▼ラジアントヒストリアの体験会に行ってきました

 先日は、都内某所で開催されましたアトラスの新作DSソフト、ラジアントヒストリアの体験会に行ってきました。
 これまでの体験会がアトラス社内で開催されたのに対して、今回はカフェで開催されたのが大きな特徴で、体験会の様子は一部Ustreamにてリアルタイムで放送されました。普段は試遊後の質疑応答を特に詳述していますが、今回の質疑応答に関してはそちらでも確認できるので、今回はゲームの触感に焦点を当てて色々と感想を書き出していこうかなと思っています。


 http://www.ustream.tv/recorded/10348525


 上記のアドレスは体験会の質疑応答の録画です。科学の力ってすげー。
 会場にはディレクターの平田さんが同席した他、ゲスト的にバトルプランナーの加藤さんやイベントプランナーの高森さんも出席されていました。加藤さんは初めてお会いしていたんですが、想像していたよりもかなりマッシブ。外が結構寒いのに半ズボンでサンダル履きとか流石だわーと変に感心してしまいました。
 ただ、お二方はピンポイントの出席だったのでお話を伺おうと思ったら既に退席後だったりも…… 加藤さんには色々とお話を伺いたかったんですけどねー。
 あと、高森さんに「渡邊さんですか?」とお聞きしてしまって申し訳なかったです…… あんなにメガネが特徴的な方なのに……


 ディレクターの石田さんとイベントプランナーの高森さん。広報の太佐さんもメガネで、考えてみるとUstream出演者はみんなメガネだったという。




 最初に表示されるアトラスロゴはAボタンでポチっとスキップできて、まずは好印象。起動までの時間はすこぶる早いです。全体的な触感はアトラスらしいサクサクとしたチューニングですね。ところどころ気になる点はありますが、それは纏めて後述します。


 ラジアントヒストリアの大きな特徴は、普段のアトラスらしからぬ濃密なシナリオ重視、イベント重視な内容です。ADV+RPGと言ってもいいかもしれません。
 アトラスのRPGってメガテンとか世界樹とかダンジョンを探索しつつ戦闘を繰り返して、ゴール地点に到達するとイベントが始まる、みたいな印象がありますけど、ラジアントヒストリアはかなりイベントの割合が多いです。イベントの合間に探索と戦闘がある、くらいの割合。
 さらに一回のイベントもテキスト量が多いので、いつものアトラスのRPGを想像しているとちょっと面食らうかもしれません。序盤なので特にテキストが多くなるのかな、という気もしたんですが、開発者の方にお伺いすると塩梅としては基本的に白示録を使ったイベント攻略中心のゲームなんだそうです。
 自分はどちらかと言えば戦闘と成長に傾斜したハック&スラッシュRPGが好きなので、イベント主導のRPGをあまり日頃プレイしないんですが、イベントとその他要素(戦闘、成長、探索)の割合はなんとなくゼノギアスを思い出す感じでした。ムービーがあるワケではないんですけどね(冒頭に動画コーデックの表示がなかったのでムービーは全編ないと思います)。
 テキスト自体は基本的に硬質でドライな感じ。滅びの運命を迎える世界観にもマッチしていてイヤミがないですね。あんまりキャピキャピしていたり軽かったりするテキストは個人的には苦手なので…… ところどころで若干、不自然な言い回しもありますが、これは細かくテキストを見る人じゃないと気づかないと思います。
 RPGのテキストの質については自分の中には評価の基準があって、大別して「町の住人の話が面白い」 > 「ストーリーラインが面白い」 > 「ストーリーラインがつまらない」と3段階あるんですけど、ラジアントヒストリアはストーリーラインについてはしっかりしているかな、という印象です。一時間程度遊んだだけなので全体の構成がどうか、みたいな評点まではさすがにできませんが、第一印象としては手堅い雰囲気です。
 町をかけずり回って住人全員に話しかけたくなるほど魅力があるか、と問われると、そこまではどうかなー、という感じですかね。ただ、町の男の子の「ごっこ遊びで女の子に敵国のプロテア女王役をやらせようとするんだけど嫌がるんだよー」的なセリフ。これは凄くいいなーと感じました。
 このセリフって、この世界の生活感が窺えると同時に、そのプロテア女王ってのはどんな悪い人なんだろうか、と興味を掻き立てられる一石二鳥のセリフです。町の住人のセリフに無理なく今後の伏線を仕込むのは上手いやり方ですよね。ドラクエのテキストなんかはまさにそれです。


