世界樹の迷宮2・その1(1F)

 ソードマン♂ ベオの記憶


 目蓋の裏にちらつく光の残像など、とうに掻き消えていた。目元ばかりか頭蓋までを固く締め上げた革帯の束縛が消えると、頭部を苛み続けた疼痛が緩やかに抜けて、冷たい漆黒の闇に閉ざされていた視界に、樹林を遍く包み込む柔らかな光が流れ込んでくる。
 闇と光が溶け合って、交じり合って、そしてオレは自分を包む世界の姿を知覚する。
 ゆっくりと目蓋を開く。聴覚から視覚へ。嗅覚から視覚へ。触覚から視覚へ。朝の目覚めと同様に、より直接的で支配的な感覚を、オレは体の底から呼び起こすように獲得しなおす。
 目を見開いて、息を吸って、オレはようやく自分の居場所を認識した。
 『世界樹の迷宮』。数多の冒険者が踏破に挑み、そして志半ばで散った場所。オレは今、冒険者としての第一歩を踏み出した。




 「公宮を出てからどれくらい経つかな?」
 「およそ半日ほどでゴザルか。」
 「ったく、随分長く連れ回してくれたものね。」


 ようやく自由を得た四肢を思い思いに振り回しながら、オレ達は現状を確認する。世界樹の迷宮に眠る『諸王の聖杯』を探索すべく結成されたオレ達のギルド『バラック』は、冒険者の認定試験を兼ねた一つのミッションを公宮から受領した。
 その内容は単純にして明快。地図を描き、生きて街に帰ること。それだけだ。
 オレ達は手枷を嵌められ、目隠しをされ、まるで囚人のような為りでここまで連行された。そしてオレ達を連行した衛士は、意地の悪い継母が子供たちを放り捨てるように、至極冷淡にオレ達を樹海に捨て置いたのだ。足元に置かれた5本の薬壜は固パンの代わりなのだろうか?
 情報は不足している。補給も途絶えている。そんな状況でも独力で帰還を果たす。それが冒険者に求められる最低条件なのだとオレは解釈した。


 しかし、四方を埋め尽くす噎せ返るような深緑の世界は、そんな厳しい境遇さえ忘れさせてしまうほどの圧倒的な野生美に満ち満ちている。
 天上にひしめく樹葉に遮られながらも、森林を満たす光は目に眩しい。樹海は薄暗いもの、と聞いてはいたが、暗黒に閉ざされたままだった虜囚の行旅を思えば、まるでここは天界のようだ。オレは目を細めながら、四方を囲む豊穣の樹林を仰望する。
 そこでふと、オレはある警句を思い出した。樹海は初心な男を拐かす妖艶な敷女なのだ、と。


 一年の3分の一を雪と氷に閉ざされるこのハイ・ラガードの地にあっても、この世界樹の迷宮だけは、四季を通して生命の息吹に絶えない異質で神秘的な空間だ。樹海の外は、厳風の吹き荒ぶ不毛の大地であるにも関わらず、この樹林の中だけは、まったく季節感を欠いた常しえの夏が続いている。
 なぜ、この世界樹の迷宮だけが恒久的な夏のみを繰り返しているのか。その理由を知る者は誰もいない。
 そして、その謎を解き明かすためには、迷宮の最奥にまで踏み入らなければならないのだろう。遥か彼方の天辺。太陽に最も近い世界樹の枝先まで。


 ともあれ、外界とは隔離されたこの豊穣の空間は、それだけに多くの生命を胎内に宿してもいる。樹海の恩恵を受けるのは何も人間だけではなく、公国の誕生より古くからここに根付いている数多の生命が、互いに互いを貪りあうことで、生存に適した肉体を構築し、その領域を伸張させ続けてきたのだ。
 一般に『魔物』と呼ばれるそれらの生命体は、樹海の外部ではまるで見ることのない不可思議で危険な外見と生態とを併せ持っている。樹海の外では宙を舞って花々と戯れる紋白蝶でさえも、この樹海においてはその翅一枚一枚を馬車の車輪ほどにも膨張させ、下唇を牙のように突き立てて獲物の体液を啜る捕食者へと変貌する。
 樹海は恩寵に満ちた大地であると共に、過酷な生存競争の場でもある。樹海の権力闘争の只中から逃げ出し、辺縁部でひっそりを上澄みだけを掬う人間にとって、樹海は餓えた胃袋を抱えた野獣であり続けるのだ。
 それを忘れてはならない、と人々は警句を発したのだろう。樹海は決して永久の楽園などではない。


