカルを叩き出すバリスタ)


一同「おおおおお!」


 (さらに腕縛りを決めるウォリアー)


一同「おおおおおおおおお!(笑)」
――「わはははは!(笑) すげぇぇぇぇ(笑) 縛った……!(笑)」
日向「何気にリミットが溜まっている……(笑)」
――「おお、これ行けるんじゃないですか?」
日向「行けそうですね。」
――「マジで!? 凄い……!」
日向「総攻撃……」
――「無明剣!」
日向「けど、当たらない(笑) 当たらない(笑) ……あああああ、でも行ける行ける!」
――「おおおおお! すげぇ!」
日向「行ける行ける!」


 (そしてバリスタの最後の一撃がサエーナ鳥を撃ち落とす)


一同「うおおおお!? うぉおおおお!」
――「勝ったぞ!」
――「勝った!」
――「すげぇえええ!」
――「今、バリスタの最後の一撃が……」
――「でも、バリスタ、攻撃当たってない方が多いよね!?」
一同「(笑)」
日向「おいしいところだけ持っていくっていう。」
――「いやー、素晴らしい。」
日向「よかったよかった。」
――「これはチームワークの勝利ですね。」
日向「一回攻撃に振ってラインヒールかけられなかっただけであんなに……」
広報「一瞬の判断ミスが命取りです(笑)」
――「普通に負けると思いましたもん(笑)」
広報「(笑)」
日向「冷や冷やした。」
横路「良く持ちこたえましたね。」
日向「ラインヒール取っておいてよかった。」
横路「ネクタル重要ですねぇ。」
広報「重要でしたねぇ。」
――「はぁ、凄く緊張したので胃が痛いです(笑)」


 ……という感じで結構な熱いバトルになりました。終盤は本当に叫びまくりで奇声を上げまくってました。
 世界樹の迷宮は初代ディレクターの新納さんが「5ターン先の全滅が見えるゲーム」という表現をしていて、実際に遊んだらまさしくその通りで感心したものですけども、今回は本気で「5ターン先の全滅が見えた」戦闘でした。しかし、そこを耐えに耐えて逆転勝利まで繋げられたところがマルチプレイの面白さですね。
 多分、自分ひとりだとモンクのTPが尽きた時点で万歳突撃して終わってたと思うんですよ。アムリタを使うという発想自体がなかったですし、そもそも数が足りなかった。アムリタを使いながら「あー、2000en飛んでくなー。そう言えば、今作のアムリタって幾らなんだろ?」とさえ思っていたぐらいなんですよ。
 自分以外の仲間が何ができるのかわからない意外性がマルチプレイにアドリブ性を与えて面白くします。でも、意外性って逆に言えば不安定でもあるので、成功だけでなく失敗も一緒に楽しめる仲間内で遊ぶのがベターなのかなと思うんですよね。Wi-Fi通信で遊べたとして、「ネクタルを持ってくるのは常識」みたいな空気の中で遊ぶのはちょっと窮屈かなぁと思います。
 世界樹マルチプレイを遊べる環境ってなかなか難しいとは思うんですけども、一人ではなかなか味わえない、それこそTRPGのようなコミュニケーションの楽しさがあります。即席のパーティでも十分に楽しめるので、機会を探してでも遊ぶ価値はあると思いますよ。


 あと、マルチプレイの仕様について少々。コマンド入力後、各キャラの行動が処理される場面では、各プレイヤーの処理は同期されておらず、ボタンを押したタイミングで逐次進行します。
 なので、ゆっくりとメッセージを追っていると隣で「あっ!」とか「うっ!」とか声が上がって「ええええ、何が起こったの!?」みたいに急かされたりして。仲間が死んだり、敵を撃破したりとインパクトのあるシーンでもプレイヤー間でちょっとタイミングにズレが生じるので、そこは参加者の一体感をやや削いでいるように感じました。
 DQ9マルチプレイで遊んだ人にしか伝わらないような気もしますが、戦闘終了後、友達が「やったー!」って声を上げると「あ、レア出たんだ」ってわかってしまうあの雰囲気。嬉しいことは嬉しいんですが、同じタイミングで喜びを共有できたらずっと記憶に残る体験になると思うんですよね。そこはちょっと惜しいなぁと思った点です。
 あと、面白いのが、自分のキャラがHP限界までダメージを受けた時、他の人は「よしよし、良く耐えた」みたいに評価してくれるんですけど、自分でそのシーンを見ると「ぎゃあああ! もうダメ! もう死ぬ! 早く助けて!」みたいに取り乱してしまうんですよね。そこはやっぱり自分のキャラと他人のキャラとで思い入れが違うので起きる現象なんですけども、同じひとつの結果でも人によってまったく受け取り方が違っていて、それを間近に見聞できるのは本当に面白いです。仲間のリアクションこそがマルチプレイの楽しさの真髄だと思いますよ。



 さて、想定していたよりも随分長くなってしまいましたが、これにて全てのレポートは終了です。世界樹の迷宮3がどんなゲームか、どのように前作から進化したのか、少しは伝わったでしょうか?
 これまでの記事で体験試遊会の様子は大体お伝えできたかと思います。今振り返ってみても非常に濃密で、大変貴重な3時間半でした。
 発売までの2週間ちょっと。体験会では早解きを目的としてちょっと味気ない編成のパーティを編成してしまいましたが、その分、製品では趣味を存分に発揮できるパーティを組んでみたいと思っています。自分もパーティ編成については未だに頭を悩ませている最中なので、発売日よ早く来いと願いつつ、スムーズなスタートダッシュを決められるよう準備は万全に整えたいと思っていますよ。