 公式ブログなどでも触れられていましたが白示録での進行、目標の確認はかなり便利ですね。アイコン同士の間隔が妙に広いのが気になりましたが、間に色々とエピソードが入ってくるのかな。DSは画面が狭いのでアイコンぎっしりでもパッと見で全体を把握できるほうがいいんですが。
 バッドエンディング的なパラレルエンドも試遊中にひとつ見ました。とある選択肢で片方を選んだら唐突に「主人公の国は力及ばず滅ぼされました」な流れになってビックリしましたね。428なんかのADVのバッドエンドに近い感じですか。14へ行け。
 まぁ、別に全滅扱いというワケでもなく、そこからすぐにリスタート地点を選択できるので、プレイングの邪魔にはなりませんね。直後のイベントはXボタンで早送り、スタートボタンでスキップできますし。ちなみにパラレルエンドは白示録画面では赤いアイコンで表示されていました。
 あと、進行に応じた移動制限が多い印象です。目的地以外の場所に移動しようとするとメッセージで制止されたりとか。
 「正しい歴史を選択するための鍵がマップのどこかにある!」という場合、移動に全く制限がないと謎解きの難度が跳ね上がってしまうので適度な制限は必要ではありますが、「進行は一先ず置いて金稼ぎでもしようかな」と思い立ったときに、白示録でダンジョンに移動できる時間に飛ぶ必要があったりするのはちょっと手間だなーと感じました。
 自分が最初にADV+RPGと表現したのは、そうしたADVの楽しさを味わう都合が優先されているように感じたためです。これには好き好きがあると思いますが。


 本作の戦闘は伝統的なコマンドバトルに位置の概念を加えたグリッドバトル。敵を押し出して、引き寄せて、纏めてドカーンな流れはなんとなく三國志戦記を思い出しました。敵を纏めて殴るとダメージ効率も上がりますし、経験値やお金にもボーナスが入ってオトクなので、とにかく敵を一箇所に纏めて殴ることが有利なゲームになっています。
 「最初はグリッドバトルって難しいのかな?」とも思いましたが、序盤は使えるスキルが絞られていることもあって、把握はそれほど難しくないですね。チュートリアルもしっかりしてます。
 ただ、始めたばかりの頃は敵を左に弾き飛ばすスキル『レフトアサルト』を使う場合、「左? 左って自分から見て左? キャラから見て左? キャラが右向きだから左って画面奥? 手前? あれ?」みたいなことで戸惑うことはありました。落ち着いて画面を見ると矢印エフェクトがあることに気づくんですが。
 脳内で敵の弾き方を計算して、見事作戦通りに纏めて撃破できると嬉しいですね。敵のHPがゼロになってからもコマンド指定した分については最後までキッチリ追撃が入るので気持ちいいです。大勢がついて掃討戦になったらYボタン一押しでオートバトルに移行できるのもいい感じです。
 パーティキャラはLV1からMPが70点くらいあるんですが、スキルの消費MPは3点から、多くて8点くらいなので、バトルではもう通常攻撃なんて忘れてしまえ、くらいの勢いでスキルをガンガン使って攻めるスタイルになっています。
 アトラスのダンジョンRPGによくある道中のリソース管理の概念は今回は割と薄めですね。最初からTP回復のアイテムも店売りしてますし、敵から戦利品として得られることも多いです。
 回復スキルもありますが、回復は移動中に済ませて戦闘は攻撃に集中するのが基本ですね。回復する暇があるならその分殴ると。世界樹メガテンのように序盤から一撃でHPの1/3やら1/2やらの被ダメを食らうような機会はなくて、大体がHPの1/10くらいの被ダメなので、アトラスにしては丸い、スタンダートな戦闘バランスという風情ですね。その代わり、敵に行動ターンを渡して連続で集中攻撃を食らうと思わぬ痛手を被ることになるので、やはり先手をとってコンボを叩き込んで敵の戦力を削ぐことが重要ですね。
 「敵を纏めて倒す」要素だけだと「毎回手順が決まってしまって、パターン化、作業化してしまうんじゃないかなー」と最初は懸念していました。が、実際遊んでみると敵パーティは3匹4匹当たり前で配置もランダム性が強いので、一回のコンボでは仕留めきれないことが多いです。いかに敵の戦力を効率的に削るか、被ダメを抑えるか、工夫の余地があって頭を使いますね。
 戦闘については細かい仕様やコツなど色々と書きたいこともあるんですが、内容が細かくなりすぎるので既にアップされた動画を参考にまた別に記事を書きたいと思っています。仕組みはシンプルですけど工夫ができて面白いですよ、グリッドバトル。


