▼真・女神転生ストレンジ・ジャーニーを試遊しました

 シュバルツバースより無事帰還しましたー。生きてます。大丈夫です。日帰り東京コースはやっぱり疲れますけど。
 最初からいきなり脇道に逸れるんですが、バスの隣に座った席の人が金子さんに似てて吹きました。「まさか悪魔絵師が高速バスには乗らんだろう! 新幹線あるだろう!」とは思ったんですが、クリエイターズボイスの写真がなんかインパクト強くて…… 服装も似たような感じでしたし。ちなみに悪魔絵師似の人はクーラーの調整とか荷物の上げ下げでめちゃくちゃ気を使ってくれた親切な人でした。


 さておいて、今回、体験会は4時間くらいの開催だったので、間に休みでも挟む計算なのかと思っていたんですが、まさかの試遊3時間半ぶっ続けコースでした。時間配分的には試遊が3時間半、ディスカッションが30分(くらいの予定が延びて45分)。非常に濃密な時間を楽しませて頂きました。
 そして参加者全員黙々とDSと向かい合う姿はかなり異質。いや、それだけのめりこめるゲームだったってことなんですけども。
 一応、「詰まった時はスタッフに声をかけてください」的な配慮でアトラススタッフの方も部屋に常駐していたんですが、チュートリアルが充実していて次の目標も明示的に教えてくれるのでシナリオ的な意味で詰まることってなかったですね。3DダンジョンRPGって、とにかく未踏破部分を埋めていけばなんとかなるのでわかりやすいゲームではあるんですよね。
 進度としては3時間半のプレイでLV9。参加者の中では普通のスピードだったんじゃないかなと思います。合体やら編成やら自由度が増してきたところだったので、もっと続きをやりたかったですねー。


 今回、初見の敵はWizのような不確定の状態で出てくるんですけど、相手の姿が見えないのって凄く怖くてハラハラします。とりあえず手持ちのスキルを手当たり次第に投げ込んでみて、弱点に当たったらそれを続けていく、みたいな感じでやってるんですけど、炎反射を食らったときはマッスルドリンコ吹きました。反射ダメージ自体はそれほどでもないんですけど、序盤からこれってどういうことよと。
 デビルアナライズは一戦すればもう姿が見えるようにはなりますね。なので、話しかけるには一回勝ってから、という段取りになります。それ以降は悪魔によりけり。アナライズが進みやすい悪魔とそうでないのといますしね。早めに弱点まで見えるようになると便利です。
 アナライズを早く進めるには仲魔にして戦闘に参加させるのが一番ですかね。おまけにアナライズを完了した上でLVUPすればデビルソースも貰えますし。


 悪魔との会話、今回も凝ってて面白いです。なかなか正解を読むのが難しいんですが、その分、うまく相手の意を拾えると嬉しいですね。
 最近のPS2で発売されたメガテンシリーズは触ってないのでよくしらないんですが、SJはマッカやアイテムの他にHPやMPも交渉の材料として要求されるんですね。HPとかガッツリ吸われるとちょっと勘弁してよ、という気持ちになります。回復だってタダじゃないのに!
 あと、悪魔のストックが満杯の時、仲魔になるのを保留してくれるってのが面白かったですね。デモニカスーツの初期アプリは8体しか悪魔を収納できないので、もう常時パンパンなんですが、おかげで悪魔と交渉しても「空きがないからまた来てよ」って言われることが多いんですよね。
 COMPが満杯で目当ての悪魔を仲魔にできなかった悔しさってのはたぶん、メガテンユーザー全員が体験したことがあると思うんですが、あれ、本当に悔しいんですよね。仲魔にできると思った瞬間にダメ出しされるワケですからね。
 そこのところを丁寧にフォローしてくれるのは凄くありがたいなぁと思います。まぁ、これが今回が初出の仕様なのかは良く知らないんですが。


