FFTA2・その2

 先日駆け足で書いたFFTA2の雑感ですが、その割にはえらい注目度が高くてビビったのでもうちょい突っ込んで書き足してみたいと思います。前回はプレイ時間約2時間って辺りだったんですが、今回はプレイ時間19時間経過後の感想ということで。


 とりあえず最初はなんだかチマチマチマチマしてて爽快感がないなぁと思っていたFFTA2ですが、新しいジョブに就いてアビリティを習得していくに従って、ぐぐぐっとのめり込むようになってきました。


 このゲームは、FF5のように任意のジョブに就くことでそのジョブ固有のアビリティを習得していきます。
 で、FF5ではそのジョブに就けばあとはAPを稼ぐだけで全てのアビリティが習得できたのに対して、FFTA2では『装備した武器に設定されたアビリティだけ』しか習得できません。ここがちょっと面倒なところで、同時にこのゲームのキモになるポイントです。
 なので、効率的にゲームを進めるためには優秀なアビリティを習得できる装備を手に入れることが肝要で、単純にちまちまとレベルを上げるだけではいつまで経っても戦闘で苦戦を強いられるワケです。
 で、装備はどうやって手に入れるかと言うと、クエストをクリアすることで手に入る素材が必要になります。


 なので、「武器が手に入る→アビリティを覚える→戦闘に勝って素材をゲット→武器が(略)」の循環に入ると面白いようにキャラがパワーアップしていくんですが、この循環に入るまでが結構辛いと言うか、効率的に進めるコツを見つける必要があって、ちょっとその辺にクセがあるのが万人向きではないなぁと思いました。
 あと、序盤で手に入るアビリティはどれもこれも1ターン消費して使うには余りにもリターンが小さすぎるものばかりで、他のジョブへの転職条件としてしか価値がないものが多いのも序盤がダレる要因の一つかなぁと思います。FF5で言うところの「両手持ち」とか「格闘」みたいな、手に入って劇的に戦闘が楽になるアビリティがないんですよね。


 また、普通にクエストを攻略しているだけではAPの溜まり方がちまちましすぎているので、効率的にアビリティを習得するためには、特定のクラン(ギルドのようなもの?)アビリティを習得する必要があります。
 この最上位のクランアビリティを習得すると通常30ポイントの獲得APが90ポイントも獲得できるようになるので、アビリティを覚えるスピードが段違いに早まります。
 ただ、この情報は自分で見つけたワケではなく、攻略サイトで拾った情報なので、もしこのアビリティの存在に気づかなかったら、「このゲームはテンポが悪いなぁ」という第一印象はずっと変わらなかったと思います。


 この点だけでなく、どうもこのゲームはユーザに提示する目的が不明瞭で、ユーザが何を目標にゲームを進めて行けばいいかイマイチわかりにくい点が息苦しさを感じさせる要因のような気もします。せっかく目的地に辿りついたと思ったらご褒美のアビリティが全く使い物にならないものだったとか、そういう肩透かしも結構ありますしね。
 なので、攻略サイトなり攻略本なりを手がかりに進めるのとそうでないのとでは、このゲームはテンポが全くと言っていいほど違ってしまうような気がします。まぁ、スポイラーがゲームの難度をスポイルするのは一向に構わないんですが、ゲームのテンポまで左右してしまうのはゲームデザイン的にユーザに甘えすぎじゃなかろうかなぁと個人的には思ったりします。




 戦闘面に関しては、ある程度TO系のSRPGに慣れているユーザであれば、「打撃より射撃」「射撃より魔法」「無駄な移動はしない」とかのセオリーは感覚的に理解できると思うんですが、それに加えてFFTA2では魔法が長射程・広範囲・良燃費と異常に強力なので、序盤は魔道士の数が戦力に直結します。ちょっとこの辺がバランス的にどうなのかなぁと個人的には思いました。
 特に足の遅い打撃職は敵に近づくまでが一苦労で、近づいたら近づいたで今度は側面や背面に回り込まれて大打撃を食らったりしますし、その割りには魔法と比べても攻撃力はトントンと、どうも報われないような。おまけに直接攻撃はカウンターを食らう危険性もあったりしてデメリットが目立ちます。


 中盤(なのかよくわからないんですが)では、またしてもこの手のゲームで有効な、時間をコントロールする時魔道士が使えるようになって、さらに戦力が魔道士頼みになります。まぁ、この辺になると戦士系ジョブも飛び道具とか範囲攻撃とかが使えるようになるのでそれなりに戦えるんですが、それでようやく魔道士と互角ってのがちょっと泣けるところです。


 まぁ、基本的にFFT系のゲームは緻密なバランス設定で頭を悩ませるゲームというよりは、バニシュ+デスのような即死コンボを見つけて俺強ぇぇぇを楽しむゲームだと思うので、あんまり職業間のバランスについてとやかく言うのは場違いなのかなぁと思ったりもします。
 アビリティ周りのシステムにしてもFF5がそうだったように、最終的にはどのキャラもマルチクラスな活躍ができるシステムになっているので、同一線上のデザインだと思ったほうがいいんでしょうね。




 てな感じで色々と気になる点ばかりを挙げてみたんですが、キャラが成長する実感を感じられるゲームではありますし、ミニゲームのオークションもなかなか駆け引きの妙味があって面白いです。
 オークションはいわゆるミニゲームなんですが、これをクリアすると結果的にいい装備が手に入るので、ゲーム攻略的にも意義の大きいファクターではあります。スクエニのゲームはミニゲームがキッチリ作ってあるのがなんというか、変な力の入れ方をしてるなぁというか。ロマサガ3のトレードを思い出しましたよ。
 ただ、楽しむためのコツみたいなのを見つけるのに時間のかかるゲームと言うか、システム周りが煩雑なのがどうもとっつきの悪さを醸しているようにも思います。
 明確な目的に向かってプレイするには普通に面白いゲームなので、質のいい攻略サイトを見ながら「あ、このアビリティが欲しい!」とか「次はこの武器を手に入れよう!」とか常に進む方向を定めながらプレイするのが一番楽しめるスタイルなんじゃないかなぁと思います。……思いますが、ちょっと釈然としない気もしますね。