 あとは全体的に「ここをこうしたらもっとよくなるのになぁ!」という箇所が幾つか散見されたので、書き出してみます。
 例えばテキストの表示速度変更ができない点。テキストの表示速度は基本的に遅めで、表示中にもう一度Aボタンを押すことでテキストが全表示される仕様ですが、メッセージを読み進める際にAボタン2度押しがデフォになってしまうのはちょっといただけなかったなと。テキストの表示速度を変更するオプションがあればなおよかったのになぁと思います。
 戦闘終了後、リザルト画面も経験値ゲットまでの流れが少々野暮ったい印象があります。勝利ポーズを待たずに並行して経験値バーが伸びる流れの方がスピーディでよかったんじゃないかなぁと。戦闘が全体的にテンポがいいので、余計にリザルト画面でテンポを削がれる印象があるのかも知れません。
 町での買い物、特に装備の買い替えで現在選択中のキャラが誰なのかが若干把握しにくく感じました。名前だけの表示ではなく、キャラのバストアップ絵を同時に表示するとか、スペース的に難しいならそれこそ顔絵だけでもいいので表示してくれればパッと見で把握できたのになぁと思います。


 懸案の足音ですが、やっぱり大きいです。SEのボリューム調整はできないので、全体を調整するしかないですね。BGMもそれなりに音量があるのでSEで潰されるってことはないです。慣れれば、まぁ、気にはならなくなりますかね。
 あと、初めて酒場に入ったときの話。細かいドットアニメで4人ぐらいの兵士がジョッキを煽っているんですが、ゴクゴクゴクゴクと音がするんですよね。「ああ、酒を飲んでいるSEなのかー。でも、ちょっと飲み過ぎじゃない?」と思ったらそのゴクゴク音(より正確に言えばドコドコ音?)は実は足音だった……ということがありました。
 SEと言えば、戦闘時のSEもちょっと気になるところ。カーソル移動時のSEはプレイングにリズムを作ってくれるので好みですが、一方で攻撃ヒット時のSEが小さくてか細い印象があります。せっかく敵を一箇所に誘導して会心のコンボを決めたとしても、SEに迫力がなくて十分なカタルシスが得られないことがあったのはちょっと勿体なかったですね。


 もう一つ懸案の移動画面でのストックのキャラパターンは、動画でも分かる通り、相当省略されています。斜め移動のグラフィックがないことは事前にわかっていたのですが、よく見たら左右移動時のグラフィックが左右反転で表示されているという。昔のスト2で「左右反転するとサガットの眼帯が入れ替わる」なんネタがありましたが、そんな感じでストックの盾も右に左に入れ替わります。
 その辺り、ディレクターにお伺いしたところ、背景にリソースを割り振った結果、キャラパターンを削らざるを得なかった、という話。言われてみれば、このゲーム、何気に背景が3Dなんですよね。白示録に移動すると3Dなのがよくわかるんですけど。
 背景を3Dで表示するメリットは、視点を操作しやすい、立体構造を扱いやすい、背景に動的な演出を組み込みやすい、という点が挙げられるんですが、基本的にラジアントヒストリアは俯瞰の固定視点のRPGなので、背景が3Dであるメリットって現時点ではさほど感じられないんですよね。ヒストリアの背景が凝っているのが目についた3Dならではの表現ではあるんですが、その結果キャラパターンがプアーになってしまうのはちょっとバランスが悪いような…… 今後、ギミック重視のダンジョンなんかが出てくれば、「なるほど、これは3Dじゃなきゃ!」と思えるのかもしれませんが、現時点ではちょっとバランスが悪いような気がします。
 逆に、戦闘画面では背景を凝る必要がないので、その分キャラパターンを充実させられるということでもあるんでしょうね。戦闘はキャラのドットが細かく動いて躍動感に満ちています。