 ボスというか、中ボス? 序盤の序盤に出てくる固定敵とは戦ったんですけど、かなり強いですねー。デビルCO-OP不可欠な感じ。とは言え、合体のできない交渉可能なだけの状態だと主人公と同スタンスの仲魔を連れて行くことになるので、普通に仲魔を集めていけばCO-OPは意識してなくても発動する感じですね。
 デビルCO-OP自体はそれほど強力でもない感じですね。協力攻撃みたいなのを連想していたんですが割と地味です。まぁ、リソース消費ゼロで大ダメージをお手軽に与えられるようだとそれはそれでどうかなと思いますが。
 手数がひとつ増えるのは強いんですが、そのためにパーティのスタンスを全揃えさせるほどでもないような感じですかね。2人のCO-OPと3人のCO-OPと劇的には違わないような。自分は主人公がNで最初はNメインでパーティを組んでいたんですが、試遊後半では主人公NにL仲魔*3という構成で遊んでいました。必ずしもパーティのスタンスを揃えなければならないというワケではなく、編成の自由度は高いように感じます。
 というか、ドンドン新しい仲魔が入るので編成も流動的です。Lだけでやるー、Cだけでやるーというよりは、その時々に応じて構成を組み替えるようなスタイルが主流になるのかもしれません。


 ゲームバランスは結構キツめですね。電撃の企画で2戦目で全滅したって話がありましたが、「あ、これのことか」と得心しました。まぁ、蝶々とかモグラとか花とか好きな人はニヤッとできるんじゃないでしょうか。
 ちなみに自分はチキンプレイに徹したので一回も全滅はしませんでした。なので全滅時の演出とかまだ見てません。製品版で見ます!
 それでも怖い場面は結構ありましたけどね。序盤のせいか銃属性が弱点の悪魔同士が銃属性の攻撃で殴りあうというグダグダが頻繁にあったりしてね。一撃が重いんですよ。敵はデビルCO-OPは使わないんで、まだマシなんですけど、弱点を突かれると焦りますね。
 あと、マハラギとか全体攻撃魔法が出てくるタイミングは厳しいですね。こっちの仲魔はHP50くらいなのに25点とか食らったりして。デビサバジャックランタンとユキジョロウが出てくるタイミングで苦労した覚えがありますけど、そんな感じです。
 世界樹とかデビサバはLVが上がると途端に強くなった実感が沸くんですが、SJは割とその辺控えめな感じですね。ダメージのインフレもかなり抑えられているような作りで、いつの間にか強くなっている感じです。
 むしろ、デビルアナライズで敵の姿やら耐性やらが判別できるようになると、どの敵が危険か、どの属性が弱点かがわかるので、それで効率的に戦えるのが一番大きいのかなと思います。マハラギ持ちはまっさきに潰して被害を抑える、みたいな戦い方ができるようになるとだいぶ違うんですよね。
 数値的な成長ではないんですが、知識的な成長が重要というか。この辺、うまいことデビルアナライズが生きているなぁと感じます。
 あと、レベルアップ時にHPMPが全快するので、毎回魔法使いまくりで戦っても意外とダンジョンをダラダラ回れます。つまり、それだけ一戦あたりはシビアに作っているってことでもあります。



 今回、アイテムを作成する材料としてフォルマという、言ってしまえば素材があるんですけど、これは入手方法として敵から倒して分捕るか、マップ上に落ちているのを拾うか、基本的には2つあります。まぁ、世界樹みたいなもんですと言ってしまえばそうなんですが。
 で、マップ上に落ちているフォルマはデモニカスーツのメインアプリで探すことができるんですが、このフォルマ集めが結構楽しいです。フォルマを探し当てるレーダーには射程範囲があるのである程度フォルマに近づかないと反応しないんですが、「そろそろ帰ろうかなー」と思っている時に通路の奥にレーダーに反応があったときは進むべきか引くべきかで凄く悩むんですよね。
 マップに落ちているフォルマは固定配置のものとランダム配置のものと両方あるんですけど、このフォルマの配置は3Dダンジョンゲーム初心者の感じる「奥に潜るのが怖い」という心理的障壁を解決するアプローチとして凄く有効な手立てだと自分は思っています。「あそこに行けば何かいいことがある」「あの場所って踏めるんだ」ってのがすぐわかるのがガイドとして巧みなんですよね。
 スーマリで崖から飛び降りる必要があるところって空中にコインが配置してあることが多いんですよ。で、コインを全部取るようにジャンプすると穴に落ちずに着地も決まるっていう。逆に慣れたプレイヤーは「コインが取れるからきっと下にも床があるんだろうな」的な考え方もしますよね。これってプレイヤーのコイン欲しさの気持ちをうまく安心感に繋げているんです。
 世界樹の迷宮でも回復の泉だけは最初からマップに所在が描き込まれていて、プレイヤーは誰しもそれを頼りに奥に進んだことと思いますが、今回のマップ配置のフォルマもそれに似たような働きをしています。ただ何もない亡羊とした空間をひたすら歩かせるのではなく、小さなゴールを設定してあげる。小さなゴールを達成し続けることでいつの間にか広大なダンジョンも踏破しているという仕組みです。
 メガテンの面白さってまさに小さな目的を重層的に達成していくことだと思うんです。だから自分はアトラス公式の「ストレンジ・ジャーニー調査隊」の


