▼光の4戦士は雰囲気が抜群

 http://www.square-enix.co.jp/hikarino4sensi/


 光の4戦士、雰囲気いいですわぁ。ティザーサイトのBGMは「うん、悪くないね」って感じだったんですけど、今回のオケ版(?)は胸に染み込んでくるようで凄くイイです。FFっぽくもあり、DQっぽくもあり、音楽良すぎますわ。
 音楽担当は誰なんだろうと思ってスタッフ一覧を見たら、ははぁ、FF3DSやFF4DSの人なんですね。今までの参加作品は移植モノだったので、楽曲で参加するのは今回が初めてなんですかね。ちなみにFF3,4ではSEディレクターを担当していたみたいです。
 今のスクエニは発信作品も秀作凡作入り混じっていて、やや安定感を欠く印象がありますが、なんだかんだで音楽の人材が揃ってるところに地力を感じます。今は一線級の作曲家が沢山フリーランスで働いているのでメーカーならではのサウンドの味が薄れてしまった印象があるんですが、逆に内で人材を抱えているメーカーはランクが一つ違う印象がありますね。


 開発はこちらもFF3DS、FF4DSを担当したマトリックスマトリックスは、DS環境でもローポリを綺麗に見せるセンスのよさが持ち味ですね。マーベラス発売のアヴァロンコードでも綺麗な絵を見せてくれました。
 ただまぁ、光の四戦士がFF3、FF4の系譜とすると、テンポにやや不安な点がありますね。FF4は画面の切り替えやらで多少ストレスを感じる作りではあったので、その辺、快適なプレイが見込めるなら願ったり叶ったりなんですけどね。


 あと、妙にクラシックRPGとか王道RPGとか、妙に力を入れて言及しているのがちょっと気になるところです。王道って人から評価を貰うものではあれ、自分から名乗りを上げるようなものじゃないと思うんですよね。当時のFFは反王道のスタンスを取って今日の独自性を築き上げたように思うので、今風だ昔風だと肩肘張らずに普遍的な魅力を提示して欲しいなと思います。
 あと、昔のスクウェアRPGはどっちかと言えば、幻想的で乾いた空気を纏っていたのがドラクエと違って魅力的だったと個人的には思うんですよ。FF3の「そのクルガン族の男は静かに語った」でしたっけ。よく覚えてないですけど、あのオープニングの演出が一番端的に当時のFFっぽさを表現していると思うんですよね。
 どうも今の感じだと聖剣2とか、もう少し丸くしてFFTA2な雰囲気になりそうな気配があります。個人的にはもっと乾いた感じが好きではあるんですけど、どうなんでしょうね。


 吉田さんの絵も凄くいいなぁ。雰囲気は申し分ないので、あとはやっぱり手触りのよさを求めたいですね。




 全然話は変わって無限航路でちょっと思ったことを。ネタバレあります。
 無限航路の序盤で艦船メーカーの若社長がクルーに加わるんですよ。「社長が会社を放り出してついて来ちゃっていいの!?」とか思うんですが、古参の社員が頑張るからそこは大丈夫みたいな話で。
 でまぁ、割と名うての艦船メーカーの二代目社長らしく、整備力が結構高いんですよね、この人。序盤は人手不足に悩まさせるので整備は後回しになったりもするんですけど、メカニック専門で働ける初めてのキャラなので重宝しました。
 で、話が進んでいくと、自分たちの住んでいる星系は大きな星系の付属物でしかないということがわかってきて、さらに話が進むと、その大きな星系を一飲みにしてしまうような大帝国の存在まで明らかになるワケです。そんな大星系や大帝国と比べると、銀河の辺境に過ぎない主人公の生まれ故郷なんてのは凄い後進の地域なんですよね。
 なので、若社長にしても、最初は(車で言えば)ダイハツとかマツダの社長クラスの印象を受けていたのが、話が進むにつれて下町の町工場のぼんぼん社長的なイメージが強くなってきました。整備のスキル持ちのクルーが増えてくると、スキルを一つも持っていない若社長は殊更影が薄くなります。
 最初は整備の総責任者として腕を振るっていた若社長ですが、整備班のクルーが充実すると次第に閑職に回され、最終的には無職に落とされてしまいました。人手が余る都合から終盤ではこうしたクルーも少なくないんですが、若社長は序盤と終盤で最も扱われ方に落差があったクルーの一人ですね。
 で、変な話ですが、自分はその辺から宇宙の広大さを感じたりもしたんですよね。若社長は見聞を広めるために主人公の船に乗り込むワケですけど、それも結構切実な目的だったんだなぁと変に納得してしまったのでした。