Elonaに激しくハマってます

 PCが新しくなって、そう言えば一度触ってみたかったんだよな、と思い出したゲーム。それがフリーの国産ローグライクゲーム、Elonaです。


 公式サイト http://homepage3.nifty.com/rfish/index.html
 Wiki http://elona.wikiwiki.jp/


 Elonaは、昔ダウンロードまではしたんですが、その時は、あんまりにも重すぎてプレイできなかったんですよね。外観からは色々と遊べそうで雰囲気がよかったんですが、何分環境が整わなくてプレイできないと言う状態でした。
 ってのは、このゲーム、凄いグラフィックが充実してるんですよね。と言っても、3Dでグリグリとモデリングを動かしているとかそんなんじゃなくて、RPGツクール用か何かのフリー素材のドット絵を使ったSFC風の絵面なんですが、視界の処理やらが必要な関係で、結構重くなるんです。その分、見栄えのするゲームでもあるんですけどね。


 まぁ、ローグライクゲームって、基本的には「@」が主人公で、「:」を見るとヨダレが出てきて、「D」とか見ると逃げ出したくなるとか、そういうゲームですよね。この意味が通じる人しか遊べないと言うか、パッと画面を見て「意味わからん!」って投げ出したくなるゲームの筆頭ではあります。
 自分は比較的キャラドットが用意されてる「変愚蛮怒」は結構触ったんですが、それ以外のキャラクタベースなローグライクゲームはもう心が折れてしまって、やっぱりそういう文化をリアルタイムで経験していないと、これはどうしようもないんだなぁと半ば諦めています。
 なんかいきなり「アメリカの食生活に慣れろ!」って言われるみたいな感じで。毒々しい色のゼリービーンズとか、まず見た目から受け付けられないのと一緒ですよね。


 そういう意味で、Elonaはグラフィカルな敷居は凄く低かったです。普通にRPGに挑む気持ちですんなりとゲームを始めることができました。
 が、そこからが意味不明なのが、この手のゲームの特徴で、まず何をしたらいいのか、なにをしたら生き延びれるのか、さっぱりわからないままに荒野を歩いては餓死したり、ミンチにされたり散々でした。10回くらい死んでようやく雰囲気が掴めてきた感じです。
 それで、とりあえずわかったのは、自分が選んだリッチ魔術師は初心者がやるべき組み合わせではなかったということで。魔法大好き人間なので、1も2もなくだったんですが、いやまぁ、考えが甘かったです。
 あ、このゲーム、他のローグライクゲームが死亡=ロストなのに比べると、ペナルティが薄くてリスタートが凄く容易なんですよね。その点はヌルゲーマーな自分には凄くありがたいところです。
 ローグライク的な奔放さ、自由さ(言い換えれば無責任さ)は確かにバリバリあるんですが、一方でヘルプやらチュートリアルやらを適宜配置したりと、初心者に対する配慮は随所に窺えます。この手のゲームにありがちな排他性が幾分か緩和されているのは、後から乗り込んできた人間としては嬉しいところです。


 とは言っても、やっぱり難しいです、このゲーム。でも自分はローグライク的なセオリーは多少はわかるので、そうした過去の経験を参照しながら、「こうじゃないかな?」と試行錯誤するのが面白くもあります。
 そうやって、過去の経験と比較しながらゲームを進めていくと、Elonaのオリジナリティが見えてくるんですよね。これは今までのと全然違うゲームなんだなと。ようやく全貌が掴めてくるワケです。


 例えば、このゲーム、依頼をこなしてお金とプラチナ(スキルポイントのようなもの)を稼ぐんですが、最初のプレイヤーキャラは弱っちいので、★1つのモンスター退治を引き受けても一瞬でやられちゃったりとかよくあるんですよ。
 なので、序盤はアイテム配達やNPCの護衛やらを受けるのが鉄板なんですが、その手の依頼を受けて街から街へと飛び回っていると、「あれ、なんかこれ、ルナティックドーンぽくない?」的な雰囲気を凄く感じるんですよね。目的地が同じ依頼を一気に引き受けて効率化を図ったり。時にはリスクのある依頼を引き受けて、ビビりながら街道を駆け抜けたりするのもそんな感じ。
 ローグライクでありながら、戦闘やらダンジョンやらは慣れてから、ってのが結構ルナドンチックなんですよね。インターフェースはローグライクまんまなんですけど。
 そういうごちゃ混ぜな雰囲気と言うか、それぞれの味わいを上手く組み合わせているところに、Elonaのゲームとしての面白さがあるんですよね。チマチマとお金を稼いで、キャラクターを育てる楽しみを存分に味わえるゲームでもあります。
 それでありながら、稼ぎ方の手段が豊富に用意されているのがこのゲームの特徴でもあります。生産系というか生活系のスキルが豊富に用意されていて、依頼をこなす合間にも、演奏やら、釣りやら、料理やら、栽培やら、色々と手をだすことができるのでプレイの幅がかなり広いですね。
 まぁ、あとはNPCのアイテムを盗むんじゃったりとか。これもルナドン風味ですね。
 どうもNPCはPCキャラが色々やってる間に適当にダンジョンとか行ってアイテムを手に入れたりするみたいです。何気に凄いことやってますね。