金 子 : そうそうそう。あっヤッベー次これ出来る、っていうのがメガテンのずるいところ。
何か仲魔にしちゃうとこれが合体できるっていうのはすぐわかっちゃうから、じゃあこれが合体できるまでやろう、ってやってると、また別の悪魔を仲魔にしちゃって、今度これができんじゃん、って。で、合体したらしたでこれで何できるのかな、わっこれできるじゃん、またやろうみたいな。
悔しいことに、ブラブラしてると変なもの拾っちゃうんですよいっぱい。それ持ち帰っちゃうと、これでこれが作れるぞなんてアーヴィンに言われてね、わっなんだよこれヤッベーとかって。
何かやってきてくれよって言われると、また意地になってやっちゃったりして。すごいよね。だから、良く出来てるな、携帯機としては、と思いますね。


 この金子さんの言葉は、凄く核心を突いていると思うんですよね。この楽しさが分かる人はストレンジ・ジャーニーは間違いなく買いです。今作はLVを上げて、悪魔を仲魔にして合体させて、という編成の楽しみの隙間を埋めるように素材集めの楽しみが入っている「止め時の見つからないゲーム」です。
 経験値稼ぎをしている時は、お金のことってあんまり考えないし、お金稼ぎに必死になっている時って経験値も同時に稼げていることを忘れがちじゃないですか。複数のリソースを得られると作業感って薄まるんですよね。傍目から見ると今回のメガテンもやっぱりチマチマと遊ぶゲームなんですけど、リソースの種類が増えたことでより能動的にゲームを遊んでいる感覚がありますね。


 あと、今回、お金に凄く苦労しました。蘇生代がえらい高い…… 回復と合わせて手持ちのお金の半分をゴッソリ持って行かれたこともありました。忘れかけていた糸目のアイツを思い出しましたよ。
 復活は復活アイテムの返道玉(だったかな?)をポロポロ敵が落とすので、それで復活させればいいのかもしれませんが、自分は貧乏性なのでなかなか使えません。なので、敵の不意の攻撃で仲魔が死んだりすると出費が脳を過ぎってリセットしたくなりますよ。
 あ、そう言えば、ソフトリセットは利きます。ムービーはスタートでスキップだったかな。インターフェースは全体的にわかりやすくて使いやすいですよ。
 ただ一点、カニ歩きだけはちょっと直感的にはわからなくて困りましたね。今回、操作方法が記載されたシートが事前に配布されていたので、それを見なかった自分が悪いという話ではあるんですが、LRを押してもカニ歩きしないぞー、世界樹1に戻ったのかー、みたいな勘違いをしてました。ちなみにカニ歩きの操作方法はBを押しながら←→だそうです。
 ちなみにLRは表示階層を変更するのに使用。うーん、逆のがよかったんじゃ……?


 話を戻して、ホントお金いりますよ、今回。装備代とアプリ代と回復と、あと悪魔と交渉するときにもマッカは必要ですしね。装備も一つ一つが結構な値段で持ち金半分くらいの銃二つを見比べてどっちを買おうかなーとか悩みまくりでした。防具なんてずっと初期装備ですよ。
 今回、パスワードの利用で強力な悪魔も簡単に手元に呼び出せるので、その辺バランスが壊れないかなぁと心配していたんですが、正直この金銭バランスだと大金払って人の悪魔を呼び出しているような余裕はねーです。普通のピクシーを呼び出すのに400マッカとか必要なので、それだったら虫取り網でも担いで捕まえにいったほうがリーズナブルじゃん、みたいな。悪魔大全はもう行かなくなったダンジョンの悪魔が欲しい時に使うのが主な使い方になるのかなと思います。