 総評としましては、RPGとしての水準はクリアしているので、シナリオが楽しければこれは大きく弾けるタイトルじゃないかな、という印象です。操作などに若干の不都合はあっても全体として見ればそこはアトラス、ソツのない安定した仕上がりですし、戦闘も工夫の甲斐があると同時にシンプルに纏められていて好みです。SEやキャラパターンは、まぁ、慣れですかね。
 体験会だとどうしても時間の制限があるので、テキストをじっくり読めなかったり、スキルを開放するためのレベリングに時間を割いたりで、RPGで重要な雰囲気を味わう部分が軽くなりがちではあります。あと、開発の方に質問しながらプレイしていると、音楽に気持ちを集中できなかったりすることもありますしね。
 真・女神転生SJや、他社の製品で言えばゴーストトリックでそういう経験があったんですが、体験会と自分の家で横になってプレイするのではゲームから受ける雰囲気がかなり違ってきます。体験会では印象の薄かったセリフが妙に重みを感じるようになるとか。緊張もあって体験会ではセンサーの感度が鈍ってしまうんですね。
 音楽とテキストをじっくり味わえる空間だと没入感は全く異なってきます。下村さんの音楽は事前の期待通りでやはり素晴らしいので、そうなるとやはりシナリオ次第で傑作にもなりえるし、残念なことにもなりえる商品なんじゃないかなと思います。シナリオに関しては公式の高屋敷さんのコメントを読んでいると若干首を傾げるところもあるんですが、アトラス側からもかなりチェックが入っているようなので、高い完成度を期待できるんじゃないかなと。時間移動というネタ自体は他の媒体では難しいゲームならではの体験が味わえる題材ですし、ラジアントヒストリアもそれを活かしてくれることを期待しています。



 さて、最後に質疑応答終了後に個人的に気になった点について平田さんに色々と質問してみました。この部分はUstreamの放送から漏れている部分なので、ここに書き出してみます。あと、個人的な感想というか補足も付け足してみます。


―― キャラクターの斜め移動などキャラパターンが少ないのはどうしてですか?
平田 絵のリソースの問題で、フィールドのモデルとテクスチャに莫大にリソースを食っているんですね。正直もうあれ、カツカツなんですよ。あれでもマップの絵のデータを削っているんですね。ストックのフィールドキャラに関しては今回はゼルダ(ゼルダの伝説)のようなアクションゲームではないので。エンカウントするかしないかの部分だけでアクション的な駆け引き要素がないですから。なので仕様としては割り切ったということですね。


※ ちょっとこの辺、勘違いされやすいのですが、フィールドキャラのパターン削減はROMの容量不足ではなく、描画のリソース不足だそうです。ROM自体は真・女神転生SJと同じ1GbのROMを使っていて、それでも容量はほぼ使い切っているとのお話でした。自分もROMの容量は少ないのかなーと勝手に思っていたんですが、多分それって世界樹の迷宮1の印象が残っているんですね……


―― 戦闘スキル『レフトアサルト』は、キャラ視点では敵を左に動かすスキルですが、プレイヤー視点では敵を手前に動かすスキルなので、説明が呑み込みにくいように感じたのですが。
平田 あー、あれはもうね、とにかく悩みました。(プレイヤー視点かキャラ視点か)どちらがいいのかってのが喧々諤々で。やっぱりね、どっちも「こっちがいい」「いや、こっちがいい」ってのがあったんですよ。なのでもう正直決めきれなくて、(バトルプランナーの)加藤とも話したんですけれども、これはちょっと好みで決めるしかないかなと。で、僕はプレイヤー(※PC、プレイヤーキャラクター)から見た方向に一応決めたということで。どっちに決めても多分違和感が出る部分ではあると思いますけど、慣れれば状況は把握できるかなと。
―― スキル使用時に移動方向の矢印エフェクトが出ますよね。
平田 はい。一応それのフォローとして矢印が出ます。
―― ただ、キャラの下敷きになって矢印エフェクトが隠れてしまうので、もうちょっと矢印が見やすければよかったなと思いますね。
平田 あー、なるほどなるほど。
―― プレイヤーに臨場感を与えるためにキャラ視点にしているのかなと感じたのですが。
平田 そうですね、あくまで操作するのはプレイヤーキャラクターなので、神様の視点よりは出すキャラの視点から見たほうがいいと。僕は今の視点派で、僕自身は違和感はないんですね。


※ これ、一人称視点のデザイン(昔の話をすれば貝獣物語とか)なら視点の混乱は起きなかったんじゃないかなーという気はします。ただ、その場合奥行きがわかりづらくなる欠点もあるので痛し痒しなところも。位置関係を把握しやすいのはサイドビューなんですよね。ロックマンエグゼ流星のロックマンの違いというかなんというか。


―― 開発期間はどのくらいですか?
平田 純粋な開発期間は、えーっと…… 途中ちょっと色々な事情があって中断したりとかもしたんですけども…… 2007年から始まったので、3年くらい?
―― 真・女神転生ストレンジジャーニーが間に入っていたんですよね。1年半くらい。
平田 そうですね。他のラインの作業ともあったりしたので、純粋にみっちり3年間やったというワケではないです。
―― 中断前は加藤さん、世界樹の迷宮2をやっていましたよね。
平田 ……んー、僕はよく憶えてないんですけども(笑)
―― 最初からこういうチームで始まったんですか?
平田 100%今の形ではないですね。途中から必要に応じて合流したりとかしたので。


