くりきんナノアイランドストーリー

 GEOに行ったら応援団2が売り切れ。先週はバリバリ並んでたので「売り切れ続出ってのも都会だけっぽいなぁ」と思ってたらこれか。ついでになぜかFF12RWも売り切れてた。一体何のタイミング?
 のだめカンタービレが1980円はちょっと涙を誘う。いくらバンナムとは言えバンブラコピー+キャラモノならそれなりに需要はありそうな気がするんだけどなぁ、と思って裏面を見てみると収録曲がクラシックばっかりで「あー、なるほど……」という感じ。バンブラでもクラシック系の曲はやっててあんまり面白くないというか。うーん、なんだろう。地味なのがね。


 河岸を変えて今度はカメクラに。こっちも応援団2は売り切れ。どうやら本気で売れてるらしいなぁ。
 スパロボOGのデモに見入る。いや、どう見ても力の入れ方がおかしいんですけど。なんかもう色々動きすぎ。スパロボR参戦やらロア参戦やらでヨダレが溢れそうなゲームではあるんだけど、ハード持ってないのでお預け。OG自体は好きなシリーズなだけに触ってみたいのが正直なところなんだけどなぁ。うむむむむ。


 で、結局「くりきんナノアイランドストーリー」を購入して帰宅。
 ところで、この名前で一体どれだけの人がゲームの内容を理解できるんだろうか。ちなみに「くりきん」はドラクエで言うところのスライム的存在のキャラで、栗型の細菌、略してくりきん。内容としては細菌を培養して戦わせるリアルタイムシミュレーションゲーム。でも箱のジャンルはアドベンチャーRPGとか書いてあってなかなかカオス。
 名前を聞いただけだとスーパーモンキーボールとかラビッツパーティー並のワケ分からなさ加減なので、もっと直接的なタイトルでもよかったんじゃないかと思う。ポケットウィルス略してポケルスとか。って、被るな。ただ、考えてみると名前を直接的にしたところで「えー、細菌のゲーム!? ヤバイ、オレ絶対買う!」って食いつく層がもやしもんファンくらいしか思いつかないので、このくらい婉曲なタイトルでも十分なのかもしれないなぁ。
 自分はなんとなく初代カスタムロボ的な、注目度薄でもゲームの作りは確りしてて、RPG的要素があって、色々な組み合わせが楽しめる感じが購入を決断させた要因になるのかなぁ。絵柄についてはガチャフォース以来そういうのに拘るのは損だと学習した。


 で、実際プレイしてみるとシャーレの上でモゾモゾとうごめく細菌(ゲーム的な呼び名はキン)がなかなかプリチー。この辺はファーストクイーンとかロードモナークのゴチャキャラSLGを思い出させる作りで、キンの大群と大群がぶつかり合う様が面白い。フリーソフトのアヴァリスとかもそんな感じか。
 戦術的にも例えば敵を包囲して叩くとか、速攻で敵を抑えつつ後方で生産を行って戦力の充実を図るとか、補給線を遮断して優位な状況を作るとか、主力を正面からぶつけつつ遊兵を迂回させて挟撃するとか、操作はシンプルなんだけど色々攻め方に工夫が出来て面白い。脳内オペレーターの戦況報告が聞こえてくる辺りもはや一種の艦隊戦。
 普通に兵隊とか艦隊とかの集団戦風で面白いんだけど、細菌をモチーフに取っているので工場とかの生産プラントなしに短期間に培養=生産ができるのがいいアイディアだなぁと思った。いかにも見た目は子供向けの作りなので、例えばハッカー同士がコンピュータウィルスを培養してお互いの端末を殴り合うRTSとかあったら自分的にはもう雰囲気だけでご飯3杯はいける。でも購買者層が限られそうなのであんまりいい試みではないかなぁ。
 あと、細菌を取り上げている利点として、どこにでも存在しているってのがある。このゲームは自分のユニットになるキンを土やら花壇やらプールやら人体(!)やら色々な場所から採取できるので、宝探し感覚でキンを集められる楽しみがあるのも上手いアイディアだと思った。この身近さはポケモンを超えてるわぁ。
 機能的にもタッチペンでの操作はRTSにジャストフィットしてるし、2画面を生かして戦場の状況を全体・個別同時に把握できる作りはいかにもRTSな感じだし。マイクに息を吹きかけるとキンが飛び散るし(実はかなり重要なテクニック)、DSの機能を遺憾なく発揮している作りも好印象。
 戦略的にもキン同士の相性だとか、キンの特徴(増殖が早い、攻撃力が高い、耐久力がある等)、戦場の相性や戦域を考慮に入れてキンを選択しないといけない辺り、色々な選択肢があって面白いし、それとは別にキンのレベルを上げれば力押しでも勝てる幅広さがあるのもいい。感じとしてはポケモンに近いかなぁ。
 全体的に地味ではあるけどプレイ感覚も良好で、テンポがいいのでついついズルズルとプレイしてしまう。唯一難を挙げるとするとデータが重要になるシミュレーションゲームの割にはソートやレイアウトが練り込み不足な点で、自分の探したいキンを選ぶのにちょっと手間取るのが不満かな。
 あとはアイディアがしっかりしてる良作ではあるけど、ボリューム的にどうかな、ってところで。軽く楽しめるゲームではあるんだけど、クリアしてからどれだけ充実度を感じさせてくれるかで最終的な評価が決まりそうな気がする。
 発売直前になってラインナップに上がったり、広報努力があんまり見られないゲームではあるんだけど、知名度の薄さに反してなかなかの良作。最初はグッと遊びたくなる牽引力を感じなくて並の良ゲーかなぁ、と思ってたんだけど、ゲームの進行と共にルールが拡充されていくとゲームを遊びたい欲求がムクムクと湧き上がってきて実はかなり危ないゲームだった。相手のキンを包囲殲滅する楽しさはホント病み付きになるね。