 でまぁ、ゲーム中には戦闘に役立つものから趣味的なものまで沢山のスキルが用意されているんですが、基本的には1PCで全部網羅できるみたいです。剣は使えるけど魔法は使えないとか、裁縫特化すると大工が弱いとか、そういうタイプの長所と短所のハッキリ出るゲームではなくて、もう最終的にはなんでもできるパーフェクトなキャラが作れると。
 自分は職業差の大きい変愚蛮怒に慣れていたので、オールマイティなキャラ育成ってのはどうなんだろう、と最初はちょっと思ったんですが、死亡のペナルティが緩いこのゲームは、どっちかと言えば1人のPCを延々とプレイし続けるスタイルになりそうなので、ワンプレイで何でもできる方がいいのかな、と今では思っています。MMOと違って役割分担の必要もないですしね。
 職業は8種類ほど用意されているんですが、序盤の立ち上がりがやや異なるだけで、最終的には戦士を選んで魔法をバリバリ使うこともできるみたいですね。一方で種族の特性はキャラの育成では埋めにくい特徴があるので、吟味するならこっちなのかなと。
 種族に関しては、最初は武器・鎧・弓・矢しか装備できないけど、レベルが上がると装備箇所が増えて、やり方によっては13刀流とかできるらしい「カオスシェイプ」とか結構無茶で好きです。その分最初は防具とか殆どつけられないので苦しいんですけども、やはりロマンは大事ですよね。


 職業と言えば、このゲーム、魔法を使うのが結構面倒なシステムになってます。職業のあるローグライクゲームの常に従って、魔法使いは上級者向けの仕様になっています。
 このゲームの魔法のシステムは、簡単に言えば、魔法自体に弾数制限がある上に、弾を込めるにもお金が必要で、そもそも弾が売ってるかどうかも運任せという代物です。となると、まずは魔法に頼らずに生き抜く手段を身につける必要があるワケで、立ち上がりは魔術師なのに弓矢ばっかり撃ってることも珍しくありません。矢玉が無限なのはありがたいんですけども。
 まぁ、そうやって苦労するぐらいなら、立ち上がりはもっとラクな職業を選んで、あとで魔術関連のスキルを伸ばした方が効率的かな、みたいなところもあって悩ましいですね。魔術師も序盤を乗り切ればあとはエキスパートとして活躍できるんでしょうけども。




 まぁ、そんな感じで、このゲームの特徴を逐一書き出したら切りがないんですけども、独自性が強くて何かしらのクローンと一言では纏めることのできない、かなりカオスな魅力に溢れたゲームです。カオスすぎて何から手をつけていいのかさっぱりわからないぐらいで。
 自分は、リッチ魔術師(脆すぎ)→妖精狩人(弓すら持てない)→ゴーレム戦士(なんか地味)という変遷を経て、今はカオスシェイプピアニストという、字面からするとかなりアナーキーな組み合わせで遊んでます。
 ピアニストは凄いですよ。演奏が下手だと聴衆から石をぶつけられて死にます。この殺伐さがなんかシュールで気に入っています。


 で、基本的に自分は面白いゲームに巡り会ったとき、「これ面白いからやってみて!」と声を張り上げる性質なんですが、このゲームに関しては全面的に推すのをちょっと躊躇います。
 というのは、このゲーム、物凄い時間食い虫なんですよ。10分だけプレイするかー、と始めてみると、あっという間に30分とか持ってかれます。
 そろそろ止めようかなと思ってたら1時間過ぎてて、一息ついた頃には今日やるべき作業が全然終わってないことに気づいたりします。それでも「まぁ、いいかー」と投げっぱにして続きをプレイしまうほど、恐ろしいゲームです。
 このゲームを始めた時も「今日は休みだからちょっとやってみるかー」的な気持ちでいたら、あっさり日付が変わってました。次の日仕事なのに午前1時まで続けてしまいました。全然止まらないです。ヤバいです。
 特に今週なんか色々と新作ゲームを買う予定なんですが、まったく熱が冷める予感がなくてエラいことになりそうです。炎上したトラックがそのままガソリンタンクに突っ込むような状態です、今。
 そんなワケで、このElona。くれぐれも時間に余裕のない人は手出ししないでください。人間として大切な何かを捨ててのめり込んでしまう中毒性に満ちたゲームです。