※ 開発が始まった流れとかディレクターに平田さんが就いた経緯とか個人的には興味があるんですが、その辺は今後ブログなりで紹介されるのかな。


―― 白示録を使ってボスキャラと何度も戦えるという話が先程質疑応答でありましたが、そうするとボスキャラからレアドロップを狙って何度も戦う、みたいなこともありますか?
平田 それもあります、できますよ。
―― ボスにレアドロップが設定されている、ということですね?
平田 ……あると思います。
―― (笑) 例えば倒し方で何か工夫が必要な…… 何かの属性で倒さないとドロップしないというようなことはありますか?
平田 それあったかなぁ……? 属性判定みたいなのはおそらくしてなかったんじゃないかなと。というのは、今回はグリッドの位置を見てコンボを繋げていくというバトルが主体なので、属性を意識させるバトルにすると従来の真・女神転生3ノクターンとかSJみたいな形になってしまうので、あまり属性を意識させるバトルにはしないで行こうと加藤と話したんですね。明確にラジアントヒストリアとしての自己主張というか、差別化をやりたいなということで属性に関してはあまり意識しなくても進められるようなゲームになっています、はい。
―― ははぁ、なるほどー。
平田 一応、毒に弱いとかはありますけどね。
―― ああ、アトラスのゲームってバステが結構強力ですよね。
平田 そうですね。そういう意味ではラジアントヒストリアも結構難儀な部分はあります。このバステ困るなーとか。
―― 加藤さんが作ると大体睡眠がクソ強いという(笑)
平田 (笑)
―― やっぱり今回も?(笑)
平田 でもまぁ、どうなんですかね、加藤くんも今回のターゲットは100%アトラスユーザに向けたバリバリのチューンナップではないと意識してたんで、そこはさじ加減でやってくれると思いますけどね。
―― そういうバステが得意なキャラっているんですか? こちら側に。
平田 明確にコイツがバステ専門キャラってのはいなくて、割とスキルの特徴の中でバステがつきますっていうのはありますけどね。
―― キャラの戦闘での役割の分け方ってのはどういう風に?
平田 色々なつけ方があると思うんですが、基本的にはキャラの見た目と設定の印象から攻撃方法を考えるんです。けど、そこからレベルデザインに応じて「ここのタイミングでこのキャラでこういうスキルがあるといいよね」とか「逆にこのタイミングで回復スキルを覚えていないとキツいだろう」という場面もあって。やっぱりそこのバランスで最初はどうしてもストック、レイニー、マルコで3人が一緒に行動を共にすることが多いので、ストックは攻撃役、マルコは回復役、レイニーは魔法、という役どころになって、設定的にもそこにうまく嵌め込めることができたって形になっていますね。
―― その3人がスタンダートというか、バランスの取れた編成ということですか?
平田 ……なんですけど、それをやってしまうと今度はレイニーとマルコとストックしか使わなくなるじゃないですか。なのでそこのバランスは取っているつもりです。つまり、他の特徴を持っているキャラだとか、レイニー達よりも強力な攻撃方法を持っているとか、マルコは例えば一通り何でもできるんだけど秀でたものがないとか、一応そういう風にバランスを取っていますね。


※ ボスキャラと何度も戦えると聞いて連想したのはまず世界樹のボスリポップでした。そしてアトラスと言えばバステ。熱い戦闘とレア収集が楽しめそうです。


―― グリッドバトルは主にザコ戦を面白くするためのシステムだなーと感じたんですけど、ボス戦でグリッドバトルはどういう風に活かそうとしたんでしょうか?
平田 基本的にはザコ戦の延長ですね。特にボスだから通用しないとかはないですけど。ただ、広いマス目のザコに対しては1箇所だけになってしまうので、例えば特定のスキルがなかなか使いづらいということになったりするんですけど、格別特にザコだからボスだからという明確な違いはないですね。どちらも同じスキルを使って同じ攻撃方法でやるというのは変わらないですけど、ボスはやっぱり非常に強いというか、ある種の壁のような存在だからインパクトを与えたいっていうのはありますね。


※ 試遊ではボス戦まで行けなかったのでボス戦の触感はよく分からないんですが、進行上の強制イベントで戦うボス格はめっちゃ強くて吹きました。あれもいつか勝てるようになるのかなぁ。


 ディレクターの平田さん、イベント終了後にも関わらず様々な質問に快く答えて頂きましてありがとうございました。右はUstreamにも出演していた広報の太佐さん。