 「ベオ! ちょっと聞いてんの!?」


 不意に耳を掴まれたオレは、そのまま鼓膜を叩き破らんとする圧倒的な怒声に慄いた。脳天にまで貫通するその甲高い声に、オレは平衡感覚どころか一瞬意識まで失いかける。
 耳慣れた声の主を振り返ると、彼女…… ミレッタは、形の良い眉を酷く顰めたまま、まるで栗鼠のように頬を膨らませている。


 「ご、ごめん。聞いて、なかった。」
 「ったく、物思いに耽るのも大概にしてよね。ここは樹海なのよ。ベッドの中じゃない。そこんとこわかってんの?」


 野伏として日頃から樹海に立ち入るミレッタにとって、樹海は既に鑑賞の用を終え、平易な日常として消化されてしまったのだろう。彼女が気を尖らせているのは、妖美に潜む恐ろしさを知っているからこそなのだ。
 オレは慌てて表情を正す。そうだ、ここは樹海なんだ。四方の茂みのどこにでも牙と爪を光らせた魔物が潜み隠れている。それを忘れてはならない。
 油断などできない。隙を見せれば即座に命を奪い取られる。樹海とはそんな害意に満ちた場所だ。
 樹海は初心な男を拐かす妖艶な敷女なのだ。オレはその言葉を口中で繰り返す。


 「初心であれば、それも詮無きこと。ベオ君、樹海に足を踏み入れた感想はどうかね。」


 鉄鎖を鳴らしながら、滑るようにこちらに歩み寄る黒衣の男は、オレ達のパトロンであると当時に同伴者でもある痩せぎすの呪い師だ。その名前をノワイトという。


 「なんだか、地に足がついてないような気分かな。公国にこんな場所があったってことが、まず信じられなくて。」


 オレは思ったとおりのそのままを呪い師に伝える。彼は小さく頷いてから、オレの眼球を通して脳内を覗き込むかのような、深遠な眼差しでこちらを見据えた。


 「なるほど、君にとっては樹海こそが約束の地なのだろう。夢見心地に陥るのも無理もない。しかし、少し落ち着きたまえ。それでは先が保たない。」
 「は、はぁ。」


 自分では落ち着いているつもりなのだが、気づかない内にオレの心と体は強張っていたようだ。言われてみれば頬が少し熱を帯びているような気もするし、幾分か気も漫ろかもしれない。


 「余計な力が入りすぎているのです。樹海と一体になりなさい。身体の内と外には壁など存在しないのですから。樹海より気を得て、樹海に気を返奉するのです。」


 助言を発したのは、幾何学的な紋様の描かれた大仰な肩当が目立つ長身の女性、ユーディットさんだ。彼女は実の兄であるノワイトさんの傍に控え、黒檀の杖に体重を預ける呪い師の腰に手を添えている。


 「あの女の言葉、意味わかる?」
 「イマイチ……」


 彼女は、万物に根付く生命の力を使役する巫術の使い手なのだという。それだけを聞くと随分と神秘主義めいた話にも思えるが、彼女は元々は医師を志していたそうなので、彼女の体得した巫術にも一応は論理的な裏づけがあるらしい。
 だから少なくとも(地方の豪族の幾許かを死に至らしめたという)瀉血療法などという黴の生えた迷信を実演することもないのだろう。奇妙な色の薬液を飲まされるくらいの覚悟は必要かもしれないが。


 とは言え、体に力が入りすぎているのは指摘通りなのだ。オレは森林を満たす清浄な大気を胸一杯に吸い込み、胸郭に溜まった外界の大気をゆっくりと吐き出す。少しだけ樹海が近しく感じられたような気がした。