 パスワードでふと思いついた小ネタ。金子さんや石田さんの話によるとレアなデビルソースは大切にしたほうがいいとのことなので、デビルソース込みで合体させた悪魔をパスワード出力したらセーブしないでリセット。改めてロードしてパスワード召喚すればソースを消費せずにソース漬け悪魔を使えるんじゃないかなとか思ったりしました。まぁ、お金が余計にかかりますけど。
 自分はデビルソースって勿体無くて使えなかったんですよ。ゲーム中に細かい仕様が書かれたドキュメントを貰えるので、わざわざここで説明する必要もないかなと思うんですが、基本的に同種のソースって重複して持てないんです。で、2つ目以降のソースの入手確率は落ちるそうなので、1つ目はアナライズ完了+LV上げで確実にゲットできますけど、2つ目以降は運勝負なんです。悩ましいところですよね。



 えーと、あとは欠点と言うか、気になった部分も書きましょうかね。戦闘のテンポがですね、悪いんじゃないんですけど、普通です。テンポのいいゲームということを強調していたんですが、個人的にはそれほどでもないかなと。まぁ、携帯機のRPGに慣れているかどうかでその辺は感覚が変わってくるようにも思うんですが。
 まぁ、公式ムービーまんまのテンポなので、アレを見て貰えばわかると思うんですけど。デビルCO-OPなんかの関係で戦闘は意外と手数がかかるので、一戦当たりの時間が結構長くなったりするせいもあるのかなと思います。
 オート戦闘は早いです。エフェクト全カットでダメージ表示もないので何が起きているのかもわかりませんが、とにかく早いです。真1のような直前コマンドのリピートかと思ったら単純な総攻撃なので掃討戦用ですね。


 あと、基本的に敵の弱点を突く戦い方がメインなのでコマンドの選択が結構慎重になりますよね。敵の弱点を覚えるまでは度々上画面と下画面と視線が行き来して最適な行動を決めるまで時間がかかります。
 300体以上の悪魔がいるのって実はメガテンの弱点でもあるんじゃないかなーと思ったりするんですよ。見た目と弱点がパッと結びつくジャックフロストみたいな悪魔はいいんですけど、そうじゃない悪魔は凄く弱点を覚えづらくて、なおかつ悪魔の出入りが激しいので、せっかく覚えた情報もすぐに風化してしまうし、その上新入りの悪魔の弱点を覚えないといけないしで、この辺は結構面倒だと思うんですよ。
 今回は下画面で敵の属性をパッと見られるので解決策は提示されているように思うんですが、根本的な分かり辛さ、悪魔と属性の相関性までは解決されていないんですよね。延々と続くザコ戦にまでパズルゲーム的な最適解を求め続けられるのって結構大変でもあって、今回、敵の出現数が最大3体なのは、その辺の事情もあるのかな、という気がします。


 ポケモンって見た目と属性がマッチしているのが凄い強みだと思うんですよね。それを逆手に取るウソッキーなんてのもいますけど。新規層向けという触れ込みのSJですが、悪魔の知識があるとないとでは戦い方には差が出るかなーってのはあるかと思います。


 気になった点と言えばあとは戦闘後の経験値表示ですかね。SJは世界樹2と同じ、戦闘終了後に次のレベルアップまでの残り経験値が表示される方式なんですが、これ、今回どれくらいの経験値を貰えたのかがわかりにくいので、次のレベルまでの必要経験値を教えて貰っても、じゃああと何戦でレベルアップするのかわかりにくいんですよね。経験値の表示って要は次の戦闘のモチベをいかに引っぱるかが大事だと思うので、パッと見て概要を理解できない表示はあまりよくないんじゃないかなと思います
 やっぱりこれもポケモン方式がベストに近いんじゃないかなーという。まぁ、なんかRPGについてはポケモンを引き合いに出すパターンが多くて申し訳ないんですが。



 えーっと、とりあえずそんな感じで思いついたままをまず書きなぐってみました。何か面白いことを思い出したら書き足すかもしれません。
 次の記事では試遊後のディスカッションについて書きたいと思います。こちらも結構興味深い話が聞けたので、ぜひお伝えしたいと思います。