 「途中で小川に沿って進んできたわよね。せせらぎが聞こえたから。」
 「風は始終感じられた。すると私達は樹海の辺縁部を歩んでいたことになる。」
 「花畑を一度通ったはずです。『毒吹きアゲハ』の好む花の匂いが強かったのを覚えています。」


 白紙の地図を覗き込むようにして、皆は現在位置について諮りあう。制限された感覚の中で拾い集めた情報を引き出し、繋ぎ合わせ、突き合わせるのだ。
 しかし、そのどれもが決定的な情報としては決め手に欠けていた。茫洋とした方向感覚こそ掴めるものの、具体的な道順など視覚無しには記憶することもままならなかったのだ。


 「そう言えば、ナガヤ。アンタ、前にも試験を受けてるハズでしょ? だったらアンタが一番良く知ってんじゃないの?」
 「そうか、先生は以前も樹海に挑戦していたんだっけ!」


 期待を篭めてオレは先生に向き直る。突如として名前を呼ばれた武士道の男は、ああ、とか、うむ、とか、漫ろな返事を紡ぎながら視線を辺りに巡らし始めた。


 先生…… ナガヤ先生は、公国で私塾を営む武士道だ。オレもつい先日まではその私塾の一講生だったので、彼のことは敬意を篭めて先生と呼んでいる。
 戦災を逃れて公国に辿り着いた先生は、かつては冒険者として樹海に立ち入っていたそうだ。その際に大きな怪我を負い、一時は冒険者の道を諦めたそうだが、皮屋の徒弟のジャック曰くその剣技は東方で言うところの刻舟求剣…… つまり北海に浮かぶ巨大な船さえもバラバラに切り刻むほどの腕前なのだとか。
 残念ながら、オレは未だに先生が刀を振るう場面に立ち会ったことがないのだが、この先オレ達は様々な局面において、数多の艱難辛苦に磨かれた先生の経験に助けられることになるだろう。
 そして、その端緒となる理知に溢れた助言は、きっとこのミッションの成功を確約するに違いない……


 「まぁ、そのー、えー、でゴザルな…… 確かに拙者はかつて樹海に立ち入ったのでゴザルが……」
 「なーんかハッキリしない言い方ねぇ?」
 「えーと、その…… そう! あまりに過日の記憶ゆえ、拙者も亡羊としか覚えていないでゴザルよ! アッハハハ、これは参ったでゴザル!」
 「嘘でしょ。」


 間髪入れずに叩き込まれたミレッタの鋭い指摘に、先生は二の句を失って目を泳がせる。


 「ナガヤ、今は遊んでる場合じゃないの! さっさと吐きなさい!」
 「ううう、されど……」


 憤懣やるかたなしといった風情で、ミレッタは高圧的に先生に詰め寄る。今は経験者の助言が欲しい局面なだけにその気持ちもわからなくもないが、少々強引なやり方ではある。
 しかし、普段ならば子供たちの微笑ましい疑問にも懇切丁寧に対応する先生が、ここに来て返答に詰まるというのは、些か奇妙な反応ではある。先生には、何か疑問に答えられない事情でもあるのだろうか?


 「まぁ、待ちたまえ、ミレッタ嬢。」


 2人の間に割って入ったのはノワイトさんだった。彼は黒檀の杖の先端を向き合う二人の胸先に差し挟んで、今にも先生に掴みかかろうとするミレッタに制止を掛ける。
 一方で『ミレッタ嬢』などと耳慣れない呼び方をされた彼女は、この突然の闖入に目を白黒させていた。


 「この冒険は私達の冒険だ。ナガヤの経験にのみ頼っては本道に外れよう。」
 「……独力で歩いてみせろって言うの? こんな悪条件ばかりで!」
 「この程度のミッションに膝を屈するようでは、樹海の踏破などままならぬ。」
 「あっそ! だったら諦めればいいじゃない! 五体満足ならまだ儲け物だわ!」
 「ミレッタ! やめろ!」


 ユーディットさんが腰に帯びた小剣に手を伸ばしかけたところでオレはミレッタに制止を掛ける。『鋼の棘魚亭』の再現などまっぴらだ。
 彼女はなおも抗弁を続ける姿勢を見せたが、やがて顔を逸らすと鼻息荒く小石を蹴り飛ばす。そんな彼女の態度にオレは深く嘆息する。
 彼女が冒険に、そして冒険者に、極めて強い負の感情を抱いているのは知っている。彼女はそれでも精一杯オレ達の力になってくれようと努力している。それもわかる。
 だけど今、全員の協力が必要なこの時、敢えて和を乱すような振る舞いはやはり感心できるものではない。仲間を信じられなきゃ冒険なんかできやしないんだ。そう、オヤジはよく言っていた。


 「ミレッタ、今は皆で協力して樹海から抜け出さなきゃならない時だ。」
 「だからナガヤに尋ねてるんじゃない! なんで止めるのよ!」
 「生きて帰るためだ!」


 未だこちらを振り向かない彼女の肩が、大きく震えた。


 「ミレッタ、お前は最初言ったよな。冒険者は生きて帰らなきゃ意味がないって。その通りだよ。オレもそう思う。だから、今はそれだけに集中しよう。その為にオレは全力を尽くす。お前の力も貸してくれ。」


 ミレッタは小さく舌打ちをして、そしてこちらに向き直る。とは言え未だにこちらに視線をあわせようとはしないのだが。
 オレは彼女の両肩を掴んで無理矢理にこちらを振り向かせると、彼女にだけ聞こえるように小声で囁く。


 「先生にも何か考えがあるんだよ。埋め合わせはオレがする。それでいいだろ?」
 「ベオ、きっとナガヤはあの呪い師に篭絡されたんだ……! アタシは、アタシはあの男だけは信用できないよ……!」
 「だとしても今だけは協力して欲しい。街に帰ったらバラックを抜けてもいいんだ。」
 「それだけは、イヤ……!」


 かねがね不思議に思っているのだが、ミレッタは冒険者に露骨に拒否反応を示すくせに、なぜか彼女自身が冒険者を辞めるという選択肢だけは頑なに拒絶するのだ。
 もう少し正確を期して言うならば、彼女はオレに「冒険者を諦めろ!」とは忠告する。でも自分から「冒険者を辞めたい!」とは言い出さない。この矛盾は一体なんなんだ?
 ミレッタの二重基準の原因について思考を巡らせていると、突如、手を振り払ってミレッタが叫んだ。


 「もういい! ナガヤなんかに頼ろうとしたアタシがバカだったってこと! あとはアンタの言う通りよ!」
 「ミレッタ……」
 「色々とね、思うところはある。正直ね。でも、今が大事な時だってのはアタシにもわかる。」
 「ミレッタ、無理はしなくていいんだぞ。」
 「無理はしない! 我慢もしない! アタシはアタシのやりたいようにやるだけ!」
 「……まぁ、ちょっとは遠慮も覚えてくれ。」


 空元気かもしれないが、ミレッタにいつもの調子が戻ってきたようで少し安堵する。とは言え、樹海に踏み入ってからの彼女はどこか情緒不安定だ。気を配ってやれるのはオレだけしかいない。注意する必要があるだろう。


 「ベオ殿…… その…… 拙者は……」


 先生は、その巨躯にも関わらず、喧嘩に負けた小犬のように体を縮め、面を伏せ気味にして上目遣いでこちらを見ている。


 「先生、頑張ろう。今はそれを約束して貰えれば十分だから。」
 「……かたじけないでゴザル。」


 先生が口を閉ざす理由は未だによくわからない。だけど先生がオレ達に仇為すなんて絶対に考えられないし、先生自身だって冒険の成功を心から願っているハズなんだ。
 だからオレは先生を信じる。仲間を信じる。冒険はそこから始まるものだから。


 「話し合いは済んだかね。」
 「ええ、お待たせしました。」


 ミレッタの推測が確かならば、先生の沈黙にはノワイトさんが一枚噛んでいることになる。そして、彼女の言葉が的を射ている可能性は確かに高いようにオレには思える。
 ノワイトさんにとって、オレは代替の利く冒険者の一人に過ぎない。『諸王の聖杯』の発見と入手さえ叶うならば、何もオレ達に同行する必要性など端からありはしないのだ。
 だからノワイトさんは、このミッションを通じてオレ達の力量を見極めようとしているのだと思う。そのために先生の口出しを封じたのだと思う。


 まぁ、いいさ。それがノワイトさんの望みだって言うのなら。オレの器量を計るというのなら。
 だったらオレは、このミッションで証明してみせる。オレ達の冒険者としての資質を。そして、オレ達が共に迷宮を歩むに値する仲間だってことを。






 それっぽく書いてはいるんですが、実はプレイ前に書いたものです。impressTVの動画を見てたら妄想だけが一人歩きしてしまいました。
 なので、色々と実プレイとは異なる部分があります。花畑とか通らないしね。目隠しとかあるワケでもないしね。衛士は親切だしね。
 あ、でも自分の話のNPCは、みんなこんな感じで至極冷淡な連中ばっかになると思います。今回、ゲーム内のテキストを改めて読んでみたんですが、あのホンワカとした雰囲気はなんか肌に合わなくて。
 衛士が「世界樹の迷宮にようこそ!」なんて言い出した時はマジでビックリしました。1度プレイしたハズなのにそれってのは、あまりに衝撃的過ぎて脳が記憶を拒否ったのかもしれません。
 世界樹の迷宮2は、前作に比べて随分と雰囲気が柔らかくなった印象があるのですが、自分とこは相変わらず前作っぽいヤサグレた雰囲気が続くと思います。慣れないことをやっても無理に続かないしね。
 まぁ、世界樹2らしい雰囲気を再現した物語は、他の方が綴ってくれるものと期待してますので、自分は遠慮せずに脇道を爆走してもいいかなとか。相変わらず自分解釈で好き勝手やっていこうと思います。




 さて、世界樹の迷宮冒険者がまず真っ先に遭遇する困難。それが大公宮から下される地図作成のミッションです。これはお話的には有象無象の冒険志願者を、公的な冒険者及び公国民として選別するための試験としての体裁を取っていまして、無事に地図を完成させて街に帰ることがその要旨となります。
 さて、ゲームデザイン的には、このミッションは世界樹の迷宮2の最大の特色である『手描きマッピング』について、ユーザに慣れてもらう趣旨で置かれた一種のチュートリアルです。一見して似たような光景の続く3DダンジョンRPGにおいて、現在位置を確認するためのマッピングは極めて重要な作業です。このミッションでマップの描き方を学び、以後の冒険の役に立てましょう。
 マッピングについては前作に比べて使えるアイコンが多数増加したほか、インターフェースが洗練され、さらに快適なマッピングが楽しめるようになりました。
 世界樹マッピングはタッチペンを滑らすシャーッシャーッて感覚が凄く心地よくて、世界樹プレイヤーの多くがタッチパネルに格子状の痕跡が残るほどのめり込んでしまうシロモノでした。世界樹2が発表される前は「単純にダンジョンだけ取っ替えた作品でもいいから出してくれ!」なんて声もあったぐらいで、少しずつ少しずつ、自分だけのマップが出来上がっていく楽しみはダンジョンを踏破している確かな実感が味わえます。それだけに、世界樹2でまた新たなダンジョンに挑めるのは非常に楽しいですね。


 惜しむらくはこのマップ作成、バグらしき動作でスムーズに壁線が引けない箇所が多々あるということで、プレイを始めた当初はタッチパネルの認識がおかしくなったのかな、と思ったものでした。DSが発売されてから結構経つので、そういう話も最近は聞きますしね。
 なので、マップを思うままに描くあの手触り感が悪化してしまった、と言うのは今作で自分が一番残念に思えた部分でした。正直、ゲームバランスとかスキルのバグとかよりももっと。
 GDCだかでもそんな報告があったので、ちょっと不安には思っていたんですけどね。うむむむむ……